思い出多き北岳へ~仙丈岳・北岳(4)
8/12 両俣小屋~間ノ岳~北岳~肩ノ小屋
(前回の続き)
コーラパワーですっかり元気になり北岳山頂への今日最後の登りにかかる。八本歯への分岐で振り返れば間ノ岳、農鳥岳の3000m峰がでかい。絵に描いたような夏山のワンシーン。でも私の農鳥の思い出はへんな小屋のおやじが90%を占める。
北岳山荘から北岳山頂まで300mの急な登り。
山頂が近づくにつれ、花の量、種類ともどんどん増えてゆく。北岳は仙丈をはるかに超える花の山だ。これはシオガマの一種。なにシオガマかは知らない。
午後になると山にガスがかかってきた。しかし夕立の降る気配はこれっぽっちもない。ここ数日は大気が非常に安定しているようだ。それにしても暑い…
北岳山荘から1時間ちょい。北岳山頂はもうすぐそこだ。
北岳山頂到着。人は多いが思ったほどは多くない。みんな静かに北岳を取り囲むパノラマに浸っている。仙丈岳、甲斐駒ケ岳、鳳凰三山、間ノ岳、農鳥岳、塩見岳…、そして今日、ずっと歩いてきた仙塩尾根もたどることができる。
この山頂に立ったのは何度目だろう?はっきり憶えているのは一番最初に登ったとき。北岳は私が初めて登った3000m峰だ。小学校3、4年生だったと思う。そのとき私を連れてきてくれたおじさんはもうこの世にはいない。しかし、彼のおかげで私はまたここに立っている。
山頂でのんびり休憩して、肩ノ小屋に向けて下る。急ではないがザラザラした道だ。そう言えば前回来た時は、真っ暗な中をライトの灯りを頼りにここを下ったっけ…(バットレス・リターンズ)。
花、花、花。これはなんとかオダマキ。
肩ノ小屋にひっきりなしにヘリが飛んでいる。荷揚げにしては多いな、と思ったら小屋が工事中だった。おかげでいつものサイト場にテントを張ることができなかった。
2時過ぎに肩ノ小屋到着。今日の行動終了、お疲れ様でした。小屋でビールを買い、テントをたて、乾杯!あれが4尾根、そして中央稜、崩壊したのはどこかな?とバットレスをつまみにグビリとやる。
さてさて、そろそろ恐怖の夜がやってくる。沢登のつもりだったからシュラフがない。3000mでシュラフなしで寝るのは初めてだ。寒くないだろうか…。でも12月に天神平でシュラフなしで外で寝たのに比べればだいぶましだろう…とあまり励ましにならない励ましで自分を励まして、テントにごろりと転がった。
(次回に続く)
北岳山頂からの眺めばっちりですねー!パノラマ写真からの山座同定とか楽しそう。僕が行ったときは、ガッスガスでした。
バッチリです。
3日間、全く夕立にもあいませんでした。
珍しいことです。