御前山へお気軽バリエーション~シダクラ沢
9/19 惣岳バス停~シダクラ沢~御前山~鋸尾根~奥多摩駅
思えば今シーズンは沢に行っていない。行きたいな~と思いつつも、このくそ暑いのに林道歩きは嫌だ。奥多摩のガイドブックをパラパラめくっていたら、なんとバス停から入渓点まで15分のお手軽沢があった。
その名は「シダクラ沢」。奥多摩のカタカナの名前の沢はしょぼい沢が多いが、ここもゴルジュや大きな滝はないらしい。でも、都民の森の御前山へハイキングだと思って登れば、楽しい一日が過ごせるに違いない。

多摩川を渡るシダクラ橋は見つかるかな~、などと谷をのぞき込みつつ歩くこと1分、間違えようのない鉄製の立派な吊橋シダクラ橋に到着。なんでこんなに立派なんだろう。
シダクラ橋から多摩川を見下ろす。両岸に広葉樹がかぶさるように茂っている。晩秋ならば美しい紅葉が見られるに違いない。ここは「惣岳の荒」と呼ばれる渓谷だが、「荒」と思えないゆったりとした流れだった。

身支度を整え、さっそく4mの滝に取り付く。今日、沢デビューの相棒は臆することなく全身を滝に打たれながら登ってゆく。ブラボー!今日は天気が良いが、朝からずぶ濡れになるのがいまいち気が進まないので、私は右から巻く…

シダクラ沢最大の滝、2段6m。傾斜もゆるくホールドも豊富なので、コケのヌルヌルさえ注意すればどこからでも登れる。相棒は水をかぶりながら右の流れの中を、私は左の流れを、思い思いのルートを描く。
我々は涼やかなしぶきを浴びながら滝で遊ぶ。そしてそのしぶきの中では光が遊ぶ。
唯一、水線通しに登れなかった2mハング滝。ちっちゃい滝なんだけどね。
美しい森とコケの緑、そして生命の躍動があって、いかにも奥多摩の沢らしい。岩の上ではセキレイが尾をぴょこぴょこしてるし、石だと思えば物憂げにうずくまる蛙だったりする。頭上から小さな蛇まで降ってきた。

二俣から水流は細くなるものの小滝が続き、どんどん高度を上げてゆく。広葉樹の明るい森の中で軽快に滝を登るのは最高の気分。


踏み跡は右の小尾根に上がっていく。1128からの尾根とは反対方向だが、すぐに1128の尾根に合流する。そして藪のないぶなの林をなだらかに大ブナ尾根に向けて登ってゆく。本当に気持のいいところだ…しかし、沢の水がなくなったとたんに暑くなってきた。とりあえず森の中で靴を履き替え、のんびり休憩した。

山ガールも交え、多くのハイカーが御前山を目指して立派な登山道を登ってゆく。苦行僧か…。



鳥兜もひっそりと咲いている。


鋸尾根は名のごとく、長い真っ直ぐな尾根の上に、鋸の歯のようにポコポコと岩のピョコがある。そして鎖場も。鎖の横には滝から落ちる水のように、木の根が張っている。よく見れば上の木の根の一本が枝分かれし、互いに絡みつきこのようになっているようだ。すごい。鎖よりも役に立つ。ジャックと豆の木気分で木の根を伝って下りる。
奥多摩の街が見えてくるころ薄暗い樹林に突入。道のわきにはビニール玩具のような異様な質感のホトトギスが咲いている。本当にこの道はいろいろな花があるなぁ。
異様な質感と言えばこれ!マシュマロに見えなくもないけど、ドラゴンボールにもこんなんがでてきたような…

すぐ横に、温泉旅館、玉翠荘の看板が。フロントになだれ込んで、入浴できるか聞いたところ少々待つとのこと。かまうもんか!助かった!
結局、2、3分まって、無事に温泉にありつくことができた。5人ほどでいっぱいになってしまうこじんまりとした浴室だがかえって静かで、のんびりと汗を流すことができた。
赤星山もおといこさんも地元で親しまれている山のようですね。調べてみたら行ってみた…