世界は闇に包まれた~屋久島日食紀行(5)

7/22 屋久島・平内、湯泊(日食観測)

前回の続き)

090722テント場ついに待ちに待ったその日がやって来た。今日の10時56分に太陽が月に隠される。皆既日食だ。

だが、朝起きてみると…空は…おまけに雨まで…昨日まで晴れ間も見えていたのに。
この事態を打破するにはどうしたらいいんだ~、うお~!

・・・ただ待つしかない。


090722湯泊港部分日食の時間になっても、テントでぼんやりと雨を眺めていた。

雨も小降りになってきたので、皆既日食の30分前に、見晴らしのよい湯泊港に行く。防波堤には高波が打ちつけ、ゴウゴウと風が吹き付ける。山の斜面には灰色の雲が次々と湧き上がっている。

日食を見るにはちょっと天気が悪い、というか、普段ならこの状態を「」という。


090722防波堤の人々皆既の時間が近づくにつれて、防波堤に人が集まってくる。なぜか外人が多い。

みな東の方角を向いている。だが、そちらに太陽があるわけではない。
厚い雲に遮られ、太陽がどこにあるかわからない。ただ、東から強風が吹き付けるので、よろけないように風上に向かって踏ん張っているのだ…


090722皆既日食の闇に包まれる
共通データ:シャッター速度 1/13、絞り F5.6

しばらくは、単なる悪天の薄暗さだったが、皆既5分前くらいから急速に暗くなり始める。早送りで日が暮れてゆくみたいだ。露出を固定した写真を見れば一目瞭然。
暗くなるにつれて、街灯がポツポツと点灯していった。

10時56分、皆既日食!(のはず…)完全に真っ暗ではないが、「闇」と呼べるほどの暗闇に閉ざされる。
暗くなると同時に、堤防の上の人々が「お~っ」と歓声をあげる。太陽がどこにあるかわからないけど…ハイテンションな外国人が踊る。でも風雨の勢いには負ける…

太陽が見えないので、しかたなくあたりをキョロキョロしているうちに、世界は急速に光を取り戻した。4分はあっという間だ。

イベントが終わってしまったので、テントに戻る。部分日食終了10分前に、やっと、かろうじて、雲を通してわずかに欠けた太陽を見ることができた。

そしてすぐにまた豪雨。今日はこのまま温泉にも行けずに一日が終わった。
昨日、山の頂上で見ると言っていた人々はどうなっただろうか…

次回に続く)

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