満州国の官庁街から氷雪祭のハルピン~中国・東北、漠河の旅(4)


12/27 長春・新民大街~ハルピン

前回の続き)

091227長春ホテルの窓部屋は暖かく快適に眠れた。
7時に目覚しが鳴り起こされる。今日の天気は…とカーテンを開けたら、二重窓は完全に凍り付いていて、外が見えなかった。


091227長春朝の町並み

窓の氷が薄いところをゴシゴシこすって、氷をはがす。外の景色がぼんやりと見えてきた。灰色の空に灰色にかすんだ街。いちおう雲はないようだが、灰色の靄がかかっていて太陽は見えない。気温も-20℃くらいにはなりそうだ。重苦しい風景だが、車のクラクションは朝から賑やか。

091227長春名門ホテルロビー

品数豊富なビュッフェで朝食を食べ、荷物を整理してチェックアウトする。これがロビー。5つ星ホテルと言っても、部屋自体はどうということはなかった。でもロビーの広さは5つ星級。

091227長春名門ホテル回転ドアこのホテルも、昨日入ったいくつかのデパートも、入り口は巨大な回転ドアだった。回転ドアのほうが冷たい外気が入らず、効率的なのだろうか?

いずれにせよ、ドアから出た瞬間にズボンからすーっと熱が奪われ、冷たくなっていくのがとても不快。


091227長春の街角

今日はホテルの面する人民大街を南下し、自由大路を経由して、旧満州国の官庁街だった新民大街を北上して、駅に向かう予定だ。
休日の朝だというのに、すでに道路は渋滞気味だ。

091227長春道路の氷をはがす

あちこちで、金属のヘラでガリガリと路面の氷をはがしている。雪は降っていなくても霜で、氷はどんどん厚くなっていくのだろう。まるで、融けたガラスが道路にこびりついて固まったような感じで、なめらかに硬くて滑る。

変わった建物が見えてきた。これは旧満州国興農部、今は中学校になっている。

091227長春満州国総合法衛

人民の後にくっついて、交通量が多く凍った道をおっかなびっくり渡る。そこが旧満州国総合法衙、最高検察庁。今は病院になっている。

091227長春横断歩道自由大路を右折して、いよいよ旧満州国の官庁街の中止、新民大街に入る。ここでいくつも道を渡る。

白く凍った歩道は、表面がザラザラしているので歩きやすい。車道の黒い部分は、アスファルトが透明な硬いツルツルの氷でコーティングされた状態になっている。車は接触しそうなくらいギリギリを走るし、かなりデンジャラス。


091227長春満州国交通部

旧満州国交通部。新民大街の両側には、この手の旧満州国の官庁(=変な建物)がずらりと並んでいる。

091227長春吉林省図書館

吉林省図書館。建物の周りをぐるりと歩いてみたが、昔はなんの建物だったかわからない。でも、もう、写真を撮る指先や、冷たい空気に直接触れる鼻が痛くて、どうでも良くなってきた。

091227長春満州国司法部

旧満州国司法部。今は吉林大学。

091227長春満州国国務院

新民大街のクライマックス、旧満州国国務院。行政の中心だったところだ。国会議事堂をまねたつくりになっている。地球の歩き方には1階は見学できると書いてあるが、我々は入ろうとしたら追い出された。

091227長春満州国国務院溥儀の松構内には清朝最後の皇帝であり、満州国の皇帝であった溥儀が植樹した松がある。


091227長春満州国軍事部

国務院の通りをはさんだ向かいは、旧満州国軍事部。

091227長春満州国地質宮

国務院で新民大街は解放大路に突き当たって終わる。その先には、皇帝の宮殿として作られた地質宮がある。

地質宮の前には文化広場と言うだだっぴろい広場がある。風を遮るものがないので、吹きさらしだ。風上のほっぺたが、痛いを通り越して感覚がなくなってくる。完全に冬山気分だ。顔に風が当たらないように、真横を向きながら、文化広場をまっすぐ進む。

091227長春新民大街

振り返れば、真ん中に新民大街が延び、左側に旧国務院、右側に旧軍事部が控える。印象的な風景なので、最後の力を振り絞って写真を撮る。2時間ほど写真を撮り続けていたので、カメラを持っていたほうの手の指先が、冷たくなって感覚がなくなっている。曲げ伸ばしもままならない。

もうだめだ~、ギブアップ。カメラをしまい、また目を三角にして、わき目も振らず駅を目指して小走りで突き進んでいく。

091227長春駅前携帯ショップ滑りそうな道をずんずん歩いて、駅前にやって来た。小走りで進むと足先が冷たくなりにくい。(転びやすいけど…)

なぜか駅前通りのいちばん賑やかなところに携帯電話ショップが並んでいる。


091227長春駅前通り

食事ができるところを探して人民大街から脇道に入る。ここも多くの人民が信号も車も無視して、せわしなく歩き回っている。とても中国らしい。こんな寒いのに串に刺した山査子(さんざし)飴を売っている。これも中国らしい。が、-20℃の道端で売るなんて、どんだけ山査子が好きなんだ。

091227長春刀削面館目に付いた刀削麺の店(長春刀削面館)に入る。本場の刀削麺にちょっと感激。それも卵の熱刀削麺大盛りが8元でお手ごろ。
早速、食べようと箸を手に取るが、手がかじかんでいて箸が持てない。仕方なく、しばらく熱々のどんぶりを両手で抱え、刀削麺を眺めながら手を温めていた。


091227長春駅前

駅前にはリヤカーみたいな屋台がたくさん出ていて、湯気をあげている。焼き芋や煮卵を売っている。買ってもすぐ冷めてしまいそうだが、買っている人は結構多かった。

091227長春駅待合室お腹もいっぱいになり、ちょっと早めの13時ちょうどに長春駅に入る。ハルピン行きT243の第4待合室からは人民があふれ出ている。えらいこっちゃ、と思ったが、これは別の列車を待っている人々だった。


立ち席券を握り締め、人民に混じってT243の改札前に並んだ。30分遅れて改札が始まり、ゲートが開いた瞬間、人民がワーッとホームに向けて走り出した。なんだか分からないが一緒になって走って行く。列車のドアでおしくらまんじゅうのようになって、車内になだれ込む。皆、我先に席に座り始めたので、私も立ち席券ながら、一緒になって空いていた席に腰を下ろした。
青いシートのカバーは乱れ、タバコくさい。床には豆の殻が散乱している。洗面台にはゴミが押し込まれている。あちこちで人民が大声で話したり、電話をしている。和諧号と違って車内は猥雑な雰囲気だ。

091227車窓から夕日

トイレに行くためにデッキに出た。外の景色を見ようとしたが、窓は完全に氷に覆われている。手袋でゴシゴシこすって窓の氷を削ぎ落とす。そこからは今にも沈もうとする夕日が見えた。

091227ハルピン駅前煌々と光る街あらわれると、そこはハルピンだ。17時ちょうどハルピン駅到着。寒い。列車から下りた瞬間にズボンが冷たくなる。鼻が痛くなる。
駅前には氷でできた大きな城がライトアップされていた。道路もカチカチに凍っていて、長春以上に滑る。さすが数十万人の観光客を集める氷雪祭がひらかれる都市だ。


091227ハルピンバスを押す

自殺行為かと思いつつ、ハルピン駅から4kmほど離れたホテルまで、冷凍室なみの寒気の中を歩いてゆく。でも面白いものが見れた。道が凍っているため、ちょっとした坂道を路線バスが上れない。と、乗客がバスからわらわらと降りてきて、みんなでバスを押し始めた。

091227ハルピン雪像作り-20℃はあろうかという厳しい寒さの中、せっせと氷像を作っている人達がいる。


091227ハルピン中央大街1

やっと中央大街までやってきた。ホテルは近い。
中央大街には1910年代に建てられた、ロシア様式の建物が建ち並ぶ。今ではその建物に、ブランドショップやホテル、デパートなどが入り、大ショッピング街になっている。

091227ハルピン中央大街2通りに面してならぶ建物はすべてライトアップされている。後にはサーチライトまで回っている。


091227ハルピン中央大街3

通りには一定間隔で氷像が並び、これもライトアップされている。観光客が多く、氷像の前でかわるがわる記念写真を撮っている。

091227東方賓館中央大街から大安街を10分ほど行くと、今夜の宿、東方賓館のけばけばしいネオンが見えてきた。
フロントでは英語が通じず、これから中国語攻めが始まることを予感させる。安い割には清潔な感じのホテルだが、トイレのドアが壊れていて閉まらなかった。


091227ハルピン歩道の氷

夕食のために、また街に出る。歩道や街角のあちこちに作りかけの氷像や氷のブロックが放置されている。街全体が氷雪祭に向けてまっしぐらだ。

091227ハルピン名典西餐庁今夜の食事は兆麟公園の向かいにある、ロシア料理の「ハルピン名典西餐庁」。ロシア風ステーキやボルシチ、ポットのシチューがうまい。肉自体がとてもうまい。ハウスワインが甘いのが惜しい。値段は少し高めだが、従業員はフレンドリーで、接客態度も日本と遜色ないくらい良い。中国にいることを忘れてくつろぐ。


091227ハルピン中央大街屋台

ホテルへの帰り道、中央大街に屋台を見つけた。何があるのかな~、とのぞいてみたが、なぜか、ナッツとドライフルーツしかなかった。

次回に続く)

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