屋久杉三昧~屋久島日食紀行(4)

7/21 屋久島・ヤクスギランド

前回の続き)

屋久島と言えば屋久杉。屋久杉といえば縄文杉だろう。
でも縄文杉への道は、蟻の行列のように人が列をなしているらしい。屋久島まで来て人ごみはいやだ。
そこで、いろんな屋久杉が見られるヤクスギランドに行くことにした。

090721屋久杉ランドへ朝食を急いで食べてバスに乗る。牧野で乗り換えたヤクスギランド行きのバスは、苦しそうに唸りながら深い森の合間の急な道を登ってゆく。始めは広かった道も、すれ違うことができないほど細くなり、おまけに山襞に沿って蛇行するので、バスがゆれるゆれる。


090721屋久杉ランド入ってすぐヤクスギランドのバス停で下りると、すぐヤクスギランドの入り口がある。協力金300円払って園内に入る。標高1000mのうっそうとした森の道は、空気がひんやり冷たく、さっきまでの海辺の暑さを忘れる。


090721屋久杉ランド苔湿潤な森には苔むした木がつきもの。


090721屋久杉ランド吊橋

道はなんどか渓流を横切り、そのたびに吊橋を渡る。しっかりした吊橋であまりゆれない。

090721屋久杉ランド川原吊橋から下を見ると巨岩とスラブの沢が見える。澄んだ水が勢い良く流れている。小さな滝も随所に見える。ちょっと登ってみたいな…


090721屋久杉ランド杉

「ヤクスギランド」…なんか名前が安っぽい。破綻寸前のアミューズメント・パークみたいだ。でも、行けばそのイメージは打ち壊される。巨木が林立し、苔に覆われた、もののけ姫が出てきそうな森だ。屋久杉ばかりではなく、栂などのありえないほどの巨木が随所にある。

090721屋久杉ランド道標ヤクスギランドには4つの遊歩道がある。所要時間に応じて30分コース、50分コース、80分コース、150分コースと名付けらている。時間や体力に応じて子供からお年寄りまで楽しめる。私はもちろん150分コース。


090721屋久杉ランド倒木

時々屋久杉の倒木に出会う。道の部分だけ切り取られていたり、階段がつけられていたり、道の一部になっている。自然に倒れたものもあるようだが、伐採されて放置されたものもある。


090721屋久杉ランド木の葉日が差していたかと思えば、強い雨が降り、そしてたちまちガスに覆われる。ここの天気はめまぐるしく変わる。雨が降ったあと、木々の間から日が差し込む森は、鮮やかな濡れた緑に水滴が輝きとても美しい。


090721屋久杉ランド階段雨に濡れた木の階段は滑りそうでちょっと怖い。でも滑らない。これも屋久杉のご利益?


090721屋久杉ランド母子杉

樹齢2600年(推定)の母子杉。この森は江戸時代に杉の巨木はほとんど伐採され、その後育った杉がメインらしい。でも所々に樹齢1000年を超える堂々とした杉が残っている。

090721屋久杉ランド岩の芽生え

橋の横から川原に下りた。川原の石の上には小さな若木が芽吹いていた。このまま平穏に何百年もたてば、この芽は岩を根の下にしっかりと抱えた大木に育つのだろう。

遊歩道をめぐり終われば気分すっきり。ヤクスギランド、名前は変だが侮り難し。

でもこの後がいけない。帰りのバスは、駐車場のおじさんが「こんなに乗れるのか~」と言うほどの人でギュウギュウになった。通勤時間帯の田園都市線のようなバスに無理やり乗ったが、つかまるところがない。天井の微妙な溝に、フリークライミングの要領で指先をかろうじてフックし、なんとかバスの揺れに耐えながら山を下った。

せっかくの森林浴がバスで台無しになったので、また湯泊温泉に行き、ふやけるまでお湯につかった。

次回に続く)

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