日本一の紅葉~三ツ石山、乳頭山周回縦走(1)

9/20 滝ノ上温泉~三ツ石山~八瀬森山荘

前回の続き)

昨晩は雨が降り続いていた。
 昨日の弱気な決定に従って、葛根田川遡行改め、三ツ石山~乳頭山の秋田・岩手県境を巡る周回縦走とする。

三ツ石山へ深い森林の道を歩く

薄ら寒い濃い霧の中、濡れないようにゴア雨を羽織って出発した。
 三ツ石山への道は原生林の中のゆるい登りだ。天気はいまいちでも久しぶりの縦走に気分は爽快。
 歩いているうちに霧雨もやみ、晴れ間も見えて暑くなってきた。

湿原の中の三ツ石山荘

上り坂が終わり、木々の背が低くなれば、すぐに三ツ石山荘に到着。湿原の真ん中に建つ、ロケーションのいい小屋だ。小屋自体もきれいで快適だ。
 多くの登山者が休憩がてら写真を撮っていた。私たちもザックをおいて、草紅葉の湿原と秋風を堪能しつつ、行動食を食べる。

ここから進路を西にとり、三ツ石山に登る。

三ツ石山の紅葉と岩手山

三ツ石山の紅葉は日本一である。いや、少なくとも私の行った山の中では一番だ。
 山肌には背丈程度の楓が群生していて、色づくとまるで赤い絨毯を敷いたかのようだ。前回来たときよりも、紅葉の色がくすんでいるが、それでも見事だ。
 岩手山にかかった雲が切れた瞬間をねらってシャッターを切る。

三ツ石山から大深岳の紅葉のトンネル

三ツ石山から大深岳の間は紅葉のトンネルと絨毯が続く。稜線にガスがかかっているが、それでもるんるん秋山ハイキングを堪能する。ここを行き交う登山者も多い。
 この道を歩くのは今回で三度目。最初は、有史以前の大昔、学生のときの秋合宿だ。そのときは秋田駒ケ岳から岩手山まで縦走した。しかし、ほとんど全日雨で、特にここは濃いガスと叩きつけるような雨で視界がほんの数メートルしかなかった。周囲の景色がまったく見えず、パンツも靴もグショグショに濡らして歩きながら、手が届く真っ赤な楓の葉を見て、きっとここの景色はすごいんだろうな~、と思ったことが昨日のことのようだ。

大深岳分岐から八瀬森へ

大深岳の手前に八幡平へのルートと秋田駒への県境縦走のルートの分岐がある。八幡平へのルートは、普通の登山道だが、秋田駒へは道が見えない。笹原が続くだけ。
 刈払いが入っておらず、道は完全に笹に覆われている。しかし、心配後無用、かなり踏まれているので、笹に覆われていても道形ははっきりしている。地図とコンパスを使うまでもなく、迷うこともない。
 笹をワッシワッシ漕いで、今日の宿泊地、八瀬森山荘をめざす。

次回に続く)

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