広いぞ!蓼科山山頂!~麦草峠から蓼科山(3)
10/31 麦草峠~縞枯山~北横岳~双子山~蓼科山~蓼科温泉
(前回の続き)
双子山からいったん大河原峠に下りる。ここは蓼科スカイラインが通っており、車で観光客がやってくる。れっきとした下界である。
公衆トイレをありがたく使わせていただく。
大河原峠から蓼科山へ、本日最後の登り。予定時間からビハインドのままなので、急いで登る。
例のごとく針葉樹林帯のトレールだが、道は遊歩道のように広い。そしてここまでほとんどいなかったハイカーがわんさか現れる。
蓼科山荘の手前に「赤谷の分岐」という場所がある。山と高原地図では、ここから前掛山を経由して蓼科スカイラインに下りる道が分岐している。
前掛山に行ってみようと、ちょっとだけ道をたどった。しかし、この道は踏み跡程度で、倒木の処理もされていない。時間がかかりそうなので断念。
賑わう蓼科山荘。ザックを下ろし、ここまで取っておいた味噌おにぎりを食べる。
最近は、塩大福をジップロックに詰めて行動食にもっていくことが多い。大福だと潰れても見た目があまり変わらず、味も変わらない。あんパンは、潰れるとすべてが変わってしまうのと大違いだ。適度なしっとり感もいい。でも、ずっと食べていると飽きるので、そんなときはしょっぱい味噌おにぎりがおいしい。
雪がだいぶ残っており、空気が冷たい。
もうひと登り、頑張ろう。
うげ~。蓼科山荘を発つとすぐに、見上げるようなゴーロの急登。山の形から予想はしていたが...
さらに悲報。岩の間には踏み固められた雪が詰まって、凍り付いている。
人が多いので、追い越しながら登っていくが、よけるときにうかつに足を置くと滑る。
道が凍っていると、登りより下りのほうが怖い。みんなおっかなびっくり下っていく。
山頂の端っこに蓼科山頂ヒュッテが建っている。台風がきたら吹き飛ばされて、転げ落ちそうな場所に建っている。
おお、広いぞ!蓼科山山頂に到着。
溶岩でごつごつはしているものの、ここまで広くて平らな岩の山頂は珍しいと思う。平らと言えば平ヶ岳。でも平ヶ岳は山頂は湿原だし(「平ヶ岳山頂、錦の湿原~恋ノ岐川から平ヶ岳(3)」)、それに湿原だったら大白森の山頂のほうが平らで広いかも(「大白森は大きかった~三ツ石山、乳頭山周回縦走(3)」)。大きな火山では、山頂が崩れていたり、火口があって平らじゃなかったりすることがほとんどではないか。
まっ平らで、草木一本生えていない。当然360度の大パノラマ。
たくさんの登山者がいてあちこちで大騒ぎしている。でも、広い山頂に散らばっているので、密になりようがない。
南八ヶ岳、そして今日歩いてきた北八ヶ岳。左側の一番手前のこんもりボコボコした山が北横岳だ。今日はあの向こうから来た。
浅間山と蓼科山頂ヒュッテ。
あれ?浅間山から噴煙が。午前中に写真を撮ったときはなかったな(「火山のトレールを行く~麦草峠から蓼科山(2)」)。浅間山は正真正銘の活火山だ。
女神茶屋に向けて下山開始。溶岩の隙間に突き立てられた道標を頼りに、山頂を東から回り込むように下山ルートに入る。ボコボコの溶岩の上を跳び移りながら下りる。
登りが急なら、下りも急だった。そのうえ登りよりもずっと距離が長い。石がゴロゴロしていて、駆け下りると膝がバカになりそうだ。だが、バスの時間があるのでスピードを緩めるわけにはいかない。15時のバスを逃したら次は17時15分だ。
穏やかな笹のトレールになると登山口は近い。
さらにスピードを上げて駆け下る。途中でガチトレールランナーを抜く。焦っている私は無敵だ。
蓼科山登山口の女神茶屋。ここにはバス停があるが運休中。さらに蓼科温泉まで走り続けなければならない。
蓼科温泉へは、女神茶屋の横から武田信玄の棒道をたどる。観光地の遊歩道なので準ロードのペースで走れるだろう。なんとかバスに間に合いそうだ。
美しい紅葉のなかを快適に走れると思いきや、、、甘かった。
登山道、あるいは作業道のようなトレールにフカフカの落ち葉が厚く積もっている。一見、快適な道だが、その落ち葉の下は、なぜか石がゴロゴロ。走ろうとしても落ち葉の下の見えない石につまづいたり、足首をグキッとひねったりして、全く走れない。歩くにも歩きにくい。
15時のバスは難しそうだ...
あれ、林道がでてきた。途中で地図にない林道にでちゃった。さらに工事中の林道まで。
棒道は、いたるところで林道で分断されているようだ。おまけに遊歩道だか踏み跡だかよく分からない道も錯綜している。棒道の入り口には立派な道標があったが、もう古い道標がぽつりぽつりとあるだけ。
こんなところで迷子になりたくないので、地図を見ながら慎重に行く手を見定める。
ああ、やっと蓼科温泉が見えてきた。バスの時間まであと10分しかない。プール平のバス停までは、まだロードが少しある。だめだ、ギブアップ、硬いロードは歩こう...
バスは、ちょっと前に行ってしまったようだ。次のバスは2時間後。じゃあ、禍を転じて福と為す、ということで蓼科温泉にゆっくりつかるか。
共同浴場は街のお風呂屋さんのようなこじんまりとした温泉。硫酸塩泉らしいが、単純泉のような柔らかいお湯。それが源泉かけ流し。いや~、長い一日の締めくくりには最高だ。
が、禍福は糾える縄の如し...靴を盗まれた...
テクニカルなルート用のお気に入りのマゾヒストⅡ。もう製造されていないので、買いだめておいた最後の一足を下ろしたばかり...。靴よりも高いカーボンの中敷きを添えて...
ビニールサンダルを借りて、共同浴場の向いの喫茶店(カフェというよりまさに喫茶店の趣)で1時間つぶす。そして、そのビニールサンダルをもらってバスに乗り、茅野駅に向かうのであった。
茅野駅は大きな駅なので、夕食を、と思ったが、食事ができる店が一つも開いていなかった。しかたがないので、立ち食いそばで夕食を済ませる。
足が寒いな...
参考:
麦草峠5:50-6:42茶臼山6:50-8:59七ツ池-9:12北横岳9:25-10:06大岳-10:55双子池11:00-11:42大河原峠-12:36蓼科山荘12:41-13:05蓼科山13:15-14:21女神茶屋14:26-15:20蓼科温泉
(麦草峠から蓼科山・完)
赤星山もおといこさんも地元で親しまれている山のようですね。調べてみたら行ってみた…