地図読みトレーニングに藪尾根へ~奥多摩・江戸小屋尾根から天地山
12/14 奥多摩駅~江戸小屋尾根~鋸山~天地山~奥多摩駅
9月に初心者向けの地図読みトレーニング山行を企画して、若者の参加者も多く好評だった(「歩けますか?地図は読めますか?」)。
そこで、続編の中級者向けトレーニング山行を企画した。
中級者なら地図読みの読み応えがある用がいいよな、ということで私も行ったことのない、登山道のない(はず)の奥多摩の江戸小屋尾根と天地山をつなげるルートとする。
江戸小屋尾根はMt.FUJI100(「2024 Mt.FUJI 100 」)の前の調整で御岳山を走った時に見て、登りたいと思っていた尾根だ(「花いっぱい、里山の春~御前山から奥多摩むかし道」)。
参加条件は、基本的な地図読みの知識があり、山と高原地図のコースタイムで日帰り山行ができること。9月の参加者なら大丈夫だ。
ところが応募してきたのは前回参加していない2人。これ以外に、地図読みはもう十分でしょうというレベルの、バリエーションもこなすベテランが、面白そうと2人参加。
前回と違って、私も含めて若くない(決して年寄りという意味ではない...)チームになった。
対象者の2人には、歩くべきルートをフリーハンドで引いた地図を事前に渡し、「この通り歩いてね、私はついていくだけだから、あと日が短いからサクサク行ってね」と伝える。
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通いなれた奥多摩駅に集合。12月ともなると朝の空気は身を切るように冷たい。はやく日が当たらないかな。
奥多摩駅から青梅街道を奥多摩湖方向へ歩く。
病院前のバス停のところで左折、山祗神社に向かって歩く。
山祗神社に到着。
鳥居をくぐって境内で準備運動させていただく。そして出発。
対象者に、はい、行ってください、と指示を出す。すると、ひとりが
「どこへ行けばいいのですか?」
「地図通り行ってください、渡してあるでしょ?」
「今どこですか?」
「...ここです...慣れてないなら地図の北とコンパスの北を合わせたほうが分かりやすいですよ」
「地図の北ってなんですか?」
「...」
おかしい。地図読みの基礎を知っていることが参加条件だったはずなのに...磁北線が泣くよ。
これから何が起こるか、嫌な予感がする。
もう一人の対象者は、こっちですか~、と言ってお墓の裏の道を歩いて行く。頼もしい。
先日の沢登り(「再び初心者を連れて、沢を登下降」)でも、地図読みのトレーニングのためにトップをやってもらったので、ばっちりだ。
へ~、ドコモも森林保全活動をやってるんだ。
はっきりした道が山祗神社からトラバースするように江戸小屋尾根までついている。
尾根にのると十字路になっていて、尾根上を登ってゆく道がついている。踏み跡ではなく明らかに保全されている作業道だ。藪尾根ではなくて道のある尾根だった。
尾根を登っていくと、すぐに林道を横切り、鉄梯子から林道を離れまた尾根に沿って登る。
ここからも明瞭な道。ルートファインディングの練習にはならないので、「570mあたりの崖が現れたら教えてください」と現在地クイズを始める。
傾斜が急になる。土の急斜面に落ち葉が積もって歩きにくい。
沢登りもやっている対象者2は、手をつきつつも危なげなく直登していく。さすが、日頃テニスをしているだけのことはある。
ここはどこですかの対象者1は、ずりずりとずり落ちて、静止していることさえままならない。こんなの道じゃない~とか言っている(初めから今日は登山道ではないと言っています...)。
腓腹筋と大腿四頭筋、ハムストリングが弱くて踏ん張れないようだ。いわゆる運動不足。
そうこうしているうちに、570mの崖の横を通過。仕方ないので、地図見てくださいね~、あれですよ~、と教える。
急登を登り切って、九竜山の肩に乗ると道はなだらかになる。
対象者1はすでに地図読みをする元気もなく、対象者2にくっついて歩いているだけ。
道はずっと樹林の中だが、ところどころで西方面の景色が開ける。奥多摩湖を遠望する。
空気は澄んで、風もなく、初冬ハイキングには絶好の日和だ。
樹林の中のピョコ。九竜山。立派なプレート。
尾根の西側が伐採されていて、陽射しがぽかぽか。
でも、予定より遅れているのでちょっと急いでほしいな~。このペースだと下山後に麻葉の湯に入れなくなっちゃうよ。
江戸小屋尾根の盟主、江戸小屋山の山頂。やっぱり樹林の中のピョコ。
道は樹林の中を緩やかに登り、徐々に高度を上げてゆく。
登り切ったところが鞘口山。御前山からの主稜線の道に合流。ここで少し休憩。
登ってきた道を振り返る。普通に道に見える、道標はないけど。
ここからしばらく、ハセツネのコースにもなっている、なじみの登山道を歩く。
ところが、主稜線は風が強い。おまけに鼻先が痛くなるほど冷たい風。ウインドブレーカーのフードを深くかぶり、風下の進行方向右側に顔を向けて顔に風が当たらないように歩く。それでも耳が痛いよ~。
大ダワでトイレ休憩。
大ダワから緩く長く登り、最後ちょっと急な登りがあって鋸山。いつ来ても冴えないピーク。
予定より1時間以上遅れていて、日が傾き始めている。寒いし、温泉入りたいし、早く下りようよ~。
ここからは、鋸尾根ではなく、天地山へ続く尾根を下る。山と高原地図では、登山道ではなく薄い破線がついている。例のごとく作業道があるのだろう。
再び対象者の2人にトップで行ってもらう。鋸尾根から天地山の枝尾根に入るところが難しそうだ。
鋸山の山頂から少し下ったところに道標があって、ここで右に尾根が派生している。たぶん天地山の枝尾根の始点だろう。
トップの2人は、何事もないかのように通過して下ってゆく。私が地図を見ている間に見えなくなってしまった。
しかたがないので、しばらく立ち止まって待っていると、登り返してきた。地図と地形を比較して見せて、なぜここが枝尾根の始点と判断したか説明する。
仕切り直して出発。すぐに道が明瞭になる。
尾根を分けてからすぐ、北向きの急な斜面。
対象者2はサクサク下る。対象者1はすでに足にきていて、一歩一歩よろよろと下っている。
う~ん、コースタイムで6時間歩く体力はないな~、運動不足だな。
山に登っています、と言うといかにも体力があって健康そうに思われるが、それは往々にして間違いである。
普段何もせず1か月に1回くらい山に登るのは、中高年にとっては、膝の軟骨をすり減らし心臓に過度の負担をかけ、どちらかというと体に悪いと思う。
山に登る人が体力があるのではなく、日頃から山以外で運動している人が山に登る体力があるのである。
山に登っている当の本人さえそれに気づいていないことが多い。山では体力の分かれ目が命の分かれ目となりうるので、とても危険なことだ。
天地山の登りはトラロープベタ打ちの岩場。
ただし、岩と言っても壁でもなく高度感もなく、岩っぽい登山道、くらいの感じで手を使わなくても登れる。
天地山の山頂を征服!
木々の合間からの展望。
山々は頂を残して陰に沈みつつある。さみしい冬の夕暮れ。下山予定時刻よりどんどん遅れている。
天地山の下りは岩はなく、落ち葉で滑りやすい急斜面。あとはどんどん下るだけ。
足が疲れて痛かろうとなんだろうと、自分の足で下るしかない、自分の選んだ道だ、頑張れ~。
山の神の先で、もう一度、そっちじゃないよ、をやって林道に下山。犬飼育場のわきを通って車道に出る。
夕映えの残る奥多摩の街。ああ、日が沈んでしまう。
もう麻葉の湯の日帰り入浴の時間は終わってしまっている。もえぎの湯でもいいや、と思ったら改装のため休業中だった。改装はやったばかりじゃない...
温泉に入ることなく、VERTEREで打ち上げ。
江戸小屋尾根と天地山を完遂したのはよかったけれど、なにか残念な山行だった。
(江戸小屋尾根、完)



























赤星山もおといこさんも地元で親しまれている山のようですね。調べてみたら行ってみた…