ショック! 後スカフタフェットル散策~アイスランド&グリーンランド(9)
8/6 レイキャビック~ヴィーク~スカフタフェットル
(前回の続き)
なにはともあれテントを張る。スカフタフェットルのキャンプ場は200張りくらい張れそうなので、張るところには困らない…が、高校生の集団と西日を避けて張る。
公園事務所で場所代を払い、その足で明日のアイスランド最高峰、クヴァンナダルスフォニューク登山のリコンファームのためツアー会社のオフィスへ行く。が、なんと、ルートは3日前にクローズで登れないとのこと。このためのここまで来たのに!最高峰から広大なヴィーク氷河を見下ろそうと思っていたのに!!大ショック!!!今年は異常気象で記録的な猛暑となり、山頂までの氷河に渡れないクレバスが開いてしまったそうだ。残念だがしかたない…。こんなところまで持ってきた雪山登山の装備をどうしてくれる…。意気消沈し、受付のおねえさんに薦められるままに、登山の代わりに「Grand Slam Glacier」というツアーに申し込む。なんだかようわからん。
意気消沈していてもどうにもならない。もう5時を過ぎているがまだ日が高いので軽くトレッキングをしようと地図を見る。真ん中の尾根の先にスカフタフェットルがある。両側を氷河に挟まれた、氷河を見るためのキャンプ場と言ってもいい。
スカフタフェットル周辺の拡大図。往復2時間弱のコースから泊りがけのコースまで複数のトレッキングコースがある。確かここには柱状節理の見事な滝があったはず、と、スヴァルティフォスを見に行くことに決めた。
キャンプ場の裏から尾根に取り付く。国立公園だけあって、ここまでのはげちょろけと違い、尾根には広葉樹の森が広がり、足元には色とりどりの花が咲く。
すぐに小さな(と言っても日本の感覚からは大きな)滝があった。これはスヴァルティフォスではないので間違えないように。
シシウドみたいな花が一面に咲いている。勝手にシシウドヶ原と命名。シシウドじゃないと思うけど。その向こうには例の黒い平原が広がる。
あっという間に森林限界線を超え、広い尾根道に出た。もうすぐ6時なのに、容赦なく照りつける西日が熱い。この登山道はとてもよく整備されていて、子供連れの姿も多い。
尾根から谷に下る。水音が聞こえる。スヴァルティフォスが見えてきた。釣鐘人参みたいな花がたくさん咲いている。
スヴァルティフォス到着!1時間もかからなかった。みんなまったりしているので、私もまったり行動食を食べる。
谷の側面がすべて柱状節理になっている。なんかパイプオルガンみたいだ。そして、左の壁の柱状節理はこちらに向いてぐにゃりと曲がっていた。曲がっている柱状節理ははじめて見た。
最盛期は過ぎたと思われるが、咲いている花の種類はとても多い。
もちろん花の名は知らない。
ビールで乾杯してしまったものの、まだ日は沈まない。もう7時半になっているが、明るいのでスカフタフェットル氷河へトレッキング。キャンプ場の水場の横から崖に沿った道を行く。登れるかな~と崖を見ながら歩く。
氷河が近づいてきた。氷河が近づくにつれて、人が小さく見えてくる。氷河はダークな灰色。度重なる火山の噴火の火山灰で汚れている上に、今年の異常気象で氷が融けているためらしい。
こんなザクザクの溶岩の砂地にも花をつける植物がある。
あてもなく溶岩の砂礫の上をザクザクと1時間ほどひたすら真っ直ぐに歩く。しつこい夕日も沈み薄暗くなっていく。空に輪を描く2羽の鳥の鳴き声と風の声以外はなにも聞こえない。そして、氷河から流れる出る川に行く手をさえぎられもう進めないことがわかった。8時を過ぎてるし、潮時か。記念に近くのモレーンに登りパノラマ撮影。でっかくて灰色の氷河、モレーンの上に取り残された池、黒い平原、溶岩の崖。
テントに戻り、ワインを開け、高校生がギャーギャー騒いでいるのを遠くに聞きながら眠りに落ちる。
(次回に続く)
参考
- スカフタフェットル・キャンプ場
- 国立公園公式サイト:数百張り張れそうな大きなキャンプ場がある。公園事務所、カフェ、売店、資料館、トイレ、シャワー、ランドリーがある。ただし、シャワーとランドリーの数は少ない。カフェの食事はスープとパンとケーキ、チーズやハム、ワインなども売っている。サイト場は草地なのでペグが打てる。ホテルもあるようだが、高いうえに予約が難しいとのこと。
赤星山もおといこさんも地元で親しまれている山のようですね。調べてみたら行ってみた…