花の散歩道をトーレ湖へ~アルゼンチン、パタゴニアの旅(7)
1/19 ポインセノット~トレス湖~トーレ湖~エル・チャルテン
(前回の続き)
朝食を済ませ、のんびりとパッキング。
今回のバックパック、パーゴワークスRUSH30。
30リットルのバックに、テントやシュラフ、食料など、1泊2日の装備を詰め込んだ。苦労して詰め込んだ装備については、機会があれば紹介したいと思う。
9:10、ポインセノットのキャンプ場を出発。まだまだテントでまったりしている人は多い。
メジャーなトレッキングルートは、道標完備。ただ、メジャーでないルートもいろいろあって、そちらは要注意。
今日は、まず、マドレ湖に沿って歩き、そこからセロ・トーレの展望台、トーレ湖(Laguna Torre)へ行く。
湿原の小川の水は澄んでいる。金魚藻のような水草が川底を隙間なく覆い、青くユラユラと揺れている。
川原の草原と樹林との境目につけられたトレールを歩く。
やっぱりフィッツロイは雲の中。
日が高くなって暑くなってきた。フリースを脱いで、長袖のTシャツ姿で歩く。
このルートは、ハイカーがほとんどいない。鳥の声だけが聞こえる。
手前がマドレ湖、奥がイハ湖(Laguna Hija)。カタカナで書くと意味が分からなくなるが、スペイン語での意味は、母と娘。なるほど、小さい娘が母と流れでつながっている。
ここからは、奥の娘は湖面が母親より2、3mくらい高く見える。それが、幅100mくらいの細い陸地で隔てられている。あそこには、かなりの水圧がかかっているだろう。ダムのようだ。
雨がパラパラと降ってきた、と思ったが、マドレ湖から水煙が立ち上っている。
どうもマドレ湖から風で吹き上げられた水のようだ。
草原と樹林の境目の道には花が多い。季節もよいのだろう。アップダウンの少ない花の散歩道。
大きな木の枝から何か緑色のものがぶら下がっている。地衣類かと思ったが、被子植物のよう。根っこらしきものが出ているので、ヤドリギのように寄生種でもなさそうだ。ランの一種かな?なんだろ?
ひたすら湖畔の道を行く。
7kmの2km来たらしい。でもどこから測ってかな?
湖岸には南極ブナの低木。
トレールは、灌木帯を抜けたり、見上げるほどの南極ブナの森に入ったり。
イハ湖の端っこまでやってきた。
風も止んだ。ザックを置いて、少し休もう。
もふもふしている。つぼみかな?
草原散策をお楽しみください。
子供の小指の爪の大きさもない小さな花。でもよく見ると美しい。
湿原の池も花に囲まれている。
ここまで、3パーティー追い越したが、写真を撮っている間に追い越される。そしてまた、しばらくして追い越す。お騒がせしてすみません。
巨木の森に入る。
さっき、枝からぶら下がっている、と書いたのはこれ。
そしてまた草原に出る。
これはえんどうまめ豆の仲間かな?スイトピーの仲間かな?
花があれば、蝶もいる。でも2種類しか見かけなかった。
ひとつは、このシロチョウ。スジグロシロチョウに似ているけど、すじがはっきりしている。
もう一つは、このヒョウモンチョウの仲間と思しき蝶。
森を抜けて小高い丘の上に出ると、変わった形のピークが目に飛び込んできた。まるで板を傾けたような、のっぺりとした広い氷河の斜面が山頂付近に広がっている。おそらくCo. Soloと思われる。ぱっと見、スキーをしたら楽しそうに見える。実際はクレバスだらけのボコボコ斜面かもしれないけれど。
トーレ湖方面とエル・チャルテン方面を分ける分岐に出た。まずトーレ湖へ。
ここから、急に人が増えた。エル・チャルテンから日帰りでトーレ湖を目指すハイカーが多いようだ。
フィッツロイ川の川岸につけられたトレールを、上流に向かって遡る。巨木の森に入ったり、川原の白骨化した森のわきを通ったり。
そして、川原の奥に巨大な氷河が見えてきた。奥にある山々は灰色の雲に覆われている。展望は期待できなさそうだ。
フィッツロイ川の川岸を行く。水は白く濁っている。
それにしても暑い。みんな半袖のTシャツを着ている。長袖のTシャツを着ている私は汗だくだ。朝はフリースを着てても寒かったのに。
トーレ湖のモレーンに到着。左に行けばDe Agostiniのキャンプ場、右がトーレ湖。右に行ってモレーンを登る。
モレーンを登りきって、トーレ湖に到着!
ぐるりと岩場とモレーンに囲まれていて、氷河湖というよりクレーターみたいだ。
湖畔に下りる。氷のかけらが打ち上げれている。
水は濁っている。氷河湖は、氷河が削り取った泥や砂で濁っているものだよね。澄んでいるトレス湖のほうが珍しいように思うけど、どうかな。氷帽から流れ出る氷河は、削り取るものが少ないから濁らないのかな。
面白い形の氷山が浮いている。でかい、ように見える。
氷河にできるだけ近づきたかったので、トーレ湖の向かって右側につけられた踏み跡をたどる。ガレに踏み跡が錯綜するが、どれをたどっても問題ない。
近づいてきた。でかい氷河だ。
この氷河は、Gl.Grandeという。直訳すれば「でかい氷河」だ。
奥の谷や山は完全に雲に閉ざされている。頭の上は晴れだ。でも風が吹くと、この雲から運ばれてきたと思われる雨が、パラパラと降ってくる。
さっき氷山を撮った湖岸を振り返る。氷山と比べると、人がすごいちっちゃく見える。
グランデ氷河に最接近。うん、すごい迫力。急斜面のところは氷の滝だね。
時々、「ゴーン」「ガーン」という唸りが、谷の奥から聞こえてくる。
満足してきた道を戻る。
モレーンの上から、今日来し方を振り返る。
蛇行するフィッツロイ川の川原が見え、白骨の森も見えている。
今日は、その先の谷に沿って、エル・チャルテンに下山する。
氷河に近づくためにたどった道を振り返る。モレーンの上に踏み跡がずっと続いていて、斜面が急になって切れている。あの手前辺りまで行ってきた。あの先は、Co. Torreなどに登るためのバリエーションルートだ。
モレーンからトレッキングルート方面に直接下りる踏み跡があったので、それにそって下りることにする。
下りる前に、もう一度グランデ氷河を目に焼き付ける。
13:10下山開始。
(次回に続く)
赤星山もおといこさんも地元で親しまれている山のようですね。調べてみたら行ってみた…