ベアリング表はいけてるか?~岳人8月号


岳人8月号の第一特集は「ひとり山歩き 大人の山岳部」

登山準備、登山中、そして下山後の地図の使い方を説明している。特に2万5千分の1地形図で計画を立てることに、たくさんの紙面をあてている。ほとんどの初心者はやっていないと思われるが、これはとても重要だ。私も山行前には磁北線をひいたり、等高線をトレースしたり、少なくとも1時間は地図とにらめっこしている。

事前の準備として、磁北線や概念図とともに「ベアリング表」を作るという。

「ベアリング表」とは予め決めたルート上の複数のウエイポイント(チェックポイント)に対して、その標高と、歩き出す方向、次のチェックポイントへ距離が記載された一覧表だ。これがあれば、ウエイポイントに着いたとき、コンパスを使えば次に進むべき方向がすぐに分かる。

確かに便利っぽい。でも、お~すげ~、と言うほどの「いけてる」アイテムだろうか?

個人的には「NO」だ。

山でベアリング表を使ったことがない。しかし、ベアリングの情報は使っている。どうするかと言うと、コピーした地図に、ウエイポイントでの方向を示す矢印をそのまま記入している。もし必要なら角度も記入する。そうすれば地図に直接コンパスを当てて、瞬時に進む方向が分かる。もちろん地図を見ればポイントの高度と次のポイントまでの距離はわかる(ここは間違えないようにするノウハウがある)。表と見比べる必要がないので見間違も減るだろう。

記事では、多くのポイントの情報を得ておくことが必要とのことだ。もし、そうであれば地図に直接書き込むと、地図が矢印だらけで見にくくなってしまう。しかし、私の感覚ではそんなにいらない。通常の登山道を使った山歩きでは、まずいらない。登山道では1次元の線の上を歩いているだけだから。雪山や藪山ではピーク、稜線からの下降点、下りの尾根の屈曲点、だだっ広い場所に必要だが、事前にポイント設定しなければならないほどのシビアな場所は1日2,3くらいだ。ほとんどはその場でコンパスを切って対処する。今まで最も地図読みが難しかった白山での1週間の藪漕ぎでも、矢印を引いたポイントはせいぜい1日5点くらいだった。

初心者にしても、むやみにポイントをとるよりは、現場でコンパスを切る練習をしたほうがいいように思う。もし道に迷ってコースをはずれたら、そこにポイントは設定されていないのだから。

使い勝手の問題もある。ウエアがバタバタ言うほどの強風吹き荒れる吹雪の稜線や、木につかまっていないとズリズリ落ちそうな藪の急斜面で、ベアリング表と地図の二枚の紙を取り出し、手に持って比較している余裕はあるだろうか?私はやりたくない。うっかり地図が飛ばされては泣くしかない(予備地図は常に持っているけど)。シビアな地図読みが必要な状況で逆に使いにくいように思う。

しかし、最大の問題は「めんどくさい」だ。(変な落ちでごめんなさい。)

山に行く前にはやることがいっぱいある。地図でルートをチェックして防水して、計画書を書いて、装備をチェックしながらパッキングして、、、。あっ!行動食買い忘れた、カメラの電池が充電されてない、、、いつもいっぱいいっぱい。ベアリング表や概念図を別に作るなら、装備チェックと計画書の作成に時間をかけたほうがいいような…

もちろん初心者が地図になじむという意味では、暇なときにじっくり地図を睨みながらベアリング表を作ってみるのもいいかもしれない。

120722地図私の地図の例(写真でみやすいように情報をかなり省いてある)。
「等倍・濃い」でコピーした2万5千図にルートを黒破線+黄色の蛍光ペン、エスケープルートを黒破線+緑の蛍光ペン、ルート上の等高線を100mごとに水色の蛍光ペンで強調(地形や高度を瞬時に把握するため)、チェックポイント間のコースタイム(写真の地図には書いていない)、必要ならばウエイポイントを設定して進行方向に矢印、ほか、渡渉点や小屋など注釈を書き込む。これをB5のクリアポケットに入れて防水。

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