世界最高の書店~アルゼンチン、パタゴニアの旅(15)
1/25 トレレウ~ブエノスアイレス(El Ateneo Grand Splendid)
(前回の続き)
5時半起床。喉と鼻が干からびて痛い。洗濯物が2、3時間で乾くのはありがたいが、ずっと鼻がヒリヒリして鼻炎気味。
すぐ着替えてフロントへ。チェックアウトしてタクシーを呼んでもらう。10分ほど待って6時10分ホテルをでる。朝一番の飛行機でブエノスアイレスに戻る。
旅もそろそろ終わる。
空港まで車で10分と聞いていた。しかし、タクシーは空港に沿ってひたすら走るが、なかなか入口があらわれない。ドアツードアで15分かかった。
早朝のトレレウ空港のカウンター。静まり返っている。
起きてから飲まず食わずで、腹が減ったし喉も乾いた。でも時間がない。当面のカロリー補給に、売店でオレンジジュースを買って一気飲みする。
6時40分、定刻で搭乗開始。
日が昇った。いい天気だ。
最後にバルディス半島を見たかったが、陸側の座席だったので見えない。
地上に風車の列が見える。果てしない平原が広がり、世界一風が強いパタゴニア。さぞ効率的に発電できることだろう。
うとうとしているうちに、8時半、ブエノスアイレスのホルヘ・ニューベリー空港に到着。ホルヘ・ニューベリー空港は、ブエノスアイレス市街に近い国内線の空港。
バッゲージクレームに行くと、あれ、この前よりすごいきれいになってる(「さようなら、最果ての街~南米・パタゴニアの旅(21)」)。おそるべし、経済破綻してもインフラ整備が進むアルゼンチン。
バッゲージクレームの横でサンダルに履き替え、荷物を整理。外はスリとか置き引きがいるからね。
そして、ロビーへの出口のところにあった窓口で、ブエノスアイレスの中心部へ向かうLeonバスのチケットを買う。
Leonバスのターミナルは、街の中心のサンマルティン広場の近くにある。もう4回くらい行っている。が、窓口の係員と話がかみ合わない。地図を見せて尋ねると、バスターミナルは移転したことが分かった。でも、かえって予約したホテルに近くなっているので安心する。
フードコートも充実していて、何を食べるか迷う。
国民食、チョリパンにする。
Simも売っている。
いつも海外旅行のときは、空港でSimを買う。しかし、入国したエセイサ国際空港と、最初の目的地のエル・カラファテ空港には売っていなかった。それで、今回は、Simなしで、ネットは、ホテルとカフェのWifiにたよってきた。
空港をでて右に行くとすぐにLeonバスのバス停がある。とても分かりやすい。
でも暑いので空港ロビーに戻ってバスを待つ。
どう見ても海にしか見えないキラキラと輝くラプラタ川を左手に見て、ブエノスアイレスの街に向かう。
新しいLeonバスターミナル。サンマルティン広場からフェリー乗り場のほうに行ったところにある。
ホテルまで歩く。蒸し暑い。じっとり汗をかく。ビルの影と公園を選んで歩く。Google先生によれば、ホテルはコルドバとサンマルティンの交差点付近。ブランドショップやレストランが立ち並ぶ目抜き通りのど真ん中。こんなところに安いホテルがあるの?
Google先生によれば、ホテルは右側のごつい建物。またGoogle先生に騙された。
ホテルを探してウロウロしていると、空からなんか降ってきた。ちょっと臭いぞ、鳥の糞か?それにしては水っぽすぎる。頭とザックにかかったようだ。
すると間を置かず、人混みの中から小綺麗な身なりの老婦人が近づいてきて、ティッシュをさしだし、ここで拭きなさいと言う。礼を言って頭を拭く。アルゼンチンの人は親切だ。すると、ザックをおろして拭きなさいと言う...怪しい。礼を言って振り切るように立ち去る。
すると、前から来た通りがかりの紳士が、同じようにティッシュをさしだし、ザックを拭きなさいと言う...ますます怪しい。アルゼンチン人は親切なことは知っているが・・・。ホテルが近いからと言って立ち去る。
間を置かず、今度は道端に座っていた労働者風のおじさんが、ザックをふけという。どうなっているんだ。こんな人通りの多いところで、みんなぐるか?逃げるようにして立ち去る。
ホテルは向いの通りにあった。普通のビルの入り口のようでわかりにくい。なんだかんだでターミナルから20分以上かかった。
まだ正午前だが、幸いにして部屋が空いていたのでチェックイン。
シャワーを浴び頭を洗い、ザックを洗って一息つく。
さて、、、外は暑いのでこのまま涼しい部屋の中でゴロゴロしていたい。でも、せっかくなので街に出る。サンマルティン広場のカフェでステーキでも食べるか。
サンマルティン将軍、お久しぶりです!
あれ、れ、れ?お気に入りのカフェがない(「2年ぶりのブエノスアイレス~南米4ヶ国の旅(3)」)。店はあるけどちょっと本屋みたいになっている。
しょうがない、ぶらぶらしながら適当なところに入ろう。
ヨーロッパ風のビルが立ち並ぶブエノスアイレスの街。裏通りの床屋もちょっとおしゃれな感じ。
歩行者信号も、スキップしている。さすがブエノスアイレス。
と、思ったら、こちらの歩行者信号は普通に歩いている。
同じ市内の信号なのに表示がばらばら。さすが南米。
コロン劇場(Teatro Colón)にやってきた。パリのオペラ座、ミラノのスカラ座とならび、世界三大劇場の一つに称される。私は前回つまみだされたので、今回も行かない。
コロン劇場は官庁街の一角にあり、周囲には裁判所やらごつい建物が並んでいる。写真左がコロン劇場、そして右側の”ESCVELA PRESIDENTE ROCA”と書いてある神殿みたいなものはなにかな?と思ったら、公立学校だった。
お散歩の目的の建物に到着。でも暑いし、お腹が減ったしで、まず向いのカフェに入ろう。
ブエノスアイレスは、イタリア系の移民が多かったということで、ピザやパスタの店が多い。でもピザは危険なことを身をもって知っている。そこで、プッタネスカを注文。
きたきた...むむ...。一目で失敗したことを悟る。悲しい気持ちになった。
見た目がすでに給食の太麺。おそらくフォークですくえば、ブチブチとちぎれるだろう。そして、アンチョビがフィレの形のまま入っている。
立地はいいのに残念な店だ。
さっさと食事を済ませ、先ほどの建物に入る。
ここが、世界で一番美しい書店とも、いや、世界で二番目だ、とも、、、とにかく世界最高の書店の一つと言われる”El Ateneo”(アテネオ)。広い劇場内に書架が並べられ、劇場がまるまる書店になっている。
そして正面の舞台の上は、カフェ。
入り口やテラスには、私のように写真を撮っている人が並んでいる。たぶん、私のように本を買わずに見に来ただけだろうな...
芸術系の本が充実しているらしいが、アルゼンチンの観光案内書や写真集もずらりとならんでいて、眺めるのも楽しい。随所にいすが置いてあって、みなさん、立ち読みならぬ座り読みしている。
一定の距離を置いて、スーツを着たごつい男たちがゆっくりと歩いている。万引き取り締まりのガードマンのようだ。劇場なのでガードマンもスーツか?
表に出て、サンタフェ通りに沿って、宿のほうに歩いていく。サンタフェ通りはファッション系の店がならんでいる。
それにしても暑い。とても暑い。でもさすが都会、暑くても人が大勢行き来する。
ブエノスアイレスでよく見るコンビニ。最初にブエノスアイレスに来た時は、あまりなかったが、今ではそこかしこにある。飲み物を買うのに便利。
コロン劇場の横を通過。笑っているやつがいる。なんか暑苦しいな。
ブエノスアイレスと言えばタンゴ。ブエノスアイレスは3回目だが、一回もタンゲリア(タンゴ劇場)には行ったことがない。今回も登山靴とビーサンしかないからやめておこう。
ホテルに戻るついでに、Google先生に教えてもらったワインショップに寄ろう。
9 de Flio通りから、怪しい裏道に入る。さっさと店に入りたいが見つからない。ウロウロするにはふさわしくない雰囲気。またGoogle先生に騙されたのだろうか...
あった。
店の前を通ったが気が付かずに行き過ぎていた。シャッターが半分閉められた窓から、暗い店内のワインのボトルが見える。やっぱり、ここはちょっと危ない通りのようだ。
やっているのかな?鉄格子の扉の横のブザーを押すと、若い男性がにこやかに扉をあけてくれた。
店内は狭く、ワインの種類は多くない。この若い店主が厳選セレクトしたシャトーのワインがおいてあるようだ。
マルベックとトロンテスが欲しいと言って、いくつか選んでもらった。マルベックはハイランド(アンデスの麓の標高の高い葡萄畑らしい)の最高級のブドウを使っていておすすめ、とのことでもちろん買う。最高級のマルベックを使った2012年のビンテージがおよそ1800円。安すぎる。フレッシュなマルベック(2014年)もおすすめ、ということでもちろん買う。およそ1200円。やっぱり安すぎる(これは後で飲んだが、めちゃめちゃうまい。タンニンもまろやかで人生最高のマルベック)。
明後日にやる試飲会に招待された。残念だが、丁重にお断り。明日、日本に帰らなければならない。
好感がもてる店。ブエノスアイレスを訪れることがあれば、また買いにきたい。
重たいワインを抱えて宿に戻る。
明日に備えて荷物を一通りパッキングして一休み。
8時になったので、Google先生の評価が高い近場のステーキハウス”Santos Manjares”へ。
店は活況、席はほとんど埋まっている。はやっている店とそうでない店のちがいが大きくわかりやすい。
Tシャツ短パンの女性店員(たぶんUSA的な演出)がきびきび応対してくれる。
チョリソ(ステーキ)のミディアムレア、お店スペシャル。たぶんスペシャルはジャガイモのチーズ焼きがついているところ。ワインはミニボトルが5種類くらいあるうちの、マルベック・レッセルバール。
3センチくらいの肉厚。ナイフで切るとじゅわっと肉汁が染み出す。おもむろに口へ。うまい。噛むとまた肉汁がじゅわ。でも脂はさっぱり。今回の旅で、1、2を争ううまい肉。値段はそれほど高くなくて、コスパは一番。
夜になると暑さも和らぎ、カフェが賑わっている。
土産にアンデスビールを買って帰りたかったので、ホテルに戻る途中、小さなスーパーに入る。
ワインの品ぞろえは充実しているが、ビールはあまりない。なぜだろう。ビールは、どこか他のところで買うものなのだろうか。
フロリダ通りに面したショッピングモール”GALERIAS PACIFICO”。ブエノスアイレスは、ショッピングモールも重厚。思い出すな~、昔ここで、胸焼けするフィッシュフライを食べたな~(「さようなら、最果ての街~南米・パタゴニアの旅(21)」)。
明日の準備はできている。部屋に戻ってすぐにベットに入る。
(次回に続く)
赤星山もおといこさんも地元で親しまれている山のようですね。調べてみたら行ってみた…