御前山へお気軽バリエーション~シダクラ沢

9/19 惣岳バス停~シダクラ沢~御前山~鋸尾根~奥多摩駅

思えば今シーズンは沢に行っていない。行きたいな~と思いつつも、このくそ暑いのに林道歩きは嫌だ。奥多摩のガイドブックをパラパラめくっていたら、なんとバス停から入渓点まで15分のお手軽沢があった。
その名は「シダクラ沢」。奥多摩のカタカナの名前の沢はしょぼい沢が多いが、ここもゴルジュや大きな滝はないらしい。でも、都民の森の御前山へハイキングだと思って登れば、楽しい一日が過ごせるに違いない。

100919奥多摩むかし道のトイレ7:46奥多摩駅に到着し、駅前に停まっていたバスに乗り込み、8:00に惣岳バス停に下り立つ。なんという効率のよさ。バス停のわきから階段で谷に下り、突き当たった奥多摩むかし道を右に行く。立派なトイレがあるのでここで用を足す。


100919シダクラ橋

多摩川を渡るシダクラ橋は見つかるかな~、などと谷をのぞき込みつつ歩くこと1分、間違えようのない鉄製の立派な吊橋シダクラ橋に到着。なんでこんなに立派なんだろう。

100919シダクラ橋から多摩川本流

シダクラ橋から多摩川を見下ろす。両岸に広葉樹がかぶさるように茂っている。晩秋ならば美しい紅葉が見られるに違いない。ここは「惣岳の荒」と呼ばれる渓谷だが、「荒」と思えないゆったりとした流れだった。

100919シダクラ沢出合橋を渡ってすぐに左の道を沢に下りるとそこがシダクラ沢の出合、入渓点だ。バス停から15分、奥多摩駅から25分、なんと言うアプローチの良さ!


100919シダクラ沢・シャワークライム4mの滝

身支度を整え、さっそく4mの滝に取り付く。今日、沢デビューの相棒は臆することなく全身を滝に打たれながら登ってゆく。ブラボー!今日は天気が良いが、朝からずぶ濡れになるのがいまいち気が進まないので、私は右から巻く…

100919シダクラ沢・取水口始めのうちは、取水口が出てきたり、川岸が石垣だったりして思いっきり人臭いが、やがて、小滝が連続する、明るい森の流れにかわる。


100919シダクラ沢・6m2段の滝

シダクラ沢最大の滝、2段6m。傾斜もゆるくホールドも豊富なので、コケのヌルヌルさえ注意すればどこからでも登れる。相棒は水をかぶりながら右の流れの中を、私は左の流れを、思い思いのルートを描く。

100919シダクラ沢・6m2段の滝2

我々は涼やかなしぶきを浴びながら滝で遊ぶ。そしてそのしぶきの中では光が遊ぶ。

100919シダクラ沢・ハング滝

唯一、水線通しに登れなかった2mハング滝。ちっちゃい滝なんだけどね。

美しい森とコケの緑、そして生命の躍動があって、いかにも奥多摩の沢らしい。岩の上ではセキレイが尾をぴょこぴょこしてるし、石だと思えば物憂げにうずくまる蛙だったりする。頭上から小さな蛇まで降ってきた。

100919シダクラ沢・二俣標高750m、二俣。ここは傾斜が強く滝が見えている右へ行く。


100919シダクラ沢・奥の4m滝

二俣から水流は細くなるものの小滝が続き、どんどん高度を上げてゆく。広葉樹の明るい森の中で軽快に滝を登るのは最高の気分。

100919シダクラ沢・木の実なんだか分からないけど、クルミみたいな木の実もいっぱい落ちている。豊かな森の実り。写真上のほうに写っている木の実はナマコみたいで気持悪い…


100919シダクラ沢・奥の二俣二俣からほどなくして奥の二俣に出る。目印は正面にそびえる、巨艦の船尾の形をした大岩。ここで完全に水流がなくなる。グズグズの崩れやすい左のルンゼを行く。踏み跡は明瞭。


100919シダクラ沢・詰め

踏み跡は右の小尾根に上がっていく。1128からの尾根とは反対方向だが、すぐに1128の尾根に合流する。そして藪のないぶなの林をなだらかに大ブナ尾根に向けて登ってゆく。本当に気持のいいところだ…しかし、沢の水がなくなったとたんに暑くなってきた。とりあえず森の中で靴を履き替え、のんびり休憩した。

100919大ブナ尾根登山道苦もなく大ブナ尾根の道に出た、いや、苦はある。暑い!暑い!!。広葉樹の巨木の木陰で日差しはさえぎられているが蒸し暑い。沢の中は楽園だったが、このハイキングコースは苦行だ。
山ガールも交え、多くのハイカーが御前山を目指して立派な登山道を登ってゆく。苦行僧か…。


100919御前山何の花?この尾根は木が立派だが花も多い。イラ草かと思ったが薄紫の可憐な花が咲いていた。なんだろう?


100919御前山山頂苦行僧、いや、ハイカーで賑わう御前山山頂。都民の森として有名な山だが、展望はあまりない。


100919御前山鳥兜御前山をすぎると急に人が少なくなる。ほとんど栃寄の大滝のほうに下りてしまうようだ。我々は鋸尾根を目指す。この先道も悪くなって、木の階段が壊れたままのツルツルすべる赤土の斜面になったりする。でもかえって静かでよろしい。
鳥兜もひっそりと咲いている。


100919大ダワ人気のない道をリンリンと熊鈴を鳴り響かせてひたすら下ると、突然車道にでた。大ダワだ。太陽電池パネルのある避難小屋兼トイレがある。車道を真っ直ぐ横切り、鋸尾根に続く登山道に入る。


100919鋸尾根道標鋸尾根で見た、「行き止まり」行きの道標。


100919鋸尾根鎖場

鋸尾根は名のごとく、長い真っ直ぐな尾根の上に、鋸の歯のようにポコポコと岩のピョコがある。そして鎖場も。鎖の横には滝から落ちる水のように、木の根が張っている。よく見れば上の木の根の一本が枝分かれし、互いに絡みつきこのようになっているようだ。すごい。鎖よりも役に立つ。ジャックと豆の木気分で木の根を伝って下りる。

100919鋸尾根ほととぎず

奥多摩の街が見えてくるころ薄暗い樹林に突入。道のわきにはビニール玩具のような異様な質感のホトトギスが咲いている。本当にこの道はいろいろな花があるなぁ。

100919鋸尾根きのこ

異様な質感と言えばこれ!マシュマロに見えなくもないけど、ドラゴンボールにもこんなんがでてきたような…

100919奥多摩玉翠荘無事、奥多摩の街に降り立ち、さっそくコンビニでコーラを買って飲み干し、奥多摩駅から近い温泉、もえぎの湯に向かう。が、40分待ち…待っていられるか!汗でべとべとの温泉難民になってしまった…。
すぐ横に、温泉旅館、玉翠荘の看板が。フロントになだれ込んで、入浴できるか聞いたところ少々待つとのこと。かまうもんか!助かった!
結局、2、3分まって、無事に温泉にありつくことができた。5人ほどでいっぱいになってしまうこじんまりとした浴室だがかえって静かで、のんびりと汗を流すことができた。


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