溝。下部フランケ~北岳バットレス(3)


7/18 お池小屋~五尾根支稜~下部フランケ~四尾根~北岳山頂~お池小屋

前回の続き)

100718バットレス五尾根支稜取り付きまずは五尾根支稜下部に取り付く。準備運動にちょうどいい。

「行ってきます!」


100718バットレス飛行機雲

「いってらっしゃい!」

100718バットレス下部フランケを登る先行者

取り付きから2ピッチで5尾根支稜を登り切り、dガリー側からゆるい溝を巻いて登ると、草原のようなテラスにでる。そこを今日の下部フランケの1ピッチ目のスタートとする。

先行者はすでに2ピッチ目に取り付いているが、セカンドがゴボウで登っている。そんなに難しいのか…う~ん。私は岩が苦手なヘナチョコ・クライマーなのでかなり不安になる。

待っている間にもひっきりなしに落石がおこる。「ラーク!」の声で皆、一斉に岩に張り付く。しかし、恐ろしいのは音もなく飛んでくる奴だ。何の前触れもなく突然頭上から「ブルブルーン」とカブト虫の羽音のような音を立てて、耳元をかすめてゆく。小石なのでよっぽど当たり所が悪くない限り大丈夫だと思うが、気持悪い。

100718バットレス下部フランケ1P目の草つきバンド

我々の1ピッチ目スタート。もちろん怖気づいたヘナチョコ・クライマーはリードを人に譲る…。草つきバンドから直登するとA0のスラブ、いったん右へトラバースして登り、左にトラバースするとフリーらしい。トップは後者のルートへ。しかし、傾斜はそれほどではないが、ツルツルのフェイスでかなりホールドを探しあぐねているようだ。

トップは男らしく無言で登りきった。しかし、私は無言では登れない。だって、ツルツルの岩で手も足もホールドが無いし。本当にだましだまし登りきった。

100718バットレス下部フランケ1P目のフェイスのトラバーストップの待つ座布団一枚ほどの大きさのテラスにたどりつき、後を振り返る。

こんなところをトラバースした。冷や汗たらたらだ(トップはえらい)。確保されているとは言え、落ちたら大きく振られてしまう。


100718バットレス下部フランケ2P目

2ピッチ目。垂直の凹角。途中ハング。そのハングが核心だが、ちょうどいいところにシュリンゲが残置されている。ありがたく使わせて頂き難なく越える。

100718バットレス下部フランケ3P目

3ピッチ目。やっぱり凹角。ホールドに乏しく左右に突っ張り、体を岩に押し付け、ずりずりと這い上がる。どんずまりを左に抜けるがホールドがない。腰くらいの高さにあるホールドにつま先をかけ、片足スクワットの要領で強引に上がる。

100718バットレス下部フランケ4P目

4ピッチ目。またもや凹角。なぜか水が流れている。滑る。無理やりフットジャムを決め、体を岩に押し付けずり上がる。すぐにチョックストーンにぶつかり左に上がる。が、上がった岩は滑り台みたいに上に続いている。むむ。手は足元のクラックにアンダークリング、足はスメアリング。ゴリラみたいなかっこで登る。

100718バットレス下部フランケ4P目のあとのテラス

やった~、凹角地帯(溝)を抜けた。しっかり立てるのは片足だけの狭いテラスで一休み。遥か下の雪渓を四足の獣達が歩いていくのが見えた。鳥の声、風の音、遠くかすかにコールの声、そしてときには自然に岩壁が崩壊する大音響。

100718バットレス下部フランケ5P目

上部フランケに至るフェイスみたいなバンドは左に続いているが、ここは右へ登って第四尾根主稜に抜ける。斜度はゆるく簡単そうに見えたが、岩角は丸く、すべて逆層。ホールドも細かい。おまけに主稜にトラバースするバンドはもろい。でも私はセカンドなので思い切って行く。

100718バットレス四尾根主稜のピラミッドフェースの頭

2時過ぎ、第四尾根主稜、ピラミッドフェースの頭の下に出た。ここは広くて斜度もゆるい。両足でしっかり立てる。両足で立てるってなんてすばらしいんだ。

ザックを置いて行動食の羊羹を食べ水を飲む。暑かったの水も少なくなってきた。でもここからは歩いて登れると聞いているので、すぐに上がれるだろう。それにしても四尾根は人が多いな…

次回に続く)

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