標高4000m、アンデス越え~南米4ヶ国の旅(12)
9/1 サルタ~サンペドロ・デ・アタカマ
(前回の続き)
6:30分に起きて着替え、昨晩のうちにまとめておいた荷物を担いで外に出る。まだ日の出には早く薄暗い。冷たい風が吹く、人通りの少ない道をバスターミナルへ急ぐ。今日は一日かけてバスでアンデス山脈を越え、チリのサンペドロ・デ・アタカマに行く。手持ちのりんご2個を朝食がわりに食べる。チリに果物を持ち込んだら即罰金だ。
バスはここが始発なのになぜか20分も遅れてきた。ファガスタ行きのバスだったので、ドライバーにサンペドロ・アタカマについたら教えてくれるように頼む。乗り過ごしたらアンデス越えどころか、太平洋の近くまで行ってしまう。
ウマワカまでは昨日のツアーと同じ道を行く。天気も昨日と同じ快晴。冬はこれが普通のようだ。
昨日も来たウマワカ渓谷。昨日はこの渓谷沿いにずっと奥の町を訪ねたが、今日は途中で左に入り、この岩山につけられた道を登り、アンデス山脈を越え、チリのアタカマ砂漠のオアシス、サンペドロ・デ・アタカマに向かうのだ。
ウマワカ渓谷の険しい山肌につけられたうねうねと蛇行した道を、右へ左へと振られながらゆっくりと登ってゆく。それでも傾斜はかなり急でバスは苦しそうにうなりをあげる。
振り返ればウマワカ渓谷を見下ろす雄大な眺め。それにしてもよくこんなところに道を作ったな。
やがて傾斜が緩やかになり、あたりの山もなだらかな丘のようになる。峠はすぐそこだ。
傾斜がなくなり道が右にカーブする。道端の見落としそうな看板で”Paso Jama”にたどり着いたことを知る。アルゼンチンとチリの国境にあるアンデス山脈の峠だ。峠を越えると今まで見えなかった、反対側の景色が見えてきた。
峠を越えたら高度を下げるのかと思ったら、逆に尾根に沿ってどんどん登り、ついには標高4500mを越えた。そこは広い高原で草原や砂漠が広がっていて、とても4500mとは思えない平坦な世界。過酷な登りから解放されたバスは、時速100km近いスピードで突っ走る。
目の前に白い地面が見えてきた。もしや…
やっぱり塩湖だった。道路をどうしても真っ直ぐにしたいらしく、道路は塩湖のど真ん中を真っ直ぐに突っ切っている。
おお、人が。ここは観光スポットらしい。
ロバの群れが道路をふさいでいた。バスは減速し、控えめにクラクションを鳴らしてロバにどいてもらう。こんな人里離れた高山地帯でも放牧をやっている。
今度はリャマの群れ。時速100kmでとばすバスから動物の写真を撮るのは難しいな。
どこまでもどこまでも標高4000mを越える乾いた景色が続く。変わりばえのしない景色に加えて酸素不足で、バスの中に気だるいオーラが漂う。
ひたすらのっぺりとした高原が続く。照りつける太陽、低い気温。そう、このブログを読んでいる方はピンときただろう。こんなときは絶対に蜃気楼が見えるのだ。かなたの山の手前に湖のような蜃気楼が見える。
それにしても、いつになったら景色が変わるのか…
(次回に続く)
すごいですね 体調は大丈夫でしたか
バスにトイレは付いているのですか
いきなり4500mなので多少息苦しかったです。
休憩はないので、トイレは必ずついています。