第77回富士登山競争・山頂コース参戦

7/26 富士吉田市役所~馬返し~富士山五合目

ついに本番がやってきた。

富士登山競争・山頂コース。

富士吉田市役所前をスタートし、富士山頂に至る水平距離約21km、標高差約3000mの日本屈指の過酷かつ歴史あるレース。
優勝者には、内閣総理大臣賞が授与され、さらに富士吉田市役所前のプレートに名前が刻まれる。そこには、数々の超人たちのドラマがある。

私と言えば...一昨年、予選の五合目コースをパスしたものの、昨年の山頂コースでは五合目タイムリミット2時間15分に間に合わず。五合目足切り(「第76回富士登山競争・山頂コース参戦」)。
今年はトレッドミルのトレーニングを強化し、山頂までの試走も済ませ(「富士山を駆け登り、山頂で凍える~富士登山競走試走」)、リベンジを誓う。

20240726富士登山競走 前日受付

受付は前日。場所はなぜかFuji100miのゴールだった北麓公園。あの苦闘が思い出される(「2024 Mt.FUJI 100 – FUJI100mi参戦」)。

20240726富士登山競走 スタート会場へ

レース当日。スタート会場、富士吉田市役所へ。
雲は多めだが晴れ。今回も暑そうだ。

市役所の敷地内で身支度を整え、荷物を預ける。
軽く体を動かして準備運動。

20240726富士登山競走 スタート前のトイレ

そしてトイレ。例のごとく行列。

トイレを済ませ、すぐにスタート位置に並ぶ。
私は五合目コースで予選通過タイムギリギリだったので、最後のブロック。
スタートの時間まで道路のアスファルトに腰を下ろして待つ。すでに灼熱の日射しが降りそそぎ、額に汗がにじむ。

20240726富士登山競走 スタート

ピリピリと張りつめた独特の雰囲気の中、スタートの号砲が鳴る。
最後尾ブロックがのろのろと動き出す。まだスタートさえ見えない。

スタートゲートが近づき、スマホをウエストポーチにしまう。
ここから死力を尽くしたマジ走り。

最初の直線は、混みあったランナーの中を接触しないように走るのでいっぱいいっぱい。
左折して浅間神社に向かう直線に入り、そこから自分のペースで走る。浅間神社までは、意外と傾斜があり、日射しを遮るものもなく、自分にとっては第1の難所。
飛ばしすぎないように、遅れないように先を見て走る。

浅間神社から中の茶屋までは、ゆるい傾斜の森の中の広い道路。淡々と予定ペースで走る。心拍数が160を超える。年寄りにはきつい。
中の茶屋のエイドで水を飲む。暑い。
ここからは、舗装道路であるものの道幅は狭く、路面も悪い。坂がどんどん長くきつくなる。傾斜は10%を超えてくる。
ペースが落ちるのは仕方ないが、もう少しで馬返しと心に言い聞かせながら、歩かないように走り続ける。

当初予定より2分遅れで馬返し到着。ここから五合目まではトレール。少し頑張ればぎりぎり足切りタイムを通過できそう。

トレールに入ってすぐ、突然渋滞。みんな立ち止まり、肩で息をしながらいぶかし気な表情。
そして前のほうで「救護です!あけてください!」との声が聞こえた。
その瞬間、「あー!」とその場にいたランナー全員が一斉に落胆の声をあげる。となりのランナーが「終わったな...」と呟く。

ひとりのランナーがトレールをはずれて先に行こうとした。
そのとき誰が「みんな先に行きたいのは一緒だ!マナーを守れ!」と声を上げると、大きな拍手が。

異様な雰囲気の中、満員電車のようにぎっしりとランナーが詰め込まれたトレールで、動き出すのをじりじりと待つ。
およそ3分後、レース再開。

その後も断続的に渋滞が続く。終わってたまるかと、広いところで渋滞を抜く。
がむしゃらに登っていくと、上のほうから応援の声が聞こえてきた。五合目関門は近い!みんな走れ!!
が、突然その声が止む。終わった...

20240726富士登山競走 五合目関門

五合目で、登山道ではなく林道に誘導される。ぎりぎりタイムリミットに間に合わず足切り。また来年。
エイドでバナナと水をもらって、すこし休憩。残念エイドと呼ぼう。

20240726富士登山競走 富士山五合目からの眺め

ああ、いい天気だ。

20240726富士登山競走 スバルライン五合目に向かう

足切りに打ちひしがれてスバルライン五合目に向かう、さっきまでランナーたち。

20240726富士登山競走 荷物受け取り

途中で預けておいた五合目用荷物を受け取る。
私はタオルとスポーツドリンクとパンを預けた。着替えを預けていて、ここで着替え始める人もいる。

20240726富士登山競走 スバルライン五合目駐車場

シャトルバスの出る、スバルライン五合目に到着。
南アルプスの眺め。夏山シーズンだなあ。

20240726富士登山競走 スバルライン五合目から富士山

そして富士山。
トップ選手はすでにゴールしている。そしてまだ多くのランナーがあの斜面と闘っている。

20240726富士登山競走 北麓公園

シャトルバスで表彰会場の北麓公園へ。
預けていた大きな荷物を受け取る。
それにしても暑い。食べ物や飲み物を販売しているテントをのぞいてみる。富士山ビールを買って芝生でうだうだ。

20240726富士登山競走 表彰式

表彰式。
富士山の麓から山頂までを3時間半以内で走る、人間の限界を超えてる人たち。

このあと、いつものようにふじやま温泉に寄って帰京。
また来年リベンジだ。

(第77回富士登山競走、完)

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