大槌町、変わったこと変わらないこと~遠野まごころネットその5(1)
5/11 遠野~大槌町~遠野
(前回の続き)

バスを下りると寒い!風が冷たい。まるで2月の東京のようだ。かじかむ手をポケットに突っ込んで、まごころネットの拠点、浄化センターに向かう。同じ方向に歩いてゆくのは2人ばかり。だいぶ減ったな…

大槌町へは新緑と山桜が美しい笛吹峠を越える。四季を通じてここに通ったが、今の季節が一番美しい。笛吹峠はかなりうねうねしていて写真が撮りにくいのが残念だ。
笛吹峠を下ったところにある「橋野どんぐり広場」で休憩。ここの産直は野菜や山菜が驚くほど安い。パックいっぱいの天然タラの芽が250円。そして、ある人は絶品、またある人は苦くて食えん、と評価が真っ二つに分かれる貴重な天然の「しどけ」が60gで160円!通販で買ったら200gで1000円くらいする。こんなものをこんなに安く食べられる地元の人がうらやましい。
いよいよ3ヶ月ぶりに大槌町に入る。そこには、家の土台だけが残る見慣れた景色が広がる…驚くほど3ヶ月前の景色のままだ。3ヶ月前にも3ヶ月前と変わらないと思ったので、半年前からほとんど変わってないのだろう。

しかし、雨の天気予報にもかかわらず、時々ぱらつく程度なのは不幸中の幸い。
側溝の脇の民家に住むご主人と話をした。二階建て住居の一階が津波に浸水したものの、建物全体の破壊は免れた。しかし、一階の電気系統の修理の手配ができず、二階に住んでいるとのこと。さらに家族は津波に襲われた場所には怖くて住めないので、ご主人以外はみんな仮設住宅に住んでいるとのことだった。


植えたのか勝手に生えているのか分からないが、ガレキの合間にたくさん咲いている黄色い花が目を引く。かつてはヘドロに覆われ、真っ黒だった津波に洗われた土地は今花盛りだ。

今日は5月11日。まごころネットでは震災で犠牲になった方々のことを忘れないため、毎月の月命日にはキャンドルナイトを行う。今日はみんなでローソクを「心」の形に並べ火をつけた。
「ボランティアにやって来たあなた方は、被災地の現実の様子を体験して知っている。震災当初の雰囲気はもはや感じ取ることはできないが、それでも感じたこと、変わったこと、変わらないこと、ありのままを伝えて欲しい。」とは代表の言葉だ。
(次回に続く)
赤星山もおといこさんも地元で親しまれている山のようですね。調べてみたら行ってみた…