剱岳山頂そして夕日~剱岳・内蔵助谷(3)
9/24 早月小屋~剱岳~剣御前小舎
(前回の続き)
剱岳山頂到着。先月来たときには雨が降っていて視界がなく、人もいなかった。しかし今日は大入りの国技館のように、頂上に大勢の人がみっしり並んで座っている。私が座る場所もない。後立山から立山、槍穂、黒部源流地帯に至る北アの山々の眺めはすばらしいが、あまりにも人が多くてパノラマ写真を撮る気になれない。とりあえず祠の写真を撮る。
ゆっくり登ってきたので時はすでに1時をまわっている。これから北方稜線は厳しいので、別山尾根から剣御前小舎まで下ることにする。
むむ、これが噂に聞く、カニの横ばいの渋滞か。岩溝に挟まって20分ほど順番を待つ。天気が良く景色もすばらしいので、待つのも苦にならない。
カニの横ばい。高度感のある垂直に切り立った岩を鎖でトラバースする。前回は私のフラットソールになりかけた靴が、雨でツルツル滑ってかなり力技で下りた。今日は岩が乾いていて何の問題もない。
行く手には恐竜の背中のような平蔵の頭が立ちはだかる。ここから見るとかなり恐ろしい所を登るように見えるが、近づけばたいしたことはない。
はしごや鎖が続く。良く整備されているので問題なく下る。
前剱岳から剱岳を振り返る。ここまで来れば後はたいした鎖場もなく、のんびり山歩きになる。
剱沢がどんどん近づいてくる。しかし今日は剱沢には下りず、くろゆりのコルを経由して剣御前をトラバースして剣御前小舎に至る道を行く。
うんざりするほど平坦で長いトラバース道を歩く。日が暮れてきて寒い。剣も赤く染まっている。なんだかわびしい。
とぼとぼと歩いていると、仲間が突然、バタバタと飛んできた雷鳥に襲われる。雷鳥が飛ぶのをはじめて見たが、雷鳥に襲われる人もはじめて見た。
あたりに花はなく。ただただチングルマ。もの寂しい。
日没になんとか間にあった。オレンジ色の夕日が山を、雲を、そして自分もすべてオレンジ色に染めてゆく。久しぶりに見た美しい夕日。
(次回に続く)
赤星山もおといこさんも地元で親しまれている山のようですね。調べてみたら行ってみた…