ボロボロです…~八ヶ岳・中山尾根(2)
10/4 行者小屋~中山尾根~地蔵尾根~行者小屋~美濃戸
(前回の続き)
夜明け。ほぼ快晴。わずかに稜線に残る雲が朝日で赤く焼けている。
第一岩壁の直下は狭いため、樹林をぬけたところで登攀の準備をする。それにしても寒い。さすがに10月だ。風はぴゅうぴゅう冷たく、手がかじかんでくる。
まずは第一岩壁を登る。垂直でもホールドが多くて難しくないはず…だが、あまりの冷たさに途中で両手の中指から小指の感覚がなくなった。手の感覚なしで登るのはかなりおっかない。途中でレストして首のぬくもりで手を温める。
中山尾根は横だけ西面の切り立った尾根なので、眺めはとてもよい。天気もいいし、陽が当たって暖かくなってきてサイコー。
第二岩壁を上がると縦走路が見えてきた。ゴールはもうすぐだ。
中山尾根はふつう、無雪期には登らない。その理由は来てみれば分かる。岩壁以外ボロボロだからだ。ホールドになりそうな岩すべてがグラグラしている。
さて、自分の番になって、頭のところにあったホールドを、手でちょっと押して、大丈夫かな~、と確かめたとたん、ぎゃー、頭ほどの大きさの岩がずっぽり抜けた。慌てて押し戻そうとしたが、重たくて手が負けた。ラーク!と言ったときには、下にいた仲間の肩にゴン!うわぁ~だいじょぶか~!?…落下距離が短かったため大事はなかった。
そこから石を落とさないように、上からヒュンヒュン落ちてくる石に当たらないようにめちゃくちゃ緊張しながら登った。
トップが終了点に出た。
私も終了点に出た。一息ついて縦走路を眺める。
あとはこの縦走路をルンルン駆け下るだけだ。
地蔵尾根から中山尾根を見る。ほとんど崖のよう。よくあんなところを登ったもんだ。
主稜線が良く見える。秋の空がきれいだ。
もう、あとは美濃戸まで一目散に下っていった。
(八ヶ岳・中山尾根、完)
赤星山もおといこさんも地元で親しまれている山のようですね。調べてみたら行ってみた…