プエルト・ナタレスでリベンジのはずが・・・~チリの旅(9)
11/16 サンティアゴ~プエルト・ナタレス
(前回の続き)
午前2時半起床。3時にチェックアウト。送迎バスで空港へ向かう。
外は真っ暗。私は眠い。
昨日は賑やかだった空港もこの時間はさすがに静かだ。
とりあえずチェックインする。
腹が減った。売店は開いているが、マックは開いていない。
とりあえず水を飲んで腹を満たし、飛行機に乗る。
5時14分、定刻通り機体はパタゴニアのプンタ・アレナスを目指して離陸する。
今日は、プンタ・アレナスでバスに乗り換え、パイネ国立公園のトレッキングのベースの街、プエルト・ナタレスへ行く。
アンデス山脈を眼下に南下する。アンデスの山の景色を楽しみにしていたが、雲があってよく見えなかった。
仕方ないので寝ようかと思ったが、腹が減って眠ることもできない。
目的地のプンタ・アレナスはサンティアゴから遠く離れた、南米大陸のほぼ南端にある。と言ってもチリ国内だ。
ところがチリは国内の航空券が高い。サンティアゴ~プンタ・アレナスの航空券が7万円くらいする。
時間があるならば、サンティアゴから、空路でアルゼンチンのブエノスアイレス、そしてブエノスアイレスからエル・カラファテまで行き、ここで一泊して、翌日、私がかつてたどったように(国境を越えてプエルト・ナタレスへ)、バスでプエルト・ナタレスに行くほうが、宿泊費を考えても安い。
10時、定刻にプンタ・アレナスの空港に到着。
まずは飯だ。
カフェで「アボガド・イタリアーノ」というサンドイッチを注文する。
カリカリに焼いたパンに、焼き肉のような牛肉とアボガドパテをこってり盛ったバーガーがでてきた。日本ならこれをサンドイッチとは呼ばないだろうな。
食べようとするとアボガドパテぶにゅっと出てきて、ほぼアボガドの味しかしない。アボガドが嫌いじゃなくてよかった。でもなぜこれがイタリアーノなんだろう?
ここからプエルト・ナタレス行のバスに乗る。チケットはネットで予約してある。
前回チリに来た時には、外国人はネットでチケットが買えず、かなり苦労したのだが(例えば、サルタ到着、大ピンチ!)、現在では外国人でもバスチケットがネットで買えるようになっている(例えば、Bus Sur)。
空港のロビーでキョロキョロしたが肝心のバス停がない。聞けば、空港の端っこで待っていろとのこと。
10分待っても来ない。20分待っても来ない…。やばい、最初にちらっと見かけたバスがそれだったのかな…。あせる。
しかし、ここは南米、25分遅れてきた。
バスに乗って一安心。
外は冷たい小雨が降りしきる。昨日までのサンティアゴの35度が嘘のようだ。
寒すぎる。
14時頃、プエルト・ナタレスのバスターミナルに到着。
前回来た時(国境を越えてプエルト・ナタレスへ)は、バスターミナルが存在しなかったが、バスが5、6台停まれそうな立派なターミナルができていた。
旅の後半でプエルト・ナタレスからフェリーに乗る予定なのだが、予約はネットでできたものの、カードでの支払いがどうしてもできなかった。そこで、このバスターミナルにあるフェリーの窓口で現金で支払うことになっている。が、閉まっている。今は昼休みで15時から再開ということらしい。
腹が減った。とりあえず街に出よう。
激しい雨。そしてパタゴニアの強く冷たい風。寒すぎる。ゴアアマを着る。ここは南米の南端に近い南緯51度。11月はまだ冬のようだ。
ターミナルから10分ほど歩いて、Hostal Alcazarに到着。チェックイン。
スタッフが親切で、部屋もこぎれいな良い宿だ。
まずは洗濯だ。本当に今回の旅は洗濯ローテーションに悩まされる。
ターミナルに戻り、フェリーの代金を払う。
スケジュールの説明を受ける。
え?なんだって??出発の前日の夜に乗船しろ?そんなことホームページには書いてなかったよ~。
念のため、もう一度聞きなおすが間違いないらしい。
やばい、計画を変更せねば。
まあいいや、とりあえずメシだ。
おぼろげな記憶を頼りに店を探す。
ちょっと迷ったが、”MARITIOMO”を見つけることができた。ここのシーフードパスタがうまかった記憶がある。
メニューが変わっていて、当時のシーフードパスタはなかったが、それらしいものがあった。インフレのせいか、ちょっと具がこぶりになっていたが、やっぱりうまかった。
街の中心、といってもほぼマヌエル・ブルネス通りのことなのだが、そこのスーパーやアウトドアショップで、明日からのパイネトレッキングに備えて買い出しをする。
宿に戻って買いだしたものを広げる。
赤ワインははずせない。
海外でのトレッキングでは、食物繊維たっぷりで満腹感もある、リンゴもはずせない。
プエルト・ナタレスにやってきたのは、パイネトレッキングのためだ。
前回(国境を越えてプエルト・ナタレスへ)来た時には、風邪をひいて高熱にうなされ、トレッキングをしに来たはずが、安宿の部屋でほとんど寝て過ごしたという苦く悔しい思い出が残った。
今回は、そのリベンジだ。
さて、何回も言うが、今回の旅はほとんど準備をする時間がなかった。足と宿をなんとか予約してそれだけで来た感じだ。
トレッキングの下調べも前回手に入れたガイドをサラッと読んだだけだ。ちょっとネットで確認しておくか…。
えっ?
ええっ??
え~!!
なんと、去年から山小屋もテントサイトも予約が必要になったらしい。知らなかった…。前は勝手にテントを張れたのに。
慌てて予約サイトをチェックする。サイト場によって2社に分かれていてややこしい。
FANTÁSTICO SUR
Vertice Pagagonia
空いていない…ほとんど空きがない。そりゃそうだ、明日だもん。
もうコースもへったくれもない。とりあえず空いている場所を見つける。
なんだUS130ドルって。ホテルか。一体なんでこんなに高いんだ。まあいいや、この際金には目をつむろう。
ロス・クエルノスとチレーノの2か所だけ予約できた。3泊の予定が2泊か…仕方ないな。
さて、コースを考えよう。
パイネ国立公園の見どころをつなぐ”W”というルートを行くつもりだったが、2泊では厳しい。
サイト場の位置を考えると、”W”からフランセス谷を除いた逆”L”が妥当か。
はあ、終わった、疲れた。
時計を見るともう9時だ。晩御飯を食べに行こう。そうだ、その前に宿の予約も変えなきゃ…
思い切り、肉を食おう。
まず、ピスコサワーをキューっとやる。うーっ、沁みる。
そして、薪で焼いた分厚い牛肉。薪の香りがよし、そして噛めば噛むほど味が出る。じっくりと噛む。
うまい。
でもポテト盛りすぎ。
ワインもやっていい気分で宿に戻る。
長い一日だった。あとはシャワーを浴びて寝るだけだ。
と、シャワーからお湯が出ない。精一杯頑張って、あったかい水だ。
なかなかすんなりと行かない一日だった。
(次回に続く)
赤星山もおといこさんも地元で親しまれている山のようですね。調べてみたら行ってみた…