ティティカカ湖、世界最高所の湖へ~南米4ヶ国の旅(23)
9/7 ラパス~ティティカカ湖~コパカバーナ、月の島、太陽の島~ラパス
(前回の続き)
ラパスの朝。今日はティティカカ湖の1日ツアーだ。朝食を食べておいてくださいと言われたが、ホテルの朝食はまだ準備ができていない。早朝の街に買い物に出る。まだ店も半開き、おばさんたちも準備中。
旅行会社の車がホテルに7時に迎えに来て出発。日系の奥さんがガイドで旦那さんがドライバー、2人でやっている旅行会社で、日本語が通じる。今まで聞くに聞けなかった疑問をいくつもたずねる。昨日、知らないおじさんにラパスに連れてきてもらった話をしたところ、「危ないですね。電話を頂ければよかったのに。」と。はい、そうすれば良かったです…。ラパス周辺では、タクシー強盗が頻発しているとのこと。身ぐるみ剥がされるくらいだったらまだましだそうだ。
なんと朝食にゴマのおにぎりを頂いた。お~、久しぶりの日本風のお米。うまい。
車はラパス市街から坂を上り、昨日、タクシーを下ろされたエル・アルトの街に入る。この都市はもともと小さな貧しい町だったところに、地方から集まってきた人がなし崩し的に家を建てて拡大し、人口90万の大都市になったそうだ。昼間の路上で強盗に襲われるほど治安が悪く、ラパスに住んでいる人はできる限り近づかないようにしているらしい。
エル・アルトを抜けると見晴らしのいい平原になる。コンドルが翼を広げたようなイリマニ(6439m)から、人気のワイナポトシ(6088m)まで、氷河に覆われた峰々が続く。ボリビアのアンデスの鋭い峰々はチリ北部のこんもりしたアンデスと違って、登頂意欲がわいてくる。今の完全に高度順化した状態なら、ワイナポトシは余裕で登れるだろうな~、時間がないのが残念。
緑の平原を真っ直ぐに突っ切る道路をしばらく走り続ける。この平原が今までの乾燥地帯と違って緑があるのは、アンデスの雪解け水に端を発する地下水のおかげ。
2時間くらい走っただろうか。湖が見えてきた。道路わきに車をとめ、車から下りて湖を眺める。ティティカカ湖は富士山より高い標高3890m、汽船が航行する湖としては世界最高所にある。面積は8300km2、およそ東京都3.5個分。湖というより瀬戸内海のような海に見える。
湖はチュアという町のところで、海峡のように細くなっている。ここを渡し舟で渡る。フェリーではない、いかだにエンジンをつけた個人営業の渡し舟だ。バスを乗せて沈んだこともあるらしい。ちょっと怖い。
車を乗せたいかだが右往左往。本当に大丈夫か?でも湖面を渡ってくる風は心地よい。ガイドさんが入れてくれたコーヒーをすすりながら、ショート・クルーズを楽しむ。
渡し舟を下り、ワインディングロードに沿って丘を上ると、ティティカカ湖湖岸の国境の町、”Copacabana”(コパカバーナ)が見えてきた。湖に突き出た半島の美しい町はティティカカ湖観光の拠点。
町の中心のカテドラルの前。着飾った人々が飾りつけた車の前で写真を撮っている。結婚式かと思ったが違った。ここの人々は車を買うと、車を飾りつけ、おめかしして教会にお払い?にくるそうだ。
カテドラルの前には、車を飾るための飾りを売る屋台が並んでいる。七夕の飾りみたいだ。
なんだ、このおっさん人形は!?いやいや、馬鹿にしてはいけない。これがあなたの願いをかなえてくれる福の神、エケコだ。欲しいものを神様にお供えする。だからお米や金や車など色々なものがくくりつけてある。お札がボリビアーノではなくて、ドルというのがミソ。
コパカバーナのカテドラルはボリビアで最も古い祭壇が置かれた歴史ある教会。首をぐるりと回さないと全景が見えないほど大きく、青い空に映える白い壁は神々しい。中には黄金の祭壇に、無数の宝石がちりばめられた葦舟に乗った、褐色のマリア像がある。いや、あった。最近、葦舟が盗まれてしまって、募金によって復元したものの、ひとまわり小さくなってしまったそうだ。残念ながら教会のなかは撮影禁止。
さて、本日の目玉、ティティカカ湖の太陽の島、月の島クルーズに出航だ。
標高3800mの紺色の空、それを映す深く澄んだ水。陽射しは焼け付くように強烈で日焼け止めとサングラスがないとやってられないが、湖面の空気は冷たく風は寒いくらい。それがかえって、体や心に溜まった物がすべて洗い流されるようにすがすがしい。
この旅ではすっかりおなじみの蜃気楼。ティティカカ湖も例外ではない。
(次回に続く)
赤星山もおといこさんも地元で親しまれている山のようですね。調べてみたら行ってみた…