灼熱の雪山~五竜岳(3)
5/5 西遠見山~五竜山荘~五竜岳~西遠見岳~五竜とみおスキー場
(前回からの続き)
風がなく気温も高いのでもやがかかっているが、思いのほか遠くの山まで見える。近くには鹿島槍ヶ岳から剣岳、白馬三山、遠くには槍ヶ岳や薬師、僧ヶ岳など、北アの主だった山がすべて見えた。
遅れてきたメンバーが雪庇を越えて上がってきた。ここから見ると今にも落ちそうだな。
五竜岳の山頂からは鹿島槍北壁は見えにくい。しかし、北峰に隠れていた南峰があらわれる。まるで猫の耳のような形だ。
下山開始。来たルートを戻る。頂上直下の雪壁をルンゼに吸い込まれるように下る。グサグサの融けかけた雪を蹴散らしながら下るが、アイゼンにどんどん雪団子がつく。滑るのが怖いので2、3歩ごとにピッケルでたたき落としながら歩く。暑いからな~、あ~、コーラが飲みたい。
トラバース帯に突入。来たときよりさらに気温が上がって、雪がグシャグシャしている。踏むと崩れる、おまけにアイゼンには雪団子、場所によっては雪面にいく筋もの亀裂が…。トレースが切り取り線になって、ざっくり雪面がずり落ちないか冷や冷やする。
最後の難所G1G0を通過中。雪がないといっそう暑い。
難所をすべてこなして安全地帯に到着。奥に五竜岳、そして手前の斜面にトレースが見える。あんなところを歩いていたんだね。緊張が解け、もう頭の中はコーラでいっぱい。小屋にコーラ売ってるかな~。
コーラを飲んで元気百倍になったところで下山にかかる。白岳上部には雪庇が残り、しかも、露岩も混じっていて、おまけに、ここからでも数箇所雪面が割れているのが見える。この気温だと雪崩&落石の危険があるので、ヘルメットをしたまま、数十メートルの間隔をあけて、思い切りカールの中を駆け下る。駆け下るよりスキーで滑ったら気持ちいいだろうな…
中遠見手前のコルまで来れば一安心。このあとデポしておいたテントを回収して、冷たい水をガバガバ飲んで出発。午後から雲が出ると予想していたが、お昼になってもドピーカン。暑くて汗が止まらないので、意を決して上半身はヒートテックの下着一枚だけになった。スースーして気持いい。
左手に雪の塊を持って、それをかじりながら、あち~、あち~、言いながら歩く。暑いのが嫌いだから雪山に来ているのに、何でこんなに暑いのか。25度以上ある。またコーラが飲みたくなってきた。
中遠見の山頂には雪がなかった。それでザックを地面に下ろして休憩。雪の上にザックを置くと、雪が融けてあっという間にべちょべちょに濡れる。
小遠見を越えれば終わりは近い。標高1800mくらいだが、まだ分厚い雪庇が残っている。雪の多さは遠見尾根の特徴だろう。さらにこの尾根の特徴がもう一つ。展望だ。屏風のような五竜岳から白馬岳の眺めがとてもいい。
自分が上半身は下着一枚なのをすっかり忘れて、レストハウスに入ってアイスコーヒーとコーラを一気に飲み干した。
十郎の湯。普通の単純泉。取り立てて特徴は無い。が、半露天風呂にあるベンチがサイコー。建物の構造のせいか、正面から風が吹き付けてくる。座っているとほてった体からサッと汗が引き、とても気持いい。
赤星山もおといこさんも地元で親しまれている山のようですね。調べてみたら行ってみた…