UFOライン時々笹藪こぎ~東赤石山から石鎚山(5)
11/6 瓶ヶ森キャンプ場~土小屋~石鎚山~山頂成就
(前回の続き)
昨晩は寒かった。
さっさと朝食をすませ、防寒具代わりのゴアアマを着込んでテントを出る。
一昨晩の雨でぬれていたフライが、板のように凍り付ている。まるで冬山のテントのようだ。
バリバリと折り曲げるようにフライをたたみ、無理やりザックに詰めて出発。30リットルのザックはパンパンだ。
避難小屋の水は出ていた。シンクの底には分厚い氷。
11月の日の出は遅い。6時を過ぎたがまだ夜は明けていない。
笹原の向こうの石鎚山がうっすらと色づいてきた。今日はあそこまで行くのだ。
今日の行程は、昨日までとは打って変わって、お気楽。石鎚山が近いので、さまざまなアプローチがあり、ハイキングモード。
昨日の笹ヶ峰あたりは、場所によっては携帯の電波が弱く、また公共交通機関までの距離が遠く、さらにバスの本数も少ないので、きわめてエスケープがしにくい。笹ヶ峰付近で怪我でもすると、かなり難渋することになる。
笹ヶ峰から新居浜側に下りるには、登山口の下津池へのバスは廃止されてしまったので、せとうちバスの市倉入口まで道路を歩かないといけない。南側に下りるには、UFOラインを経由して嶺北観光自動車の出合橋まで、国道194を歩く。これも本数が少ないうえに、終点の田井でバスを乗り換えて、やっとJR四国の大杉駅にたどり着く。しかし、関東の人間にとって、高知県の大杉駅?なんですかそれは?という感じで、どんなところだかさっぱりわからない。
この稜線の縦走のエスケープは、UFOラインでヒッチハイクがベストだろう。しかし、コロナのご時世ではそれもためらわれる。
UFOラインの瓶ヶ森登山口で日が昇ってきた。天気予報は晴れだが、雲が多い。
しばらくUFOラインを歩いて、再び登山道へ。
今日は石鎚山の登山口まで、UFOラインを出たり入ったりする。手元の地図では、登山道UFOラインと交差しているのか、平行しているのか、よくわからない。でも、道標があるので大丈夫だろう。
なんか、目の前に怪しげな山が。海坊主のような岩山に、苔のように灌木が張り付いている。その崖のような斜面には、真っすぐに道がつけられているように見える。
まさか、あれを登るんじゃないだろうな。
怪しげな山の名前は、子持権現山。登ると子宝に恵まれるというありがたい山だそうだ。しかし、登山道を見てみると鎖場のある崖、といった様相である。
縦走路は、岩峰の左を巻くようについているので、ありがたく巻かせていただく。
広葉樹のなかの気持ちの良い道が続く。
高知側の風景。どこまでも山並みが続く。
秋ですな。
よく踏まれた気持ちの良いトレールを歩いたのに、何の前触れもなく、しばしば笹藪に突入する。夜露で笹がびっしょり濡れている。ムレるのでゴアアマを脱ぎたいが、これでは脱げない。
ランドマーク、シラサ峠。
山と高原地図には水場マークがあるが、わからなかった。山荘で水をもらうのだろうか。
UFOラインと登山道の交点に、道標がないところがあって、見逃してちょっとショートカットしてしまった。
UFOラインの伊吹山登山口。道標がどんどんボロボロになっていくのは気のせいか?マムシの看板はとてもきれいだ。
開けた笹原に出た。今日、行く手の山の上にゴルフ場のグリーンのようなものがずっと見えていたが、これだった。
瓶ヶ森を振り返る。
テントを張ったキャンプ場は、頂上からちょっと左に下りた笹原にある。
キャンプ場は、笹の高原といった感じだったが、ずいぶんと高い山の頂上にあったんだ。
笹原の一番高くなっているところが伊吹山の山頂。
気持ちの良いピークである。今は静寂に包まれているが、晴れた日の休日は、ハイカーで賑わうのだろう。
うわっ、また笹藪に突入。背丈を越える笹を平泳ぎのようにかき分けて進む。
はあっ、露で全身ずぶぬれ。
よさこい峠で再びUFOと合流。
ここから先が、手元の地図では岩黒山をトラバースする登山道を行くのか、UFOで行くのかはっきりしない。
UFOから左に分かれる道が...登山道だろうか?道標らしきものもあるが朽ち果て木の棒に戻っている。倒木の処理もされていないようだが...
もうちょっとUFOで行ってみよう。
岩黒山側の道路わきの崖に小さな流れ。これが山と高原地図に記載されている水場だろうか?
水場の少し先には、立木からワイヤーでつるされたはしご。
登山道?これが岩黒山をトラバースする登山道?
はしごの先は、黒く濡れた岩肌がのぞく急斜面。上の方にはロープらしきものも見える。
う~ん、登れないことはないけど、滑りそうだし、滑ったら下までずり落ちそうだ。
もういいや、あと少しだし、UFOで行こう。
UFOラインがぐっとカーブし、石津山土小屋の登山口に到着。
自動販売機を発見、おお、文明だ。思わず缶コーヒーを買う。
ハイカーで賑わう登山口。
ゴアアマを脱いで、身だしなみを可能な限り整え、石鎚山に向け、気分一新で出発!
(次回に続く)
赤星山もおといこさんも地元で親しまれている山のようですね。調べてみたら行ってみた…