北岳は花の山~仙丈岳・北岳(5)
8/13 肩ノ小屋~大樺沢~広河原
(前回の続き)
まだ夜明けぬうちにトイレに立つと、満天の星空、そして音もなく夜空を横切る流れ星。そうか、今日はペルセウス座流星群の極大日だ。5分ほどのトイレタイムの間に5、6個の流れ星を見ることができた。
昨晩はシュラフなしで寝てどうなることかと思ったが、まあまあ寝ることができた。ダウンを着ている上半身とザックに突っ込んでいる足は温かかった。その合間のおしりと腰だけがちょっと寒かった。
4時に起きて粗末な食事をして(相方が朝飯を持ってくるのを忘れた…)さっさとテントをたたみ、日の出を待つ人々を横目に出発。雲は多いが天気は晴れ。富士山も見えてる。
小太郎分岐に向かう途中で日の出。残念ながらちょうど太陽が昇るその場所に雲の塊があり、日の出の瞬間は見えなかった。
冷たい風が吹きつける。手袋が欲しい。でも下界の地獄の暑さを考えれば、天国のようだ。
朝日を浴びるバットレス。
おととい頂上に立った仙丈岳。一度は遠く離れたが、また近くに戻ってきた。左側の沢が大仙丈沢、右側の沢が行くはずだった小仙丈沢。
下山は御池に下らずに右俣コースをとる。大樺沢沿いは涼しそうだったし、このコースは花が多そうだ…ビンゴ!花のシーズンにはちょっと遅めだが、まだまだたくさんの花が咲いている。
花の名は知らない。ただ眺め、気に入ったら写真を撮る。
このルートは花だけでなく、花畑のバックにそびえるバットレスがかっこいい。スカイラインを見せているのが4尾根かな。
私の好きなたかねなでしこ。なでしこの花言葉は「可憐」。たかねなでしこにはさらに、繊細さとはかなさを感じる。
なんじゃこりゃ?マチ針の頭みたい。
大樺沢にでた。雪はいつもより少ない気がする。陽射しはすでにジリジリするが、沢の上から冷たい風が吹き下りてきて涼しい。
このあたりから多くの登山者とすれ違う。若い女の子が大きなザックを背負って、汗をダラダラ流しながら、次から次へと登ってくるのが不思議な感じ。
大樺沢に沿って左岸から右岸、右岸から左岸と縫うように下ってゆく。あっという間にバットレスが後ろに遠ざかる。そして下からは次から次へと人が登ってくる。と、見たことある顔が登ってくると思ったら、会社の人だった。人が多いといろいろなことがあるものだ。
大樺沢から離れて緑濃い森に入る。ここも涼しいな~。でもここまで来ると終わりは近い。
北沢峠からずっと同じペースで歩いてきて顔なじみになった方と再会を約束し、乗り合いタクシーで広河原を後にする。
この後はもちろん温泉。今回は芦安の駐車場から車で10分ほどのところにある桃の木温泉「山和荘」。ほのかな硫黄の香りがするアルカリ性単純泉。強い硫黄の香りをご希望の方は、温泉の湧き出し口からお湯をすくって飲めば、胸いっぱいの硫黄の香り。源泉掛け流しだからこそできる。この温泉はアルカリ性にもかかわらず、肌がきゅっと引き締まる。暑い時には湯上り爽快。
(仙丈岳・北岳完)
赤星山もおといこさんも地元で親しまれている山のようですね。調べてみたら行ってみた…