デリーの世界遺産、フマユーン廟へ~インド、ラージャスターン州の旅(12)
1/5 サワーイー・マドプル~デリー(フマユーン廟、コンノート・プレイス)
(前回の続き)
旅はそろそろ終わり。今日はデリーに戻る。
5時40分起床、外はまだ真っ暗。オートリキシャでサワーイー・マドプル駅に向かう。
駅の周りには、例のごとく、地べたで寝ている人、焚き火をしている人。
インドの列車は、編成が長い。ホームも長い。
チケットに書かれた車両の位置がわかるか心配だったが、ホームの電光掲示板に表示されていた。
ホームの水道で水を飲んでいる人がいる!あな恐ろしや。
私は、売店で10Rsでチャイを買う。生姜が体を温めてくれる。
列車がホームに滑り込む。
電光掲示板の表示と2両ずれて停車し、皆あわてて走る。さすがインド。
車両は中心に向かって座席が並ぶタイプ。足はやや広し。
大きなシク教徒がお隣さん。
座るなり、昨日買ったバナナと日本から持ってきた魚肉ソーセージで朝食とする。
哀れに思ったのか、お隣のシク教徒さんが荷物からタッパを取り出し、中に入っていたカレーらしきものを一緒に食べようと声をかけてきた。
思いがけない親切をありがたく感じつつ、丁重にお断りする。
相変わらずスマホの電波は不安定で、ほとんどつながらない。
ただひたすら車窓からの景色を眺める。
乾いた平原が続く。線路のわきはゴミだらけ。
一面の菜の花が心を癒してくれる。
線路の付け替えの工事をしている。それも重機を使わずすべて人力で。
線路わきの民家(スラム)が多くなってきたと思ったら、すぐに終点Hazrat Nizamuddin駅に到着。デリーの南にある駅だ。
列車を下りるとホームはすごい人。ホームのトイレに入ろうとしたら、爺さんが銭よこせと手を差し出す。小銭がなかったのでやめる。
人に押し流されるように駅の外に出る。
駅前にはリキシャがびっしり。人も車も多くクラクションの音が鳴り響く。
しかし、駅前を歩いていてもひと言ふた言話しかけられるだけ。作業服を着ているご利益か。
Google先生の地図で最短距離でフマユーン廟に向かうも、道は学校の中を通っているようで通れない。
Google先生のナビに従って、学校を迂回するように大回りで行く。駅前の幹線道路は交通量は多いが、歩行者はほとんどいない。いや、まったくいない。
時々車が止まって人が降りてくる。何かと思えば、立小便。
空気には光化学スモッグのような刺激臭がある。晴れているようだが、太陽は霞んでいる。少し肌寒い。
途中、こんな廟もある。
リキシャがたくさん停まっていて、歩道に人がいっぱいいる、そこが、フマユーン廟の入り口だった。
外国人は600Rs支払う。そして荷物チェックにボディチェック。
入口から道が真っすぐフマユーン廟へ続いているが、途中、右に曲がってイサ・カーン廟へ。
イサ・カーン廟の中へ。イスラム建築のアーチをくぐる。
廟の中心には棺が置かれている。
大きさからみて、これは模棺(遺体が埋葬されていないシンボルとしての棺)だろうか。
廟の周りを一周し、フマユーン廟への道に戻る。
真っすぐフマユーン廟へ続く道。いくつもの門をくぐる。
それにしても人が多い。
おお、フマユーン廟だ。思っていたよりでかい。
フマユーン廟は、ムガル帝国の第2代皇帝フマーユーンの墓廟。イスラム建築様式とインドの建築様式が融合した最初のムガル建築様式で、タージマハルにも影響を与えたそうだ。
1993年に世界遺産に登録された。
人をよけつつ、急な階段を上り、テラスへ。
テラスから来し方を眺める。
それにしても、晴れているんだか曇っているんだか。ひどく空気がよどんでいる。
広いテラス。
廟の中に入る。
巨大なドーム。赤い砂岩の壁。対称的な建物に対称的に部屋が配置されている。
廟の中にはフマユーンや家族の棺が置かれている。しかし、これらは模棺、すなわちこの棺には遺体は安置されてない、シンボルとしての棺だ。実際の遺体は廟の床下に安置されている。
廟から出て庭園に出る。左から廟の周りを一周してみる。
これも模棺?
鳥が多い。鳥の声が常に聞こえる。
肌寒いのでウインドブレーカーを羽織る。腹が減ったので廟を見ながらビスケット。
真後ろからみたフマユーン廟。東西南北どの方向から見ても同じように見える。ただ、噴水などは正面しか整備されていない。
フマユーン廟のまわりには小さな廟やモスクがある。
壁は落書きがいっぱいだった。
修復されていないドーム。時代を感じる。
これが入場チケット。
廟を出て、今宵の宿に向かう。宿はデリーの銀座?コンノートプレイスにある。まずは、地下鉄JLN駅に向かう。
昼飯を食べたいので、きょろきょろしながら歩く。
市場かな。衣料品が中心のようだ。
あ、駅についちゃった。
地下鉄の駅の構内は撮影禁止。
切符の自動販売機のようなものがあるが、札が入らない。窓口できくと、あっちで買え、と荷物検査の先の窓口を指さされる。
荷物をⅩ線検査装置に通し、ボディーチェックを受ける。地下鉄に乗るにも飛行機並みの検査がある。
検査員に何か言われた。ポケットの中を全部見せるが、まだ何か言っている。そうこうしている間に、ポケットに入れていた札を床にばらまいてしまった。
そうしたら、もういい、行け、とのしぐさ。ありがたく行かせてもらう。
ホームに下りれば、あとは普通の地下鉄。
いつもは賑やかなインド人もここでは静かに乗っている。日本のようにスマホを見ている人も多い。
Janpath駅で下車。
コンノートプレイスへ北上。道路の向かい側には青く光る土産物街。
コンノートプレイスが近づくにしたがって、人が増え、ブランドショップが増える。ピザハットとかおなじみのファーストフード店もある。すごい人混みでまっすぐ歩けない。
コンノートプレイスは大きなロータリーを中心として、中心から延びる放射状の道路と、ロータリーを同心円のように取り囲む複数の環状道路があり、その円環の中にブランドショップやらホテル、レストランが並んでいる。しかし、円環の中の半分は駐車場じゃないかと思うほど、駐車場が続いている。
Google先生に従って宿へ。いったん行き過ぎるが、戻ってすぐ見つけた。
清潔な部屋、水2リットルのペットボトルが置いてある。お湯もふんだんに出る。スリッパもある。さすが1泊7000円(この辺りでは安いほうだが)の高級宿。
腹が減ったのでまず食事。
宿に近い、南インド料理のDasaprakashへ。ちょっとバーのような入り口、でも中は広くテーブルがずらりと並んでいる。
う~ん、店員の言葉が聞き取れない。英語なんだけど。向こうも私の英語が聞き取れていないよう。お互い英語を話しているのに、こんなに通じなかったことは未だかつてない。
スマホの画面を見せて、名物のスペシャルターリーを注文する。もちろん、デリー限定のキングフィッシャーの小も注文。
やば、すごいのが出てきた。スマホではスケール感が分からなかったが、3人前くらいありそう。
うす焼きせんべいからネギチヂミのようなものまで、粉もんが5種類。米が3種、稗みたいなものとか、ダルやカレーみたいなものとか、カレーじゃない、漬物っぽいものやヨーグルトやら。
ビールも小を頼んだのに大が出てきた。まあいいけど。
うまい、うまいけど、何を食べているかよくわからない。
それにも増して量が半端ない。苦しい、腹が爆発しそうだ。最後に栗きんとんのようなデザートを食べているときに、久しぶりに限界を見た気がした。
なんとか完食し、”The bill please”と言ったらメニューを持ってきた。
もう食えんて。
重い腹を抱えながら宿に戻る。
シャワーを浴びて大きなふかふかのベッドで寝る。
(次回に続く)
赤星山もおといこさんも地元で親しまれている山のようですね。調べてみたら行ってみた…