イスラム支配の象徴、クトゥブ・ミナール~インド、ラージャスターン州の旅(13)

1/6 デリー(クトゥブ・ミナール遺跡群~メヘローリー遺跡公園~国立博物館~インド門)~羽田

前回の続き)

今日は帰国の日。飛行機は19時40分。それまでデリーをぎっしり観光。
クトゥブ・ミナール遺跡群は7時から入場できるので、朝食も食べずに宿をでる。

20231228 インド・ラージャスターン、デリーのホテル

これが泊ったホテル。
古い建物をリフォームした感じ。

20231228 インド・ラージャスターン、朝のコンノート・プレイス

まだ店は開いておらず町は静か。車もほとんど走っていない。少し寒いのでウインドブレーカーを羽織る。
コンノート・プレイスの中心にある地下鉄のRajiv Chowk駅へ。また荷物チェックで引っかかる。検査員がカメラと言うので、カメラを出して見せる。やたらカメラにこだわる。

車内は座席が埋まる程度に混んでいるが、とても静か。インドじゃないみたい。

20231228 インド・ラージャスターン、デリー、Qutab Minar駅

20分程度乗って、Qutab Minar駅で下車。駅前は緑濃い。
犬がうろうろしてる。インドは狂犬病の多発国なので、犬は怖い。

地球の歩き方に従って、歩道橋で向かいの歩道に渡り、道路に沿って北上する。クトゥブ・ミナールの塔が見えるかと思ったが、見えない。

20231228 インド・ラージャスターン、クトゥブ・ミナールへの道

大きな道路だが、通量は少なく、代わりに左車線を走る自転車が多い。
道の左側はずっと塀が続く。のぞいてみると遺跡らしきものが見える。メヘローリー遺跡公園のようだ。時間があったら行こう。

ひたすらまっすぐ歩いていくと、左へ塔へ続く道が分岐。人は少ない。
道標に導かれ、チケット売り場へ。複数ある窓口は1つしか空いていない。3人くらい並んでいた。
向かいのゲートから入場。また荷物検査。カメラをバッグから出してみせる。ここでもカメラにこだわる。

20231228 インド・ラージャスターン、クトゥブ・ミナールの塔が見えた

いきなりでかい塔。
世界遺産、クトゥブ・ミナールとその建造物群。

12世紀、インド初のイスラーム系王朝、奴隷王朝の始祖、アイバクが建築を指示したミナレット(モスクの尖塔)。高さが72mもある。アイバクの死後も建築が続けられ、現在の姿になったのは14世紀のこととのこと。
こんな巨大なミナレットを建築したのは、ヒンズーに対してイスラムの支配を誇示するためだったともいわれる。

クトゥブ・ミナールの周辺には関連する遺跡が散在し、公園のようになっている。
どの順番で見学するか思案する。塔は後回しにして、右側から順々に見ていこう。

20231228 インド・ラージャスターン、クトゥブ・ミナール、模棺?

これは、フマユーン廟にあった模棺?こんなところに?

園内は緑が多く、鳥が賑やか。

20231228 インド・ラージャスターン、クトゥブ・ミナールのアラーイー・ミナール

シフォンケーキ?
クトゥブ・ミナールを超える塔を建設しようとして、1層目で放棄された、アラーイー・ミナール。
崩れかけた壁面は、緑色のインコの憩いの場になっている。

20231228 インド・ラージャスターン、クトゥブ・ミナールの遺跡、漆喰

崩れかけた石の建築物がそここにある。一部白く漆喰が残る。全体的に赤茶けた現在の姿とは違い、当時は真っ白な荘厳な建築物が並んでいたのだろう。

20231228 インド・ラージャスターン、クトゥブ・ミナールのイールトトゥミッシュ廟

奴隷王朝、3代目の王の墳墓、イールト・トゥミッシュ廟。地球の歩き方にはなんの説明もない。が、デリーに統治権を実質的に確立させ、奴隷王朝の基礎を築いたのは、この3代目の王である。初代のアイバクは、デリーにはほとんどいなくて、墓もラホールにある。

廟の壁面は、コーランを表す精緻な彫刻でびっしりと埋め尽くされている。中央にあるのはやっぱり模棺である。

20231228 インド・ラージャスターン、クトゥブ・ミナールのモスクの外壁

おそらく、モスクの外壁。復元中。

20231228 インド・ラージャスターン、クトゥブ・ミナールの顔を削られた彫像

もともとこの場は、アイバクに敗れたラージ3世の城砦だった。多数のヒンズー教寺院があり、その石材を用いてクトゥブ・ミナールのモスクは作られている。そのため、石材に残るヒンズーの神々の顔は削り取られている。

20231228 インド・ラージャスターン、クトゥブ・ミナールのモスクの回廊の柱

モスクの回廊の柱に残るヒンズー神々も、すべて一つ一つ残すことなく顔が削られている。牛の頭も。

20231228 インド・ラージャスターン、クトゥブ・ミナールの鉄柱

これが見たかった。俗に言う、デリーの鉄柱。
見た目は単なる、高さ7mの黒ずんだ鉄柱。しかし、この鉄柱が作られたのは415年(日本は古墳時代!)とされ、ウダヤギリ石窟群の前に建てられていたものが、ここに移築された。通して、およそ1600年もの間、風雨にさらされているが、錆びることなく立っている。鋼管の信号柱や電柱だったら1600年もしたら跡形もなくなっているだろう。

20231228 インド・ラージャスターン、クトゥブ・ミナールの鉄柱の碑文

なにやら碑文が刻まれている。このサンスクリット語の碑文が415年に作られたことの根拠の1つになっている。

20231228 インド・ラージャスターン、クトゥブ・ミナールの塔

クトゥブ・ミナールの直下にきた。首が痛いぜ。
これは補修するもの大変そうだ。

塔の真上を頻繁に飛行機が飛んでいる。塔と一緒に写真を撮ろうとするが、なかなか難しい。と言うのも、あまりにもスモッグが濃くて、飛行機の音は聞こえても、その姿は頭上に来ないと見えないからだ。

韓国語で写真を撮ってくれと声をかけられる。1枚撮ってから、イルボニムニダ(日本人ですよ)、と言ったら、あらやだ分からなかった、みたいな感じで笑いながらサンキューと礼を言われる。日本人の姿はほとんど見かけないが、韓国人の団体はたくさんいて賑やかだ。

たっぷり堪能した。クトゥブ・ミナールを後にする。
腹が減った、朝飯を食べたい。

20231228 インド・ラージャスターン、クトゥブ・ミナール近くのカフェ

クトゥブ・ミナール近くの、ちょっとおしゃれなカフェ。東京にあってもおかしくないくらい。
アメリカンコーヒーと、スクランブルエッグとマッシュルームのトーストを頼む。
しかし。客は2名で、従業員は4人くらいいるのに、出てくるのに30分くらいかかった。カーストの分業なのか、インドオペレーション。東京ではありえない。

20231228 インド・ラージャスターン、クトゥブ・ミナール近くのカフェの猫

猫を発見!この旅で初めて猫を見た。インドには猫がいないのかと思ってた。

さて、まだ時間があるので、メヘローリー遺跡公園へ行こう。

20231228 インド・ラージャスターン、メヘローリー遺跡公園の入り口

これが公園の入り口?
WARNINGと書いてあるのはわかるけど、その下の文字が一切読めない。
とにかく入ってみよう。

次回に続く)

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