雪を踏んで山頂へ~剱岳・内蔵助谷(2)
9/24 早月小屋~剱岳~剣御前小舎
(前回の続き)
とびきりの快晴、登山日和、さっそく剱岳山頂に向けて出発しよう!だがしかし、小屋の主人に、登山道は凍結していて危険だから山頂には行くな、と止められた。
昨晩の雪がうっすらと積もっている。
小屋の主人の言うことを聞いて、まずは2614mのピョコまで空身で偵察に行く。左手に深い谷を挟んで朝日に照らされた大きな山が見える。猫又山だ。いずれは北方稜線をたどってあそこまで行きたいものだ。
登山道の脇にはこけももの木があった。目につきやすいせいか、あまり実がついていない。真っ赤に熟した実を見つけ、口に放り込む。すっぱ!早月尾根はこけもものほかにも、くろまめの木の実(ブルーベリー)やキイチゴがあちこちになっている。デザート代わりにプチプチとつまみながら歩く。
日が昇るにつれ、どんどん暖かくなってきた。直接当たる日差しは暑いくらいだ。これだったら雪も融けるだろうと判断して、いったん小屋に戻り荷物を背負って剱岳山頂を目指す。もう10時を過ぎてしまった、今日は北方稜線は難しいな…。
高くなった太陽の下、猫又山は今朝とは表情を一変させている。
2614mのピョコまでは比較的緩やかな登り。しかし、その後は山頂に向かって岩の急登が続く。
汗をかきながら登ってゆく。日差しは強く、風はなく、今朝の寒さがうそのように暑い。稜線の岩峰の合間から雲海の上に大日岳が見えた。
突然目の前が開け、すぐ近くに剱岳の山頂があった。すぐ近くと言っても30分はかかるだろう。ここから、切り立った岩尾根に鎖場が連続し、剱岳の本領発揮となる。
鎖場はほぼ尾根の北側にあって日が当たらない。昨晩降った雪が岩のすき間を埋め、表面をコーティングし、ツルツル滑るところがある。鎖をしっかり握って慎重に通過する。しかし、氷点下の鎖は手が切れるように冷たい。鎖を握らないとおっかないし、握れば冷たくて手が痛いし…
別山尾根からの登山道との合流点にでた。ここまではほとんど人のいない静かな山だったが、ここからは人がウジャウジャいて、前からも後からも人の声が聞こえて賑やかだ。
頂上はもうすぐそこだ!
(次回に続く)
赤星山もおといこさんも地元で親しまれている山のようですね。調べてみたら行ってみた…