ラパス市街を散歩~南米4ヶ国の旅(25)
9/8 ラパス(国立芸術博物館、ムリリョ広場)~サンティアゴ
(前回の続き)
午前中はラパス市街地をぶらぶらし、午後はチリのサンティアゴに移動する。旅のフィナーレは近い。
ラパスの街の谷底をサンタ・クルス通り-7月16日通りが貫いている。大通りの両側にはヨーロッパ風の建築や近代的なビルが並び、通りに沿って花壇やベンチが整備されている。今日は歩行者天国になっていて、医大生によるアトラクション?や子供の遊び場、さまざまな屋台で賑わっている。長袖一枚がちょうどよいくらいの穏やかな天気で、のどかなお散歩を楽しむ。
この勇ましく剣を振り下ろす人は誰かな…台座に書いてあった。ボリビアの国名の由来にもなったシモン・ボリバルだ。南米5カ国をスペインからの独立に導いた、軍人、政治家、そして革命家だ。
じゃあ、この笑顔で手を振る人は?ボリビアのモラレス大統領だ。なんでもラパス市内の交通渋滞緩和のためにゴンドラを作る計画らしい。ホンとかいな?そんなことよりミニバスとタクシーを規制して、ワンマンバスを走らせたほうが効果的だろう。大統領は最近支持率が低下していて、挽回に必死らしい。
この通りの眺めは個人的に最もラパスらしいと思った。古い建物が並び、街の中心に向かって急な下り坂になっている。そして背後には小さな建物が密集した丘が見える。
ティワナク国立考古学博物館に行くが、休館中。近くにある国立芸術博物館に行った。植民地時代の宗教画や肖像が、そして近年のアンデスの文化を強く意識した絵画、彫刻などボリビア芸術にふれられる。ここは入り口でチケットを買うと、なぜか館内をうろうろしている警官がチケットを切ってくれる。
ラパスにはたくさんの教会がある。しかし、撮影が許されていないところも多い。
賑やかさに引かれてやってきたムリリョ広場。親子連れやカップルで賑わっている。上野公園の動物園前の広場のような雰囲気。ボリビアは治安があまりよくないので緊張した旅を続けてきたが、ここではとってもリラックスした気分になれる。
ムリリョ広場に面して、門に衛兵が立つ大統領官邸や、色とりどりの旗がはためく国会議事堂がある。この様々な旗はボリビアの州の旗だろうか?ボリビアは様々な文化を持った民族で構成される多民族国家だ。
ムリリョ広場からロス・エロエス広場へマーケット沿いに歩く。途中に建築中だか解体中だかわからないビル。とってもボリビアらしい。
いたるところに笑顔の大統領が出現。日本でこんなことをしたら税金の無駄、その他の理由で大批判だろう。
ラパスは谷底。そしてその谷を囲む斜面には隙間のないほど、小さな家が密集している。だから夜には光の滝のような夜景が見られる。
ラパスの標高は3650m、世界で最も高いところにある首都。そして、この斜面は標高4000mの台地に続く。ラパス市内の低地にはお金持ちが、斜面の上に行くにしたがって貧しい人が住む。一説によれば、これは空気が濃いほど地価が高いためだと言うが、本当かな?
ブラックマーケット(Mercado Negro)を周り、ホテルに近いサン・フランシスコ教会に戻ってきた。ここも賑わっている。教会内は撮影禁止。相棒がカメラを構えると、すぐに警官がとんできて怒られた。
魔女通りと言われるリナレス通り(Calle Linares)をうろうろ。民間信仰グッズを売る店が何軒かある。幸運の石のお守りを買って、リャマのミイラの写真を撮らせてもらう。いったい何に使うんだ?残念ながら私のプアーなスペイン語では質問はできても、答えが聞き取れない。
現地の人と思しき人達で賑わうローカルレストランで昼食。ボリビア料理らしいが、なんと言ったかな…。とにかく、目玉焼きやカツレットがのった焼きうどんだ。小銭がなかったので大きなお札で代金を払ったら、店員はお札を持ったまま外に行ってしまい、なかなか戻ってこなかった。ローカルレストランに入るときは小銭を用意しよう。
近郊にいくつもの6000m峰がそびえるラパスは、クライミング天国でもある。Max Paredes通りやサガルナガ通りにはクライミングツアーを扱う旅行会社や登山用具店がいくつもある。いいな~、また来ることがあったら絶対登るぞ。
時間いっぱい。ホテルに戻ってタクシーを呼んでもらう。タクシーは上り坂をぶっ飛ばし、20分で首都の空港とは思えない、素朴なエルアルト国際空港に到着。そして目の前にここは誰?な光景が。「デイサービス送迎中」じゃなくて空港の送迎中でしょ…。ボリビアには日本の中古車がいたるところに走っていて、日本車だと見せつけるために、日本語をそのまま残しているらしい。中には、日本車っぽく見せるために、訳の分からない日本語を適当に書いた車も見受けられる。
早く着いてチェックインはできても、ゲートは閉められ直前まで入れない。Free WiFiはばっちり。コーヒーを飲みながら時間を潰す。
サンティアゴ行きの飛行機は定刻に飛び立ち、谷底にへばりつくように見えるラパスを後にする。雪を抱いたアンデスの山々が見えてきた…と思ったらすぐに雲に覆われて終了。国際線だがお菓子はでるが食事はない。1時間もせずにアタカマ砂漠の海岸の街、チリのイキケに着陸、飛行機から追い出される。サンティアゴ行きの飛行機だがイキケ経由なのだ。
イキケの搭乗ターミナルでチリの入国手続きをする。なんのアナウンスもないまま1時間放置。チリのリゾート都市イキケだが、窓から見えるのは、どこから砂浜でどこから砂漠だかわからない砂地、地面に着きそうなくらいどんよりと垂れ込めた灰色の雲。
やっと乗り込んだ機内は、女子学生のおしゃべりで騒がしい。私の斜め前の女の子は後ろを向いたまま、飛行機を下りるまでずっとしゃべり続けていた。やかましいい!!!スペイン語を話しているのは間違いないが、ほとんど聞き取れない。やっぱり若者の言葉が聞きとりにくいのはどこの国でも同じなのだろう。
サンチアゴ空港に到着。文明に戻ってきた。滞りなく乗り合いバスのチケットを買い、滞りなく乗車し、首都高速よりはるかに広く快適な高速道路から建ち並ぶビルや高層住宅の明かりを眺め、そして滞りなくホテルに到着。でもそこはやっぱり南米。ホテルがダブルブッキングされていて、2泊予約しているが今日しか泊まれないと言う…。しゃあないよな、まず飯を食いに行こう。おすすめのレストランを聞く。
ホテルのすぐそばAlmirante Simpsonにある”Casa de Cera”。やっぱり牛肉を食べる。うまい!日本のように油気の多い肉ではないが、十分柔らかくて味が濃い。塩味も絶妙。今回の旅であきるほど牛肉を食べたが、これがいちばんうまいステーキかも。
(次回に続く)
参考
- ラパス市内からエルアルト国際空港
- ミニバスとタクシーがあるが、タクシーが無難。必ずホテルで呼んでもらうこと。BOB80だったがちょっと高いかも。20~30分。
- エルアルト国際空港の使用料
- チェックイン前に現金で払う。BOB174(高い!)
- ラパスからサンティアゴの航路
- ラパスのエルアルト国際空港からチリのサンティアゴまでは、LAN航空など1日数便ある。ただ、直行便から先にうまり、私のように予約が遅いと時間のかかる経由便しか空きがないかもしれない。
- サンティアゴ、アルトゥロ・メリノ・ベニテス空港からサンティアゴ市内
- 深夜だったのでミニバスを使った。空港の荷物受け取り場所から出たところで、行き先を告げてチケットを買う。ターミナルをでて指示された場所に行くとワゴンがまっている。ホテルの前まで送ってくれる。値段をメモするのを忘れたが、US10くらいだったかな。
赤星山もおといこさんも地元で親しまれている山のようですね。調べてみたら行ってみた…