大滝山を越えて、長い長い徳本峠への道~蝶ヶ岳から徳本峠(2)
6/21 三股~蝶ヶ岳~大滝山~徳本峠~上高地バスターミナル
(前回の続き)
いよいよ初めて踏むルートを大滝山へ。
雪渓をもう一度渡り、雪解けでぐちゃぐちゃになったトレイルを辿っていく。
湿ったトレイル脇には花が咲く。
これはショウジョウバカマ。
樹林と草原が交互に現れるような地形で、木陰に入ると虫が多い。走っていると顔にパラパラと当たる。
しばらく行くと池。、地図ではひとつかと思ったが、実際には三つほどあった。
青空と木々が水面に映る。誰もいない静かな場所だ。
大滝山へ向かうトレイルが、なだらかに続いている。
蝶ヶ岳のにぎわいが嘘のような静けさ。蝶ヶ岳の直下ではウグイスの声が聞こえていたが、ここではまったく聞こえない。
代わりに、ピョピョピョ、チチチチという聞き慣れない鳥の声と、セミの声。
これから走る稜線が見えてきた。
樹林におおわれた尾根が徳本峠へと続く。その向こうには、霞沢岳、焼岳、乗鞍岳が見える。
大滝山へ登っていく。ハイマツに覆われた分岐が現れた。
鍋冠山への分岐。鍋冠山への道はハイマツに覆われていて、あまり刈払いが入っていないよう。
来た道を振り返ると、
常念岳が大きい。その右には後立山連峰。まだ雪がたっぷり。
大滝山北峰(2,616m)山頂に到着。ハイマツに囲まれた小さなスペース。
山頂の一角では、おじさんが大音量でラジオを鳴らしながらカップラーメンを食べていた。蝶ヶ岳を出てから初めて遭った人。
この山にラジオの大音響は似合わない。写真を撮って早々に出発。
長塀尾根(ながかべおね)とはよく言ったものだ。壁のように槍穂の下半身を遮っている。
大滝山荘。現在は休業中。
大滝山南峰は山荘からすぐ。
南峰もハイマツに囲まれた小スペースだが、ハイマツの丈が高く、ほとんど山が見えない。
腰を下ろして休もうとすると、ハイマツから大量の羽虫が飛び出し、顔のまわりに集まってくる。刺す虫ではないようだが、念のため虫除けスプレーをたっぷりと振りかける。
さて、あんこ餅を食べたら出発。
大滝山からの下りは急な樹林の斜面。だが、すぐに樹林を抜けた。
稜線の東側は崖のような急な草原になっていて、道は崖沿いについてる。
花が咲き乱れてお花畑が広がっている。
しかし、崩れかけた場所もあるので足元に気をつけながら下る。
しばらくすると、また樹林に入った。
もう、花も槍穂の展望もない。徳本峠まで、ひたすら樹林帯が続く。
単調なトラバースが延々と続き、だいぶ走ったかなとチラチラ時計を見ても4分、5分しか経っていない。
あ~、長い、長い、、、
(中略)
とにかく長い。変りばえのしない樹林帯のトレイルが続く。
朽ち木や苔、ぬかるみで滑ることも多く、右足首を何度も内側に捻る。右足首の外側靱帯はもう溶けてなくなっているので、多少捻っても捻挫はしないのだが、骨折するとやばいのでヒヤリとする場面が続く。
気温はそれほど高くないが、うっそうとした樹林帯には風がまったくなく、走っていると暑い。
(中略)
長い...うんざりして地図を見る。もう少しで「大滝槍見台」か。
湿った暗い登りを耐えて登りきると、稜線が平らになり、朽ちかけた櫓が現れた。
グラグラする部分があって、危うい感じがする。でも慎重に上る。
おお、久しぶりに見る槍穂。
慎重に下りて休憩。予定より1時間早いのでのんびり休む。あんこ餅を2個食べちゃうよ。
槍見台から道がやや良くなった。笹が多くなり、乾いた道を走る。
それでもやっぱり変わり映えのしない樹林帯に気力が削られていくころ、道標が現れた。
明神見晴らし。樹林の中にたたずむ道標。
何が見晴らしなんだよ?と振り返る。
木々の間に、明神岳が頭を出している。新緑と岩峰のコントラストが美しい。ひと時の清涼感。少し立ち止まって眺める。
さらに進むと、2246m三角点。
三角点を設置したときには刈払って、周囲の山々を臨むことできたのだろう。しかし、今は三角点自体が藪に埋もれつつある。
もう徳本峠は近い。
徳本峠小屋に到着。徳本峠は上高地と松本の内陸を結ぶ古くからの峠道で、かつてウェストンも通ったと言われる歴史ある峠だ。
小屋はひっそりと静まり返り、なぜかザックが一個だけ置いてあった...。ちょっと怖い。
峠からも明神岳がよく見える。風はかすかに吹いていて、気持ちいい。最後のおにぎりを食べながらしばし休憩。ウグイスが鳴き、セミが鳴き、雲がゆっくり北の方へ流れていく。
徳本峠から上高地へ下る道は道標が撤去されていたが、構わず下る。途中の分岐も道標が撤去されていた。どういう事情だろうか。
峠から島々に下る道は通れなくなっているものの、こちらは通れるはずだが。
ジグザグに森の中を下っていくと、橋が落ちていた。ザラザラした岸をトラバースするように渡る。
さらに下ると今度は道が崩れていて、沢の中を少し下った。高度感はないが、濡れた岩で滑らないよう慎重に。
その後は問題もなく林道にでて、その林道を行けば白沢出合。
蝶ヶ岳山頂からここまでは、途中、大滝山のおじさん以外は誰にも会わなかった。(徳本峠のザックは一体...)
でもここからは観光地。多くの観光客で賑わう。
明神岳はいつ見ても立派だ。
観光客に混じって梓川沿いの遊歩道をゆっくり歩いていく。
そして、小梨平キャンプ場に到着した。
小梨平キャンプ場の日帰り入浴で汗を流す。ホームページには、風呂には、5人しか入れないとあったが、十分広い。そして清潔で快適。
湯上りに食事をしようと思ったが、食堂は閉まっていた。しかたないので、売店で柿の種と魚肉ソーセージ、そしてビールを買ってその場で一杯やる。
上高地バスターミナルまでのんびりと歩く。
梓川には観光客の姿。
上高地バスターミナルは、観光シーズンだと広場は人であふれかえっているが、今日は、バスを待つ列が、2、3あるだけ。
売店で、地ビール「安曇野浪漫」と地酒「上高地」を買った。
地酒はお土産。地ビールはその場で飲んでしまった。
バスに乗り込み、座席に深く腰掛ける。あとは座っていれば、何もしなくてもバスが新宿まで運んでくれる。
この時期の蝶ヶ岳と大滝山は花が多くてよかった。
そして、念願の蝶ヶ岳から徳本峠のルートを完走した。満足。でも、あの樹林はうんざりだ。もう来ることはないように思う...。
(蝶ヶ岳から徳本峠、完)
































赤星山もおといこさんも地元で親しまれている山のようですね。調べてみたら行ってみた…