食都・フエ~ベトナムの旅(4)
11/16 フエ~ホーチミン
(前回の続き)
一晩中、台風のような激しい雨音。朝起きても雨は降り続いていた。豪雨。カイディン帝やミンマン帝に行こうと思っていたが、思い切りテンションが下がり朝寝坊する。
雨が小降りになった隙をついて、朝食を食べに出る。これはフエ名物、コム・ヘン。シジミの汁かけご飯。おねえさんに促されるまま、味噌と紫色のクリームみたいな物体を器に入れかき混ぜる。スプーンでご飯をすくって口に入れる…×△×!ガッーー辛い!確かにシジミのダシ味がする。しかし辛い、と言うか口の中と食道が痛い!薄暗い食堂の片隅で一人泣きながらご飯をかき込む。うまい。でも味噌を入れすぎないように。
薄暗い食堂の中でこんなふうにおばさんが切り盛りしている。この店は地球の歩き方では「クアン・ニョ」となっているが、実際は「ニョ」(Nyo)でとなりの店が「クアン」のようだ。
地元の方々はこんな路上レストランで朝食を済ませることも多いようだ。
不思議な食べ物「バイン・ロック」。もちろんフエの名物。半透明のぷるぷるの米粉の粽の中に一匹ずつ海老が入っている。笹をむいてヌクマムをつけて口に入れる。ぷるんとした食感、ちょっと甘い。そしてサックリと海老の香ばしさ。う~む、これは絶品だ。
そしてこれもフエの名物「バイン・ベオ」。絵皿のような小さな皿にはやっぱり米粉を蒸したプルプルが入っていて、その上に油揚げをカリカリにしたようなものや、海老の粉などがトッピングされてる。ヌクマムをスプーンでたらして、そして皿からはがすようにプルプルとトッピングをスプーンですくって口に入れる。葛餅にかっぱ海老せんをのせた感じ?プルプルサクサク、これもいける。小さい皿を片っ端からスプーンですくって、もうとまらない。
また雨が激しくなってきたのでホテルに戻る。なぜか平日の午前中だというのに、カフェは男どもでいっぱい。
今回のホテル「オリジナル・ビンジュオン1」は細い路地の奥にある。路地の奥にあるほうがバイクの音もクラクションも聞こえず静かでいい。
さっき朝食を食べたばかりだが時間的にお昼なので、ホテルで知り合った旅人達とランチに行く。ホテルのスタッフおすすめの「ハン」(han)。これは「バイン・コアイ」。フエは本当にいろいろな食べ物があるなぁ。歴史に裏打ちされた古都は食都でもあるのだ。さて、バイン・コアイを注文すると、海老やもやしをはさんだ小さなお好み焼き風のものと、香草、生野菜、そしてピーナッツソースが出てくる。そして、せっかくのお好み焼きをばらして、ちぎって小さな器に入れ、香草をのせ、ピーナツソースをかけてグチャグチャとかき混ぜて食べる。なんとも不思議な食べ方だが、サクサクの生地に野菜と甘いピーナッツソース(ちょっと胡麻ダレっぽい)がよくあう。
ここも店内に台所がある。神棚みたいなものは火の神様を祭ってあるのだろうか?
なんとなく同じようなオーラを出しているバックパッカーどうしで話が弾む。もう1ヵ月も旅をしてるの?いいな~、俺は昨日鉄道で来て、今日、飛行機で戻る弾丸ツアーだ。
八百屋?食材の種類は日本より豊富だ。一説によるとベトナムはフランスや日本、アメリカと数十年にわたって戦争を続けていたために、とにかく食べれるものはなんでも調理して食べたので、食材の幅と料理法が豊富ということらしい。
飛行機の出発時間の1時間前に予約していたバスにのる。こんなにギリギリの時間で大丈夫かと聞いたが、スタッフが大丈夫というので信じてのった。が、やっぱりギリギリだった。バイクにはさまれてトロトロ走るバスの中で時計を見ながらやきもきする。空港に着いたのは離陸予定時刻15分前。あせってチェックインする。しかし、スタッフの言うことは正しかった。飛行機が遅れていてまだ来ていなかった。結局、40分遅延。飛行機が空港にやって来た頃、雲の切れ間から陽が差し、滑走路に虹がかかる。帰る頃に天気が回復する…
ホーチミンの空港に下り立った時には6時半をまわって、あたりはすっかり暗くなっていた。余計なトラブルを避けるために、ちょっと割高だが空港ゲートのところでタクシーチケットを買って、タクシーに乗る。またバイクが暴走するホーチミンに戻ってきた。このバイクはシートが長く大人2人、子供2人の4人まで乗れるようになっているらしい。
デタム通り周辺をぶらぶら歩く。レストランの呼び込みに引っかかる。ネイティブらしき人がいっぱいいるのでいいかな~と思って入ったらサクラ(常連客?)だった。みんな知り合いのようで、酔っ払って大騒ぎしながら客引きしている。なぜか私もその輪の中に入って、怪しい酔っ払いおばさん達とタイガー・ビールを飲みながらベトナム語で騒ぐ。お腹が空いたので炒飯を注文した。「コム・チン・トム」。パイナップル味の甘酸っぱい炒飯。
おばさんたちがうっとうしくなったので店をでた。でも飲み足りない。今度は客のほとんどいない、客引きもしない静かなレストランへ。揚げ春巻きと333ビールを注文。なかなか春巻きがこないと思ったら、なぜか店員が店の外から持ってきた。まあいいや、普通においしいから。333ビールはもっともポピュラーなビールらしいが、コクがなく、私にはイマイチ。
(次回に続く)
赤星山もおといこさんも地元で親しまれている山のようですね。調べてみたら行ってみた…