2年ぶりのブエノスアイレス~南米4ヶ国の旅(3)
8/25 リマ~ブエノスアイレス
(前回の続き)
結局、なんだかわからない食事のあとはよく眠れず。午前0時過ぎに飛行機は経由地のリマ空港に着陸。ここで大きな懸案が。
私はここで飛行機をおりるのでしょうか?それとも乗っていていいのでしょうか?
今までの経験だと、経由地では必ず一度、飛行機をおりている。機内アナウンスを必死で聞いていたが、英語のアナウンスはトランジットはインフォメーションで聞け!としか言わなかった。周囲でも立ったり座ったりして落ち着かない人多数。そこで隣のアルゼンチン人のご婦人に訪ねてみた。英語が全く通じないので、必死の表情+なんちゃってスペイン語フルパワーで”Voy a ir Buenosaires, Tengo que estar aqui?”(「ブエノスアイレスに行くつもりです、ここにいなければいけませんか?」)と話してみたら、なんとなく意味をわかってくれたようで”Si!”(「はい」)と答えてくれた。
安心して座っていたら、掃除の人が乗ってきてごみを集めたり、毛布を交換している。乗客はなんとなくリラックスした感じで、当てもなく機内をふらふら歩き回っている。なんだか不思議な雰囲気。私もトイレに行って、ふらふらしながらストレッチ。そうして客室乗務員が乗り込んできて、名簿を手に、ふらふらしている乗客一人一人を捕まえて、談笑しながら名前を聞いてチェック。それが済むと新しい乗客が乗り込んできて普通の飛行機旅行に戻り、深夜1時40分、リマ空港を離陸する。
不思議な時間だった。
アイマスクをして寝よう寝ようと努力するが、遠くからワゴンの音が…。時刻は4時半。
寝かせてくれ~、と心の中で叫びつつ、オムレツ完食。コーヒーまで飲んじゃう。もう眠れない。
5時半、チリのサンチアゴ空港に到着。ここでブエノスアイレス行きの飛行機に乗り換え。早朝の空港は人が少なく、また次の飛行機のチェックインはロスで済ませたこともあり、30分ほどで出発ゲートへ。
お土産屋のモアイさん、お久しぶり。
日本よりはるかに安いスタバでコーヒーを飲み、トイレで歯を磨く。
Free WIFIは見つからず。一昨年見つけることのできなかった、ATMもやっぱり見つからず。
出発時刻を20分遅れ、9時50分サンチアゴ空港を後にする。どうもここから南米時間のようだ。
ここでやっと窓側の席にすわる。サンチアゴからブエノスアイレスはアンデスを越える。この飛行機の左の窓からは、南米最高峰のアコンカグアが見える…はずだったが山々はすぐに雲に覆われ、何も見えなくなった…。時々、茶色っぽい地面がわずかに見えるのみ。
サンティアゴ発、ブエノスアイレス行の航路は、搭乗時間は短いが国際線。そのせいか、機内食らしきものが出た。
正午過ぎ、ついにアルゼンチン・ブエノスアイレス空港に到着。あ~、遠かった~。やっぱり飛行機で2泊は辛いわ~。
飛行機の扉からブリッジにでると、さむっ!北風だかなんだか知らないが、冷たい風がピープーと吹いている。まわりの人をみるとコートを着ている。本当にアルゼンチンは冬なんだ。荷物を小さくするために防寒具をけずったことを後悔した。
入国はとても簡単になっていた。入国カードを書く必要もない。イミグレでパスポートを見せ、指紋と写真をとられ、どこに泊まるか聞かれて終了。
アルゼンチン入国。まずはお金!と、City BankのATMはなぜか使用不可、空港の両替所で日本円の両替は不可、ATMでのキャッシングはARS33(約550円)の手数料をとられる。むむむ、不便になっている。
勝手知ったるブエノスアイレス、ライオンバス(リムジンバス)のチケットを買い(値上がりしてる…)バス停へ、そこでなぜかバスではなく、乗用車に乗せられて市内へ。
景色は2年前とちっとも変わっていなくて、なんか懐かしい。そしてライオンバスターミナルに到着。2年前に来たときには、ここでいきなり自分のいる場所がわからず、地球の歩き方を広げて確認したっけ。
まずレティーロバスターミナルに向かう。飛行機2泊してブエノスアイレスについたばかりだが、あと数時間で早々に夜行バスでイグアスに向かう。そのチケットの確認のためにレティーロの長距離バスのターミナルへ。
ここのチケット売り場は本当に三十三間堂のようだ。数十の窓口がずらりと並び、アルゼンチン全土を網の目のように走るバスのチケットを売っている。
バスチケットのリコンファームが終わったので、今日やるべきことは終了。街に出る。
ブエノスアレスには、荘厳な建築物が多い。
とりあえずサンマルティン広場を散歩。寒いのでフリースを着込む。しかし、ベンチにはお年寄りが腰掛け、芝生の上にはたくさんの人がごろごろと寝転がって、日向ぼっこしている。
サンマルティン広場の緑は冬でもきれいだ。
サンマルティン将軍、お久しぶり!
お腹が減った…今日はお菓子のような朝食しか食べていない。確か広場の角にカフェがあったはず、とすたすたと歩いてゆく。あった、あった。日本から最も遠い都市を勝って知ったる街のように、すたすた歩いている自分がなぜかおかしい。
う~ん、ちょっと高いな~。物価が上がってるぞ~。でもお腹が減ったし、入っちゃえ。
食べるのはもちろん分厚いステーキ。少々固い肉をナイフ小さめに切って口に運ぶ。もぎゅもぎゅ。うん、うまい。噛めば噛むほど味がでるってやつだ。付け合せのポテトとトマトの炒め物もさわやかな酸味でさっぱりしている。そして赤のグラスワイン。安いワインだが肉に負けないしっかりとした香りと重みがある。
カフェはウッディーな内装に黒いテーブル。落ち着いた雰囲気。でも新聞や本を読んでいて注文しないお年寄りたちは、早く注文するようにせかされていた。
お腹がいっぱいになってあたりをふらふらする。飛行機の機内で見た観光ビデオで、ブエノスアイレスのタクシーの運転手が、ブエノスアイレスはヨーロッパだと言っていた。ブエノスアイレスの特徴はそれだけではなく、通りごとに新旧の街並みが混在していることだと思う。
バスターミナルに行く途中でレティーロ駅による。1915年に立てられた鉄道全盛期時代の荘厳な建築物。しかし、今は鉄道は衰退し、駅舎は薄暗く店のシャッターも下り、人影もまばらだった。
バスは18:45発。まだ1時間以上間があるので、バスターミナルのフードコートのようなカフェで時間を潰す。時差ぼけの強烈な眠気が出てきた。コーヒーを飲んでいても、気を抜くとカクッと気を失いそうになる。いかん、眠ったら荷物を盗られるぞ、と自分に言い聞かせてひたすら耐える。
バスがめずらしく定刻どおりにやってきた。さっさと乗り込みほっと一息。アルゼンチンのバスのクラスはいくつかあるが、これは「セミカマ」という真ん中レベル。それでもすっぽりと体がおさまる余裕のシートに、深く倒れるリクライニング、椅子の下にザックが置けるほどの足回りの広さなど、日本の夜行バスとは比べ物にならない快適さ。目的地プエルトイグアス到着は明日の11:45、バスの旅開始!
乗車してすぐに意識を失ったが、気が付けば夕食が準備されていた。メインはコンビーフみたいなのにチーズをのせて焼いたよくわからない食べ物。前菜も付いているが、残念ながらワインはない。とりあえず完食し眠りに落ちる。
(次回に続く)
参考
- 空港リムジンバス
- ブエノスアイレス・エセイサ国際空港から市内へはLeon社のリムジンバスが便利。空港の到着ゲートの出口付近でチケットが買える。市内ターミナルまで所要時間約1時間、ARS80。
- 空港での両替
- 一昨年に両替した銀行が閉まっていたので、到着ゲートの出口左側にある両替所を使った。日本円の両替不可。また、ATMはいくつかあるが、一回当たりARS33の手数料がとられる。
- アルゼンチンのバス
- アルゼンチンでは国内や隣国への移動に一般的にバスが使われ、網の目のようにバス網が発達している。いくつかのバス会社は日本からネットでチケットが買える。ブエノスアイレスではレティーロに巨大バスターミナルがある。プラットフォームが多いので、早めに行ってバス会社の窓口でコンファームして、プラットフォームを確認したほうがいい。でもまずスペイン語しか通じない。
- Rio Urguay : 今回利用したイグアス行きのバスを運行する会社
- Andesmar : アルゼンチン最大手
- Ticket On Line : バスやホテルの予約ができる
- Green Toad Bus : バスチケットの購入サイト。複数の会社に渡る乗り継ぎのチケットも買える。今回の旅では、プエルト・イグアス~サルタのチケットを購入
赤星山もおといこさんも地元で親しまれている山のようですね。調べてみたら行ってみた…