暴風の中、チレーノへ~チリの旅(12)

11/18 ロス・クエルノス~チレーノ~トレース・デル・パイネ(往復)

前回の続き)

テントの中で一晩中、何かの叫び声のような風音と、テントにパラパラと打ち付ける雨の音を聞いていた。

171118ロス・クエルノスの虹

目が覚めて、テントから頭を出すと、そこには大きな虹が見えていた。
カメラを持って外に飛び出す。
旅先では必ずと言っていいほど虹を見るのだが、今日の虹は色も濃く、二重に見えていて特に立派だ。

あの虹の付け根はどうなっているのだろう?
小雨の中、湖岸へ駆け下りて行った。

171118虹の付け根

虹の末端は薄くなって、湖面に消えていた。
坂を登り、キャンプ場に戻る。

171118朝のノルデンフェールド湖

湖からは水蒸気か靄が立っているように見える。しかし、これは、水蒸気ではなくて雨だ。
強い雨がとても狭い範囲に降っていて、それが水蒸気のように見える。

171118ロス・クエルノスの朝食

小屋で朝食。パンに卵にコーヒー。

171118ロス・クエルノスの朝食風景

近くに座った初対面の人と話をしながら食事。
だいたい、どこからどこへ行くのか、という話題になる。しかし、私の場合、ここでも必ず、日本からここまでどれくらい時間がかかったか聞かれる。

ランチボックスを受け取り、台所で水をもらって出発に備える。

171118チレーノへの道は風と雨

八時半に小屋を出る。
出発した時は、パラパラと雨が降っているだけだったが、すぐに真っすぐに立っていられないほどの風と、前を向いていられないほどの激しい雨となる。つらい…さすがパタゴニア。
湖にも海のように波が立っていた。

雨は、時々雪に変わり、吹雪となる。手がかじかむ…つらい。
鼻水がとまらなくなってきた。
チリ紙を出したら一瞬でびちゃびちゃになってしまうだろう。私の知り合いで、チリ紙を使わずにうまく鼻をかむ人がいる。まねてみようかと思ったが、失敗すると大惨事になるのでやめた。

鼻をすすりながら、風にあおられ、よろよろ歩く。

171118 百合の花

暴風雨の中、百合(たぶん)が咲いていた。
揺れないように茎をしっかり手でつかみ、写真を撮る。

171118人の道と馬の道

トレッキングルートとホースライディングのルートが並行して走っている。

171118つり橋をわたる

こんなところは特に風が強い。ゴウゴウという風の轟と、ゴアアマのフードがバタバタいう音しか聞こえない。

171118 赤い花のところで休憩

赤い花がいっぱい咲いている。
この木の陰に潜り込むようにして、風を避けながら一休み。

171118 渡渉ポイント

橋のない沢を渡る。
こんな道標で風に飛ばされないのかな、と思いつつ渡る。

171118 チレーノへ向かう台地

道は湖をはなれ、台地を登ってゆく。沼地のようになった道を泥と格闘しながら進んでいくと、突然、雨が止み晴れ間が出てきた。
腰を落ち着けてランチとしよう。
ランチボックスには、チキンサンド、りんご(持ってきたのと合わせて4つになってしまった…重い)、チョコバー、袋入りのナッツ(これもふた袋になってしまった…)が入っていた。

171118台地を進む

台地の上をチレーノのあるアスセンシオ川に向かって歩いてゆく。広々として気持ちのいい所だ。遠くには、前回テント泊したラス・トーレスが見える(パイネ国立公園へ)。

道に泥の塊がたくさん落ちている。なんだろう、とよく見てみると馬糞だった。

171118赤いマフラーをした鳥

赤いマフラーをした鳥。しきりに穴の中を突っついている。

171118アスセンシオ川の谷

アスセンシオ川の谷に入る。ザラザラの斜面につけられた道、この先にチレーノの小屋がある。そしてそのさらに先には、今回の旅のメインイベント、8年越しのリベンジ、トレース・デル・パイネがある。
しかし、山々は雲に覆われている。谷の奥まで天気は回復していないようだ。

171118チレーノの小屋

チレーノの小屋がなかなか見えてこないと思ったら、あんな谷底にあった。
ずるずるとザレた道を下ってゆく。

次回に続く)

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