遺跡の街、メヘローリー遺跡公園~インド、ラージャスターン州の旅(14)

1/6 デリー(クトゥブ・ミナール遺跡群~メヘローリー遺跡公園~国立博物館~インド門)~羽田

前回の続き)

小さな門からメヘローリー(メヘラウリー)遺跡公園に入る。
入口からしばらくは、木々の間に遊歩道が整備され、芝の広場もある、文字通り公園。ベンチで本を読む人、ゆっくりと散歩するカップル。インド人も静かなのが好きなんじゃないか。

道なりに進むと、ゲートがあらわれ料金表とかある。ちょっと戻って枝道を行ったら、ゲートの先に出た。なんだったのだ。

さらに奥に進むと、景色が一変。

20231228 インド・ラージャスターン、メヘローリー遺跡公園の最の遺跡群

広大な荒れ地、崩壊した石積みの街が草に埋もれている。
現在のデリーの中心は、宿泊したコンノート・プレイス周辺をはじめ、ここからずっと北にある。しかし、アイバクが王朝を樹立したころからムガール朝末期まで、デリーの中心はこの辺りにあった。当時の賑わいをしのばせる、住宅や寺院の遺跡、まさに遺跡の街が広がっている。

遥かなる探検の末、未知なる遺跡を発見したかのような気分。
ここを歩きたかったが(柵などないので自由に歩ける)、蛇がいると嫌なので公園の道に戻る。

20231228 インド・ラージャスターン、メヘローリー、ジャマリ・カマリ・モスク

ジャマリ・カマリ・モスク・霊廟。
スフィーのモスク。また、昨日行ったフマユーン廟のフマユーンの庇護を受けたカマリの墓もある。

20231228 インド・ラージャスターン、メヘローリー遺跡公園のジャマリ・カマリ・モスクのドーム

黒金のようなドームが立派、と思ってよく見ると、こんなところにも落書き。

20231228 インド・ラージャスターン、メヘローリー遺跡公園の模棺?

こんなところにも模棺?
ここは霊廟だったのだろうか。

あちらこちらと遺跡の間を歩いていると、靴がドロドロになる。

20231228 インド・ラージャスターン、メヘローリー遺跡公園のラジョン・キ・バオリの階段井戸

ラジョン・キ・バオリの階段井戸。階段井戸というよりプール。

あとで別の時期に撮った写真を見たら、しっかり3段くらいの深さのある井戸だった。この時は水位が高くて、一番上の段まで水面が上がっていたようだ。

20231228 インド・ラージャスターン、メヘローリー遺跡公園のラジョン・キ・バオリの階段井戸のドーム

階段井戸の横のモスクのドーム。青が少し残っている。

20231228 インド・ラージャスターン、メヘローリー遺跡公園、林の中の遺跡

林の中にも無数の遺跡が残る。

遊歩道ではたまに人とすれ違う。ガイドツアーらしきグループも。また、遺跡の横の広場で子供たちがクリケットをしていたりする。

20231228 インド・ラージャスターン、メヘローリー遺跡公園と住宅

遺跡公園のすぐそばに住宅地が迫る。というよりむしろ、多くの遺跡が住宅開発で失われ、現在残っているのが遺跡公園らしい。

20231228 インド・ラージャスターン、メヘローリー遺跡公園、緑色のインコ

餌付けをしているのか、お供え物か。鳥や動物が集まっている。
この緑色のインコは、クトゥブ・ミナールやこの公園内でたくさん見られる。

20231228 インド・ラージャスターン、メヘローリー遺跡公園の遺跡の階段

モスクや階段井戸など、修復されて中に入れる遺跡も多くある。でも階段が狭い。両肩がつっかえるほどで服が砂ぼこりだらけになる。

20231228 インド・ラージャスターン、メヘローリー遺跡公園の南端

1時間半くらいかけて公園の南端にきた。クトゥブ・ミナールが小さくなった。

20231228 インド・ラージャスターン、メヘローリー遺跡公園の遺跡修復

修復中。
遺跡を修復して建造時の姿に戻すのか、そのままの形で残すのか、どちらが良いかわからない。でも、ここの遺跡を修復したら壮大な中世インドの街が復元されるだろう。

20231228 インド・ラージャスターン、

公園をでると地下鉄の駅はすぐそこ。来た道を戻る。
朝はガラガラで自転車が走っていた道が、自動車の渋滞に変わる。

また、荷物検査とボディチェックとカメラのチェックを受けて、地下鉄に乗る。
central secretariatで下車。ここはデリーの官庁街。
本日後半の観光の始まり。

20231228 インド・ラージャスターン、デリー、Rail Bhawan

駅から地上に出ると、鉄道車両が目に飛び込んできた。
交通博物館?Google先生で調べると、Rail Bhawanと書かれていて、鉄道省、あるいは国鉄本部みたいなものらしい。

駅の周りにはリキシャがたくさん停まっている。
今日初めて声をかけられる。バザールをやっているので、行かないかとのこと。丁寧にお断り。ここまで出会った客引きは、皆しつこくないので断りやすい。某国ではずっとついてきたりして大変なのと対照的。

20231228 インド・ラージャスターン、デリー、Kartavya pathのベンチ

連邦庁舎からインド門まで、Kartavya Pathという大きな歩道が、真っすぐに伸びている。その両側にはベンチがある。さらにり、両側に警察車両や工事車両がとまり、荷物チェック用の道具を持った警察官らしき人が行き来。パレードでもあるのだろうか。

20231228 インド・ラージャスターン、デリー、国立博物館

Kartavya Pathをうろうろしながら国立博物館にやってきた。
その国を代表する博物館には、その国を代表する貴重な文物が数多く展示されている。東京国立博物館しかり、故宮博物院しかり。時間があれば国立博物館は押さえておきたいところ。

また荷物検査をして入館。

20231228 インド・ラージャスターン、デリー、国立博物館の神像

インドの神様はだいたいこんな感じ。

20231228 インド・ラージャスターン、デリー、国立博物館、木箱放置

展示品の横に、収蔵品を入れる木箱と思われる箱が、無造作に放置されている。
ここもやっぱりインド。

20231228 インド・ラージャスターン、デリー、国立博物館のモヘンジョダロ出土品

これだよこれ!ハラッパの遺跡の出土品。初めて見た。
教科書でインダス文明の遺跡とさらりと記載されているモヘンジョダロとハラッパ。多くの出土品が見つかっていて、それが展示されている。ハラッパの人々は、こんな愛嬌のある置物とともに生活していたんだな。

20231228 インド・ラージャスターン、デリー、国立博物館、医療・健康の神様

医療・健康の神様だって。どう見てもただのメタボ。

ここには多数のヒンズーの神像やインダス文明の出土品のほかにも、ガンダーラ仏像なども展示され非常に興味深い。
駆け足で見ても2時間くらいかかる。

20231228 インド・ラージャスターン、デリー、kartavya pathをインド門へ

Kartavya Pathを真っすぐインド門に向かう。近いはずなのに霞んで見える。

20231228 インド・ラージャスターン、デリー、kartavya pathで写真を撮る人

インド門が近づくにつれ、人が増える。そして、デジイチを持って通行人に声をかけている人がたくさんいる。どうも、観光客の写真を撮って売っているようだ。

20231228 インド・ラージャスターン、デリー、Kartavya pathの地下道

Kartavya pathは、幹線道路で分断されている。しかし、横断歩道はない。大きな地下通路で渡る。

20231228 インド・ラージャスターン、デリー、インド門が近い

インド門は1931年に当時の宗主国イギリスの手によって落成した、インド陸軍戦死者の慰霊碑。

それにしてもすごい人、人、人。インドの観光地はインド人でいっぱいだ。さすが、世界最多の人口の国。

20231228 インド・ラージャスターン、デリー、インド門の壁面

インド門には戦死者の名前が刻まれている。SEPOYとかKASHMIRとかの文字が読める。

時間を見ると...やばい、デリーを堪能しすぎた。時間がない。
まず、宿に戻って預けた荷物を回収しなければいけない。ここから2Kmないので、速足で行けばすぐ着くだろう。

甘かった...
道路は交通量が多いのに、信号はほとんどない。道を渡るのに難渋する。
コンノート・プレイスに近づくにつれ、人が多くてまっすぐ歩けなくなる。おまけに、靴磨きに何人も声をかけられる。足元を見れば、メヘローリー遺跡公園を歩いたままで靴はドロドロ。そのうえ作業着を着ている私。たぶんここにいる人たちの中で、私が一番みすぼらしい。
初めは靴磨きに、No Thank youと言って通過していたが、5人目に声をかけられたときには、さすがに笑ってしまった。

宿で荷物をピックアップし、再び人混みをかき分け、エアポートメトロのShivaji Stadium駅へ。駅の入り口は車の行きかう幹線道路の左側にしかない。例のごとく信号はない。地下道もない。大きなスーツケースを引いた現地人の集団が、車を無視しておもむろに道路を渡りだした。あわててくっついて渡る。車が止まって渋滞になっている。

急いで切符を買って、電車に飛び乗る。エアポートメトロは快適。渋滞もないし、乗り心地もよい、きれい。
一息ついて、手に握った小銭を見て、切符のお釣りをごまかされたことに気づく...。ひどいな、メトロ。

20231228 インド・ラージャスターン、インデラー・ガンディー国際空港

インデラー・ガンディー国際空港に到着。出発まで2時間を切っている。
空港ビルに入るには、航空券とパスポートのチェックを受ける必要があり、ここで時間がかかると聞いていた。しかし、幸いに10分ほど並んだだけで入れた。

カウンターでEチケットをチケットに変える。相手は日本語を話すインド人。これも10分くらいで済んだ。

出国の荷物チェックが大行列。
上着を脱ぐ、液体を出す、だけではなく、カメラや、スマホのバッテリー、ケーブルまですべて荷物から出さなければいけない。みんなも手間取っていてすごい込み合っている。
私は、出すのはすぐだったが、荷物をバックパックにキチキチに詰め込んでいるので戻すのが大変だった。

インドは、空港も地下鉄も博物館もなんでもかんでも荷物検査。

腹減った。今日は観光を詰め込んだので、昼飯を食べていない。

20231228 インド・ラージャスターン、インデラー・ガンディー国際空港で食事

思いのほか出国手続きが順調に進み、時間があるのでフードコートへ。
チキンカレー付きのターリスペシャル。カレーは何でもうまい。最後なので生の玉ねぎも食べる。ご飯の量が多く腹いっぱい。さらに芋の団子みたいなデザート。デザートも炭水化物。インド人は炭水化物が好き。

インドの食べ物はなんでもうまかった。
インドにカレーはないという人がいるけれど(「インドの食卓: そこに「カレー」はない」)、逆に言うとほぼすべてカレー。

20231228 インド・ラージャスターン、デリーから離陸

離陸し、デリーの街を見下ろす。
クトゥブ・ミナールが見えるかと思ったが、例のごとく分厚い靄に覆われて、光っているものがうすぼんやり見えるだけ。

20231228 インド・ラージャスターン、帰りの機内食・夕食

昼飯を食べたばかりだけど、夕食。
チキンがなくなっていて、ベジタリアンハンバーグしかなかったけど、まあまあおいしい。久しぶりの白ワインがうまい!

20231228 インド・ラージャスターン、中国の街明かり

中国の上空を飛行中。
靄がかかっていないと街明かりがはっきり見える。

20231228 インド・ラージャスターン、帰りの機内食・朝食

夜が明ける前に朝食。ミニそぼろご飯。久しぶりの日本食。

20231228 インド・ラージャスターン、羽田に帰着

無事、羽田に帰着。

インド面白かったな。
今回は、ラジャスタンに限って、さらに時間を金で解決するような手抜き?の旅だった。でも巨大な城壁や精緻な彫刻が施された寺院、古い王朝の遺跡を訪ねて、インドの文明の厚さと深さの一端を知ることができた。
インドの料理もすべてうまかった。キングフィッシャーのビールもなかなかいける。

ただ、観光客としては、衛生状態と仕事のアバウトさには目をつぶらないといけない。

(インド・ラージャスターンの旅、完)

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