鏑木毅・「トレイルランニング」~すべてが詰まった1冊。


根っからの山ヤの私から見ると、ランニング姿で、背中にやたらと小さいザックを張り付けて、よろよろと急斜面を登るトレイルランナーは不思議な存在だった。

疲れるなら歩けばいいのに…
あの小さいザックには何が入っているのだろう?
ビバーグの装備がなくて、途中でケガしたらどうするんだろう?

そもそも、なんで山を走るの?

そんな疑問を抱きつつ、手に取った一冊。

「トレイルランニング」鏑木毅著・枻出版社

著者は、日本を代表するトレイルランナー、鏑木毅さん。鏑木さんのレースの様子は、NHKの「激走モンブラン」や「神の領域を走る パタゴニア極限レース」で放送されたので、トレランをやっていなくても、鏑木さんは知っている人も多いようだ。

副題に「世界トップランナー 鏑木毅の全ノウハウを一冊に凝縮」とあるように、この本には、トレランの楽しみ方から、走り方、装備、トレーニング方法まで、トレランを始めるのに必要な知識全てが、写真を交えわかりやすく解説されている。

朝焼けのトレイルを駆ける鏑木さんの写真を見て、そして、鏑木さんの独特のソフトな語り口でトレランの楽しみを説く文章を読むと、なんとなく、山を走ることも山の一つの楽しみ方なんだ、と思えてくる。

個人的には、トレーニングの方法がとても参考になった。
本書でもクロストレーニング(コンバイントレーニングと書かれている)を重要視していて、山を走るための様々なトレーニングを、一週間のなかでどのようなスケジュールですればいいか詳細に説明されている。
普通の登山であろうがトレランであろうが、山登りであることには違いないので、ここで紹介されたトレーニング方法は、普通の登山にも応用可能だろう。

そして、終章の「鏑木毅 ショートストーリー トレイルランニングへの思い」は、泣ける。
そして人生の意義を考えさせてくれる。
山をやらない周囲の人にも無理やり読ませてしまった。

ちょっと古い本であるが(レースリストが現状にそぐわない等)、何度読んでも新しい発見がある良書だ。

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