秋の気配漂う、北鎮岳の稜線歩き~愛山渓温泉から大雪山、トムラウシ山(3)
8/1 愛山渓温泉~沼ノ平分岐~永山岳~比布岳~北鎮岳~黒岳石室
(前回の続き)
愛別岳の分岐を越えてすぐに、比布岳山頂に着く。
静寂そのもの、聞こえるのは風の音だけだ。標高2,197m、大雪山主稜線の中では比較的地味な存在だが、その分静けさが際立つピークだ。
来し方を振り返る。ここまで歩いてきた稜線が一望できる。
これから行くルートを眺める。
トレールは左のギザギザした鋸岳の山腹をトラバースし、大きな北鎮岳へ登っていく。また穏やかで開けた稜線に戻る。熊がいてもすぐ見えそうな見晴らしのよさだ。
本当に気持ちの良いところだ。来てよかった。
北鎮岳に向かう途中、岩の間から水が染み出していて、小さな川になっているところがあった。こういう水場があちこちにあればいいのに、と思わずにいられない。
道端には山の夏の終わりを告げる花、リンドウが咲いている。
鋸岳はハイマツを漕ぐようにしてトラバースする。ハイマツに触れると、煙のようにウンカが舞い上がる。体中、顔にも頭にも荷物にも、ゴマ粒のようにとまってくる。払っても払いきれない。あきらめて体中にウンカをまとって歩き続ける。
北鎮岳に到着。北鎮岳は標高2,244m、大雪山系では、トムラウシ山よりも高く、旭岳に次ぐ第二の高峰である。
ここで、今日初めてハイカーと遭遇した。携帯の電波が入るというので、天気予報を教えてもらう。当初の予報より少し悪くなっていて、4日にに傘マークがついていた。よりによって、トムラウシ山から双子池へ向かう核心部の日だ。少し気になるが、今はどうしようもない。
山頂ではインバウンドの皆さんも休憩中。あとは黒岳の幕営地に向かうだけなので、時間はたっぷりある。40分ほど、のんびり休むことにした。
来し方を振り返ると、これまで歩いてきたトレールがずっと続いているのが見える。手前に見えるのは、先ほどトラバースした鋸岳。
御鉢平の全景も見渡せる。かつての噴火口が広大なカルデラとなっていて、大雪山の成り立ちを実感させてくれる眺め。
ここでも蝶が多い。今日は本当に、どこへ行っても蝶だらけ。
腰を上げて黒岳石室へ向けて出発。
北鎮岳の肩の分岐で、旭岳と黒岳を結ぶ道に合流する。右手に見える大きなピークが、北海道最高峰の旭岳。
さすがにここはメインルート、トレイルランナーも多い。熊とぶつかったらどうするんだ、とちょっと心配になる。
北鎮岳の斜面には、白鳥・千鳥の雪渓と呼ばれる大きな雪渓があるが、前回見た時よりもだいぶ小さく感じる。そういえば、ここまでも雪渓はほとんどなかった。
白鳥・千鳥の雪渓の末端まで下りてみる。
うひゃ、冷たい!雪解け水に手をひたす。
飲めないのが残念だ。
お鉢平展望台に立ち寄る。その名の通り、御鉢平を見渡す絶好のビューポイント。
時間が有り余っているので、休憩しようと思ったが、あまりの暑さでやめた。
雪渓の下の方の斜面には、冷気が下りてくるのだろう。まだ少しハクサンコザクラが咲いていた。
チングルマが覆いつくす草原。しかし、花は完全に終わっていて名前の通り稚児車(風車)になっている。咲いていたら、さぞ壮観な眺めだっただろう。
名前は知らないが、こちらも花が終わって綿毛の種ができてる。
もうほとんど夏の花は終わってしまった。
黒岳石室の直前で、コマクサを見つけた。この山行で、コマクサを見たのはここだけだった。
黒岳石室に到着。旭岳と黒岳を結ぶ稜線上にある避難小屋で、多くの縦走者が利用する重要な拠点だ。
早速テントを張る。そして、小屋の雨水のタンクから水をもらって飲み水を作る。以前はいちいち煮沸していたが、今回は浄水器を持ってきている。
Sawyerの浄水器はコンパクトで、思っていたより時間がかからず重宝する。
蒸し暑くてテントの中には入れない。夕食までは時間もまだ早く、やることもない。
誘惑に負けて少し値の張るビールを買い、ピーナッツをつまみに小屋の前でだらだらと過ごす。ラジオでは、明後日あたりから天気が少し崩れると言っている。
あたりはずっとガスの中。陽が暮れてきたのでテントに入って、さっさと夕食をつくって食べ、さっさと眠りについた。
明日は北海岳から忠別岳を越えてヒサゴ沼へ。長い一日になりそうだ。
(次回に続く)
参考:
持参した浄水器
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地図
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赤星山もおといこさんも地元で親しまれている山のようですね。調べてみたら行ってみた…