国境稜線を独り占め~谷川岳から三国峠(2)

11/4 水上~天神平~谷川岳山頂(トマノ耳)~万太郎山~越路避難小屋

前回の続き)

111104谷川岳・オジカ沢の頭の岩場正面に国境稜線の山々の連なりを見ながら、笹原の斜面を下ってゆく。下りきると今度はオジカ沢ノ頭に向けて登りだす。細い岩場の道で、ところどころに鎖場や岩峰を巻くところもあるが、特に危険はない。ただ、霜が解けたのだろうか、日影では道がぬかるみ岩が滑る。


111104谷川岳・花が咲いている

なんと、地面にへばりつくように小さい黄色い花が咲いていた。朝晩は氷点下に冷え込み、雪も降るこの季節に誰にも見られることなくひっそり咲いている。

111104谷川岳・オジカ沢ノ頭

オジカ沢ノ頭到着。誰もいない。ここまで来た道も人の気配は全くない。笹を震わす風の音と、はるか下に見える赤谷川の沢の音だけが聞こえる。青い空と秋枯れの山々を独り占め。

111104谷川岳・オジカ沢の頭避難小屋オジカ沢ノ頭直下にはオジカ沢ノ頭避難小屋がある。ドラム缶形状?で中は2畳くらいでスノコが敷いてある。きれいでドアもしっかりしているので十分使える。


111104谷川岳・国境稜線、万太郎山を臨む

再び下り始める。オジカ沢ノ頭をすぎて赤谷川源頭地帯に入ると、山深さはいっそう濃くなる。国境稜線の北側は急峻な崖、南側は広い笹原の斜面で、赤谷川に落ちていく。そして対岸にはいくすじもの谷に穿たれた、俎嵓から続く稜線が広がる。私は勝手に「ミニ飯豊」と呼んでいる。

111104谷川岳・大障子避難小屋オジカ沢ノ頭と万太郎山の中間地点に大障子避難小屋がある。10人くらい泊まれそうな広い小屋で、国境稜線上では唯一水場のある小屋だ。夏に泊まったときはギュウギュウだったが、今は誰もいない。水はたっぷり背負っているので、スルーして先を急ぐ。


111104谷川岳・濃い色が目立つ草

なんの草だか知らないが、枯れ草色の道にこの濃い葉っぱがよく目立つ。

111104谷川岳・振り返ってみる谷川岳

万太郎山の斜面を登り始める。振り返れば、オジカ沢ノ頭の影に隠れていた谷川岳、トマノ耳とオキノ耳が見えてきた。そしてその北にある茂倉岳も大きい。暑くて汗をかくが、時々吹く風は冷たい。山頂での景色を期待して休まず登る。

111104谷川岳・万太郎山山頂万太郎山の山頂に着くと…曇の中だった。なぜか万太郎山にだけ雲がかかっている。おまけに山頂にはヌカカ(小さいブヨみたいな虫)がワンワン飛んでいて、私の隙を狙って刺そうとする。おちおち休んでもいられない。
 この悲惨な状況をツイートしようとしたが、携帯電話の圏外だった。


111104谷川岳・万太郎山から避難小屋へ

今日の宿は近い。ヤセた岩の尾根を下っていく。別に難しくないが、転んだら谷底までさようなら、という場所がある。風が強くなってきた。北からの風に飛ばされ尾根を越える雲が、様々に形を変えている。

111104谷川岳・越路避難小屋今夜のお宿、越路避難小屋に到着。笹の尾根がちょっと広くなったところに建つ、ドラム缶形状の小屋。小屋自体はしっかりしていてスノコが敷いてあって快適そう。3畳くらいかな。でも今日は私以外誰もいないので広々と使える。中でラジオが聞けないのが玉に瑕。外で冷たい風に吹かれながら天気図を描く。


111104谷川岳・小屋での夕暮れ

秋の日は短い。天気図を書き終わる頃、ちょうど太陽はエビス大黒ノ頭に沈もうとしていた。

日没を見とどけて夕食の準備を始める。今日は新メニュー、豆カレー(お米に大豆を混ぜて炊いて、普通にカレーをかけただけ…)。夕食の準備をしながら一杯やるのが至福の時。

次回に続く)

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