秋雨の3000mの稜線を北岳へ~南ア・塩見岳から北岳(3)
9/15 熊ノ平小屋~間ノ岳~北岳~広河原
(前回の続き)
なかなか寝付けないまま、3時に起床。雨はまだ降っている。
今日は三峰岳から間ノ岳、そして北岳と、遮るものなき吹き曝しの3000mの稜線を通過しなければいけない。
秋の雨は冷たく、濡れて風があると急速に体温を奪うので、下手したら疲労凍死だ。
4時半に出発する予定だったが、念のために日の出後の5時半に遅らせる。
ツエルトは内も外もびちょびちょ。揺らすとツエルト内に雨が降るので、まずゴア雨を着る。
朝食に焼き鳥ご飯と豚汁を食べて、重くなったツエルト撤収。カメラはザックにしまう。
幸いにして出発するころには雨は落ち着き、歩いているうちに小雨が降ったりやんだりになってきた。
周りのピークは完全に雲の中だが、頭の上には雲の切れ間もあって、青空ものぞいている。高い雲はなさそうだ。
風は西から。太平洋高気圧の縁を湿った風が山に当たって雲になっているのだろう。それほどひどい天気ではなさそうだ。
森林限界線を越えて、ちょっと天気がよくなる。
相変わらずガスだが、ときどき農鳥岳が見える。風はあるが、それほど強くない。
少し先を行っていたパーティが小さく見えなくなった。草木の生えぬ広い尾根に、大きな山々、灰色の雲の塊。
自分一人だけの世界、世界の最後の人類になった気分。
天気が回復してきたので、三峰岳の岩場も難なく越える。
三峰岳山頂。雲が切れて農鳥岳が大きい。
完全に雨がやんだのでカメラを出す。
こちらははるか仙丈岳に続く仙塩尾根。
くそ暑いときに歩いたな~(「なぜか仙丈岳から仙塩尾根」)。
間ノ岳に向かって歩き出す。
しかし、南アの雄大な展望はつかの間の夢だった。すぐにガスで真っ白な世界に。風はどんどん強くなる。
岩場にペンキがあるが、視界がないとちょっとわかりにくいところがある。
真っ白すぎる間ノ岳山頂を通過。
間ノ岳からは、白根三山を縦走するゴールデンルート。いきなり登山者が増える。
北岳がちょっと見えた。
弱まっていた西風がまた強くなってきた。さらに悪いことに、霧雨のような雨粒を含んでいて、髪の毛がぐしょり濡れる。
北岳山荘の建物の陰で風をよけながらちょっと長めの休憩。
また雨が降ってきた。ゴア雨を着てカメラをしまう。
出発を1時間遅らせたが、10分とり返した。あと30分取り返せば、14時のバスに乗れるのだが、足が疲れているしどうかな。
強い西風にのった横殴りの霧雨に打たれながら、速すぎず、遅すぎず、黙々と北岳山頂に向けて歩をすすめる。
足元を見ると、いろいろな花が咲いているのに気付いた。でもカメラはザックの中。
北岳山頂。真っ白すぎる。
でも不思議なことに、山頂の東側は雨は降っておらず、おまけに猛烈に蒸し暑い。
この足で何度も立った思い出の多い北岳の山頂。バットレスに登った時のことも昨日のように思い出される(「バットレス・リターンズ」)。
しかし、何も見えないので、チョコバーを食べて、すぐに出発。
ここで時計を見て気づいた。遅れを10分取り戻している。あと20分取り戻せば、バスに乗れる。
ここからはほぼ下りしかない。よし、急ぐぞ。
タンタンタン、と斜面を速足で下りる。
登ってくる数えきれないほどの登山者がとすれ違う。
ガスの中に突然、肩ノ小屋現る。通過。
小太郎尾根分岐。
さらに10分取り戻した。あと10分。
御池小屋へ急な斜面を駆け下る。正面には壁のような鳳凰三山。
ガスがはれたのでゴア雨を脱ぐ。日射しがあると蒸し暑い。
御池小屋到着。予定時間より30分短縮、速すぎた。
小屋の周りは賑わっている。ここも水が豊富。飲み水を汲む。
早く着いたので、ちょっと長く休んで脱いだゴア雨など荷物の整理をする。
ここから2時間で広河原なので、バスはもう大丈夫だろう。
勢いは止まらず、ひたすら樹林の中を駆け下る。特に見るものもなく、一気に下った。
広河原到着は13時ちょうど。速すぎだ。
北岳山頂から、サイト装備を背負って2時間40分で下りてきた。御池で長く休んだので、2時間半も走っていない。
つま先が痛い。高山用の靴としてHOKAのSPEEDGOAT 5 GTXを履いているが、ちょっと合っていないようだ。
荷物の整理をしたりしながら、灼熱のバス停でバスをまつ。
甲府駅について、市バスに乗って駅に近い都温泉へ。昔ながらのシンプルな銭湯。桶はあります。
あ~、最高、さっぱり。
列車の時間があるので、ほどほどで切り上げ甲府駅に戻る。
(塩見岳から北岳、完)
参考:地図
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赤星山もおといこさんも地元で親しまれている山のようですね。調べてみたら行ってみた…