2023安達太良山トレイル50K参戦
9/3 安達太良山トレイル50K
(前回の続き)
3時に起床して身支度を整える。眠いぞ。
ホテルのフロントで、チェックアウトし弁当を受け取る。
暗闇の中、バスターミナルまでトボトボ歩き、3:50発のゲレンデ行きのシャトルバスに乗る。本当はもう一本後のバスにして、もっとゆっくり寝たかったが、バス予約のゼロ時関門に敗れた。
バスの中でホテルでもらった弁当を開ける。保温ケースに入っていて、おにぎりと、しっかりおかずもある。お茶も入っている。ありがたい。
スタートの安達太良高原スキー場には4時ちょっとすぎに到着。スタート時刻まで1時間近くあり、やることもなく、トイレに行ってぶらぶらする。
天気はよさそうだ。
これから走る安達太良山トレイル50Kのコースは、標高1699mの安達太良山から箕輪山の稜線に絡む50Km(コースマップ)。
これがなかなかえぐいコース。
安達太良高原スキー場をスタートし、750m登って安達太良山頂上直下へ、そして和尚山を経由して反対側の銚子ヶ滝登山口へ750m下りる。そして、また稜線に向かって船明神山まで800m登り返し、今度は沼尻登山口へ550m下る。そしてまた稜線に向かって登り返す。箕輪山1728mまで600m登ったら横向登山口へ700m弱下り、あろうことか旧土湯峠を経由して箕輪山に登り返す。これで終わりではない。箕輪山から塩沢登山口へ950m下った後、最後のダメ押しで黒金小屋まで600m登って、やっとのことゴールのスキー場に戻ってくる。
1回の登山で安達太良山の主な6つの登頂ルートのうち5つを上っちゃー下りを繰り返すマゾヒスティックな、ある意味とてもおいしいコースだ。
そのため、水平距離は50kmしかないが獲得標高が4000m近く、急登が繰り返され、足がバカになるような戦いが予想される。
うっすらと空が明るくなる。
ランナースタイルの、岳温泉観光協会会長のあいさつ。会長自らレースを走るそうだ。
ほどなくしてスカイランニング日本選手権にエントリーした選手がスタート。
そして、5時ちょうど、号砲とともに自分もスタート。
最初の安達太良山までの登りは渋滞が予想されたので、なるべくトップ集団にくっついて、渋滞に巻き込まれずに登る戦略。その後は適当に。
ゲレンデよこの、ちょっと藪がうるさい急なトレールを薬師岳展望台まで登る。そして、周囲の流れに合わせて緩やかな尾根を走り続ける。
テンポよく、安達太良山山頂直下に到着。ちょっと分不相応なペースだったか、すでに疲れた。
天気は快晴。これ以上望めないほどの好天。朝の稜線は気持ちいい。
和尚山のトラバース。しばしばトレールに枝がかぶさり、走りにくい。
3月に登った磐梯山が見える(「苦戦、連登、磐梯山~裏磐梯スキー場から磐梯山往復」)。
和尚山からは樹林の中の急な下り。
初めは露岩交じりの道だが、やがて緩やかな森の中の道となる。
銚子ヶ滝登山口の第一エイド。エイドの飲み物、食べ物は控えめ。
うすうす感じていたが、今日は暑い。とりあえず水を多めに飲んでおく。
船明神山に向けて森の中を走り出すが、足が重い。最初の登りを早く走りすぎたようだ。もう無理をせず登りは歩く。
登っていくとだんだん木の背丈が低くなり、草原もあらわれ、植生の変化がよくわかる面白いルートだ。
森林限界線を越える。
見通しのいい尾根。こういうコースは楽しいな。せっかくなので、座るのにちょうどいい大きさの岩を見つけ、景色を眺めながらちょこバーをかじる。
火山礫のザクザクの尾根を船明神山へ。尾根が細いところもある。
日射しを遮るものがなく、帽子をかぶっていても頭が暑い。気温もかなり高そう。
安達太良山の火口、沼ノ平。
この複雑な色合いの絶景は、無雪期ならでは。
景色を見ながら下っていくと、前方からランナーが登ってくる。
沼尻登山口のエイドから登り返してきているランナーだ。
沼尻登山口のエイドに到着。
暑い、暑いよ~。日陰でゆっくり休みたいが、そんなものありゃしない。
岳温泉の銘菓、くろがねやきと温泉饅頭を食べてエネルギーをチャージして出発。
しばらく下ってきたトレールを登り返し、分岐で湯の花採集場へ下る。
湯の花採取場を流れる硫黄川は温泉色。でも冷たかった。それとも気温が高すぎるのか、30度近くありそう。
すでに疲れと暑さでよれよれ。登りはハイキングレベル。みんな同じような感じなのか、集団で少しコースアウトした。
途中、胎内岩などくぐったり。
再び森林限界を超える。そこには、飛行機のプロペラが。
自衛隊航空機事故の慰霊碑、石楠花の塔だ。
ハイマツがへばりつく、赤茶けた稜線を笹平分岐へ。
笹平分岐から箕輪山を登っていると、上からものすごいスピードでランナーが駆け下りてくる。横向登山口のエイドから登り返し、これから塩沢登山口に下るランナー、スカイランニング選手権の出場選手たち。
ものすごく早い。私はまだまだ先が長い...彼らよりゴールは5時間くらい遅れそうだ。
箕輪山からまたひたすら森の中を下る。
横向登山口にある3つめのエイド。
暑い。日陰はないが疲れたので、荷物を下ろしてチョコバーをかじりながら長めに休む。暑いし疲れたよ。
かぶり水のバケツがあった。バケツにつっこもうとした腕は、日焼け止めを塗っておいたのに真っ赤だった。
少しフライパンのようなアスファルトの道路を走って、旧土湯峠の登山口へ。
旧土湯峠からは草原もまじえた、見晴らしのいい道。秋ならば絶景の紅葉ルートだと思うが、今は単なる灼熱地獄。小さな木陰を見つけては、ちょいちょい放熱しながら登る。
やっと鬼面山。
しかし、登りの足は完全に使い果たした。箕輪山に向けて登りがきつくなるにつれて、歩みが遅くなる。大きな石をまたぎ越すのもひと苦労。
箕輪山はまだか~、早くつけ~
箕輪山についた...マジで行き倒れそうだった。
どうしようもなく疲れたが、これからは下りが多いからなんとかなるだろう。
箕輪山から笹平分岐へ下る。
午前中は快晴だったのに、今は稜線はガスに覆われている。雷雨にならなければいいけど。
下から横向登山口のエイドを目指すランナーがぽつりぽつりと登ってくる。時間的に大丈夫かな。ナイスラン!でも無理しないでね。
笹平分岐から塩沢登山口のエイドに向けて下る。
初めは低灌木帯、そして樹林帯に入る。緩やかな長い下り。ところどころ岩が濡れていたり、ぬかるんでいたりして2回ほど転倒。危ない。
下りの足は健在。下り初めに2人抜き、そのあとはずっと一人旅。
湯川手前の水場で冷たい水を口に含み、顔を洗う。一瞬、復活して下り続ける。
湯川渡渉点。塩沢登山口のエイドは近い。
塩沢登山口のエイドに着いた時には、夕暮れが迫っていた。ここで、ライトの点灯チェック。
もう、下りの足も限界に近いがゴールは近い、と自分に言い聞かせて出発。
あまりの疲労で写真を撮り忘れた。
湯川沿いの細いトレールをくろがね小屋へ向けて登る。
薄暗い中、岩場のトラバースは嫌だな。
鳴り物の音が聞こえてきて、くろがね小屋からの登山道に合流。くろがね小屋までは行かず、ゲレンデのほうに下りる。あとは本当に下りるだけ。
初めは林道のような登山道だが、じきに本当の林道に変わる。
18時半のシャトルバスに乗りたいので、必死に走る。しかし、林道になってからは着地衝撃がきつい。疲れよりも痛みがつらい。
ゴールを告げるアナウンスが聞こえてくる。林道のヘアピンカーブを2、3回いなして、出発したゲレンデにゴール!
ああ、疲れた。本当に疲れた。ハセツネより疲れた。タイムもいまいち。最初に飛ばしすぎた。
でも4ポイント獲得。これでFuji100のエントリー権ゲット。
バスの出発時間が近いので、休む間もなくバス停へ。慌てていて、ゴールの写真を撮り忘れた。
バスに乗って脱力。岳温泉まで運ばれる。
今日は、ペンションシャンカーに宿泊。温泉はないが、リーズナブルな料金。
宿に着くとちょうど食事が用意されていた。ありがたい。
軽く汗を流して、夕食。走り終わった後の補給は重要。
一休みしてから、昨日の宿泊したあだたら温泉パラダイスヒルズで温泉につかる。
ビールを買って宿に戻り、本日の行動終了。
(安達太良山トレイル50K、完)
赤星山もおといこさんも地元で親しまれている山のようですね。調べてみたら行ってみた…