大白森は大きかった~三ツ石山、乳頭山周回縦走(3)

9/21 八瀬森山荘~大白森~田代岱山荘

前回の続き)

4時に起床し、昨晩炊いておいたご飯で作った雑炊をかっ込んで、出発の準備をする。
 びちゃびちゃだった靴下は、人力乾燥機のおかげですっかり乾いた。が、靴を履いて紐をキュッと結ぶと、靴下がじんわりと濡れてきた…靴はぜんぜん乾いていない。

夜明け前の小屋はガスに包まれていた。冷たく強い風にガスが流され、時々その切れ間から星が瞬いていた。

大沢森付近の原生林

日が昇るにつれ、ガスは徐々に薄くなっていく。晴々とした原生林の道を行く。しかし、道を覆う笹の葉は夜露にぐっしょりと濡れ、笹を漕ぐ自分も全身がずぶ濡れだ。もちろん靴も。

両足の足の裏が痛いので、靴を脱いで足の裏を見る。なんと足の裏がふやけて、足の裏のしわの深さがいつもの倍くらいになっている。歩くとそれがつぶされて、しわの中が靴擦れになるのだ。
 この2年間、山も行かず長時間歩くこともなかった。それで角質化してガチガチだった足の裏が、まるで白馬にまたがった王子様の足の裏(?)のように、ふにゃふにゃのひ弱な足の裏になってしまっていた。う~ん、ひりひりして痛い。とりあえず、しわを思いっきり伸ばすようにテーピングテープを張る。

大白森1

深い森の中を緩やかに上り下りを繰返す。そして大白森山荘からひと登りで大白森に飛び出す。
 でかい。
 とてつもなく大きな湿原。湿原の真ん中を木道がまっすぐ伸びている。その先は地平線に消えている。
 前回来たときは、ガスで視界がなかったので、真っ白い中をひたすら木道だけを見て、黙々と歩いた記憶しかない。

大白森2

このだだっ広い湿原全体が山頂なので眺めもよい。岩手山から秋田駒までぐるりと見渡すことができる。こんなに開けた湿原は初めてだ。この開放感は尾瀬や平ヶ岳の比ではない。
 ザックをおろしてゆっくりと休む。靴を脱いで、濡れた靴下と足の裏をさわやかな秋風にあてて乾かす。日差しがホカホカして気持ちいい。

大白森からいったん下って登り返せば、すぐに小白森だ。小白森は、名前のごとく山上の(大白森より)小さな湿原。乾燥が進んでいるようで、湿地より潅木が多かった。

ホコリタケ

森の中はきのこが多い。数も多ければ種類も多い。きのこの知識があれば、つまみには不自由しないだろう。

花の蜜を集める蜂

湿原に咲いている花は少ない。冬篭りの準備だろうか、蜂が黙々と花の蜜を集めている。近づいても逃げる様子はない。

田代岱の池塘

大白森の山頂からゴルフ場のように見えていた、田代岱の湿原にやってきた。田代岱も大白森に負けぬ大きな湿原だが、こちらは全体的に傾斜があって、斜めの湿原や段々湿原?がある。

湿原の片隅に田代岱山荘がある。今宵の宿だ。
 水場は小屋の裏の湿原を横断し、藪を漕いで沢に下る。かなり面倒なので途中であきらめて引き返した。まだ水はあるので何とかなるだろう…。
 気を取り直して宴会を始める。つまみはどこだ、とザックの中を手探りで探し、ビニール袋を引っ張り出した。つまみじゃなくて、試験勉強のためのレジュメだった。暇をみて小屋で勉強しようと思って持ってきたのだが、宴会で忙しくて勉強なんぞする暇もない。

我々の宴会が終わるころにも、次々と小屋に人が到着し宴会を始める。1階も2階もほぼ満員。人気の小屋だ。

次回に続く)

2件のフィードバック

  1. No cat,no life より:

    惰性人さん、

    こんにちは。
    蒸し暑い日本へ~アイスランド&グリーンランド(26)にて、コメントをさせて頂いたんですけど、ご覧になられましたか?
    大変図々しく、お忙しいと思いますが、知恵を分けて頂けませんか?
    ありがとうございます。

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