クラント、シーフードごった煮山盛り~チリの旅(23)
11/24 プエルト・モン(テングロ島)~アンヘルモ~サンティアゴ
(前回の続き)
船頭に1000ペソ払って渡し船に乗る。本当は500ペソなんだけど、小銭がないので「釣りはいらねえぜ」と1000ペソ札を渡した。150円くらいかな。
ぼちぼち人が集まってきたところで出発。
なんか水面が近い。でも風が気持ちい~。
あっという間、5分ほどでテングロ島に到着、そして上陸。
港のそばの海岸には、鮮やかな色に塗られた漁船が置いてある。
島の丘の上にある巨大な十字架に向けて、海岸を歩き始める。それにしても焼けつくような陽射しだ、暑いぞ。ゴア雨をかぶる。
未舗装の車道をひと登りして、広場のような頂上。巨大な鉄骨で組まれた十字架と十字架より小さい教会があった。教会には入れないようになっていたので、由来は全くの謎。
広々として気持ちいい所だ(暑いことを除けば)。ピクニックをしている人がいる。牛ものんびり草をはんでいる。
プエルト・モンの街並みを見下ろす。バックには、オソルノ山とカルブーコ火山の二つの雪をかぶった山が見える。美しい。登りたい。
ここからの夕暮れの景色はさぞ美しいことだろう。
パイネは、まだまだ寒く、やっと春の気配を感じるくらいだったが、ここは春の花の盛りのようだ。
丘を下りて、ちょっと散策。テングロ島は、せいぜい東西4kmくらいだ。
テングロ島の港。カルブーコ火山が絵になる。
街の中心部に行こうとするが、つながれていない犬が何匹もウロウロしていて、追い立てられる。
犬に追い立てられて喉が渇いた。コンビニはないものかとキョロキョロする。この派手な旗がぶら下がっている地味な建物がよろずやだった。フルーツジュースを買う。
同じ渡し船で戻ってきた。次はアンヘルモの市場でシーフードを食べよう。
陽射しと排気ガスに耐えながら、海岸沿いの道路をアンヘルモに向かって歩く。しばらくすると道の両側がびっちりと土産屋になった。工芸品が多い。が、どこの店も同じものを売っている。こんなんで儲かるのか?マーケティングがなってない。
アンヘルモの魚市場。もうすでに17時半をまわっているせいか、あまり活気がない。セビッチェ(魚のマリネみたいなもの)を売っている。でも、生臭くてなんかお腹をこわしそうなので素通り。
あっ、ペリカンだ。野生のペリカンを見たいと思っていたんだ。それにしても…
ペリカンの視線の先には、でっぷりと肥えたトドがいる。そしてそのトドの視線の先には、大きなゴミ箱が…。トドは、ごみ箱に捨てられる魚のアラが落ちてくるのを待っている。もちろん、ペリカンもそれが欲しい…
トドがいる限りペリカンにおこぼれはない。
恨めしそうなペリカンの顔。
市場の中はだいたいサーモン、タラ、大きな貝。でもあんまりおいしそうじゃない。
気を取り直してレストランを探す。
探すというか、市場の外には長屋のようにレストラン、いや、あえて飯屋と呼ぼう、が立ち並んでいて、客引きがうるさい。さっきの土産屋のように、どれも同じような感じで、どれがいい飯屋なんだかよくわからない。
しかたがないので、若い女の子の呼び込みについていく。
店に着くと、おばあちゃんが出てきて、女の子はどこかへ行ってしまった。なるほど、これがマーケティングだ。
注文するのは、もちろん、アンヘルモの名物、クラント。そして白ワイン。
なんだこれは?
ムール貝、赤貝、ハマグリのような貝、鶏肉、豚バラ肉、ジャガイモ、里芋?なんかちくわぶみたいな物のごった煮が山盛りでてきた。シーフードも肉もそんなの関係ない、と主張している。
ウニが入っていると聞いていたが見当たらない。おばあちゃんに、ウニは入っているよね?と聞くと、もちろんと答える。よくよく見れば、黄色いぽつぽつが肉や貝についている。ウニも一緒に煮込んでしまっているのだ。ああ、もったいない…。
味は…たぶん見た目からみんなが想像する味。塩味を基本として、貝や肉の出汁がたっぷりとしみ込んでいる。
おばあちゃんが、”como ○×△…”と話しかけてきた。日本から来たと言ったのに、スペイン語容赦ない。どうも、料理の説明をして、美味しいか?と聞いているようだ。”muy bueno!”(「素晴らしいよ」)と言ったら、顔をくしゃくしゃにして喜んでいた。
ごちそうさま。今日もお腹が爆発しそうです。
バスターミナルに戻ってきた。10台以上のバスが停車できる大きなバスターミナルの2階でコーヒーを飲みながらバスを待つ。
バスに乗る前に念のためにトイレにいく。なんと、トイレの入り口にはカウンターがあって人がお金を徴収している。400ペソ。これは、人件費を回収できるのだろうか。デンマークのように機械で徴収すればいいのに。
日が傾く。21時発のバスが来ない。でもここは南米。出発時間を過ぎてバスはやってきた。
乗り込んですぐ寝る。明日の朝には、この旅の起点であり終点、サンティアゴだ。
(次回に続く)
赤星山もおといこさんも地元で親しまれている山のようですね。調べてみたら行ってみた…