ルートバーン・トラックへ~ニュージーランド、ルートバーン・トラック(4)

11/21 クイーンズタウン~ザ・デバイド~マッケンジー湖小屋

前回の続き)

ルートバーン・トラック(Routeburn Track)は、原始の森や氷河に形作られた荒々しい山岳景観に恵まれた全長32Kmのトレッキングルート。NZを代表する9のGreat Walksのうちの1つであり、Lonely planetが選んだ”The 10 best treks in the world“の1つでもある、まさに世界を代表するトレッキングルートだ。

DOCのサイトには、ルートバーン・シェルターから西回りにザ・デバイドにぬけるコースが紹介されているが、私は、サイト場の予約状況の関係で、逆回りのコースとした。

151121クイーンズタウンのコンビニ

昨晩はかなり激しい雨音がしていたが、なんとかやんだようだ。5時半に宿をでて、コンビニでパニーニやラムサンド、オレンジジュースを朝食に買う。

風があって肌寒い。日本で準備をしているときにウエアをどうするか迷ったが、冬用のズボンとフリースで正解だった。

151121クイーンズタウン、山は雪

6時45分、クイーンズタウン出発。

今日、明日の天気予報は雨時々曇り。予報どおり空は鉛色の雲に覆われ、山には新雪。雪か…普通のトレッキング装備で大丈夫かな…。
途中、バスドライバーが、なにやらアナウンスしているがもごもごして、よく聞き取れない。マイクや電話の音声は苦手だ。

151121テアナウ

途中、テアナウで休憩。ここも湖畔の静かで美しい街だ。昔のクイーンズタウンを思い出させる。
ケプラートラックの登山口でもある。

151121ザ・デバイド、ルートバーン・トラックの登山口

車窓の景色は牧場から森へと移り変わる。天気はますます悪くなる。

ボケーっとしていたら乗り過ごしてしまった。あわててドライバーにバスを停めてもらってバスを下りる。下りるときに、乗客の皆さんにごめんなさいを言ったら、いいのよ、楽しんできてね、と口々に声援を戴いた。

11時30分、ルートバーン・トラックの登山口、ザ・デバイドに到着。

151121ルートバーン・トラック登山口

ジャバジャバ雨が降っている。
おい、大丈夫かよ、ってくらい降っている。日本の山なら即中止なくらい降っている。

雨具を着こんでスパッツをつけ、帽子をかぶって、意を決して出発。
NZのトレッキングではおなじみのDOCの道標に迎えられて入山。

151121ルートバーントラック、深い樹林

森に入ってしまうと、うっそうとした木々に遮られ、雨も風も弱くなりひと安心。砂利の敷き詰められた道も、遊歩道のようでとても歩きやすい。全体的に道は極めてよく整備され、樹林帯では砂利が敷かれていることが多く、路肩が弱いところや滑りやすいところはコンクリで固められている。

日本では見かけないほどの、シダとコケと地衣類に覆われた森は、雨が降っていてもなぜかワクワクさせてくれる。

151121ルートバーントラック、道沿いに沢や滝が多い

ルートはほとんど、山腹をトラバースするようにつけられている。たぶん、稜線は岩稜や氷河なので、一般的な登山は不可能だからだ。そして、そのトラバースの道は、多くの沢や滝を横切る。

151121ルートバーントラック、何の木?

NZに限らず、南半球の植生は日本と全然違う。見たこともない木が多く、東京より高緯度なのに小笠原にあるような巨大シダが茂っている。

ハウデン湖小屋への途中、キーサミットへの分岐がある。キーサミットは岩と雪の山々に囲まれた展望台で、ロード・オブ・ザ・リングのロケも行われたところだ。
分岐から往復30分。ひどい天気だがどうしようか…。

151121ルートバーントラック、キーサミット

迷ったあげく、とりあえずキーサミットに来た。予想どおりそこは白い世界。
樹林と違って、ここは雨交じりの冷たい風が吹き付ける。薄手の手袋をしている指先がジンジンする。どんどん体温が奪われてゆく。早々に退散。

次回に続く)

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