沢デビューはシダクラ沢で~奥多摩・シダクラ沢

8/1  惣岳バス停~シダクラ沢~奥多摩湖

猛烈な暑さが続く今日この頃。
 国立競技場の建設費以前に、この灼熱の東京でオリンピックをやること自体が不安になる。

そしてこんな暑い日々、山に涼を求めるのなら、やっぱり沢登りでしょう!
 沢デビューの山ガール(以下、沢ガール)を連れて行くので、以前、やはり沢デビューの山仲間を連れて行った(沢デビューはシダクラ沢で~奥多摩・シダクラ沢)、奥多摩のシダクラ沢に行った。

シダクラ沢は、バス停から徒歩15分とアプローチがよく、大きな滝もなく、怖い高巻きもない、そして奥多摩の森が美しい、デビューにはまことによろしい沢だ。

シダクラ橋を渡る

シダクラ橋の手前で装備を整えて出発。
 沢ガールに沢デビューするにあたって、一番重要な沢靴は安いがしっかりしているもの(モンベルの沢シューズ)を買ってもらった。しかし、ウエアはユニクロ、ヘルメットは借り物と、装備はできるかぎり低予算で抑えた。
 ちなみに私のウエアは作業着、ヘルメットは同じものを15年くらい使っている...。低予算の極みである。

シダクラ沢遡行開始

いざ遡行開始。
 あー、涼しい。さっきまでの暑さがうそのよう。
 沢ガールも初めての沢床の感触に戸惑いながらも、冷たい流れを楽しみながらバシャバシャと歩いている。ただし、蛙を見つけるたびに大声をあげている。高感度蛙センサーを搭載しているらしい。

シダクラ沢2段6mの滝

だんだん沢に慣れてきて、クライミングの経験もないのに滝をモリモリ登る。まことに頼もしい。
 以前来たときは、ザイルを出すことなく、休むことなくサクサク登って、あっという間に沢抜けしてしまった。しかし、それは、その時の沢デビューの相棒は、沢は初めてでも、クライミングは私の数段上の腕前だったからだ。
 この2段6mの滝をはじめ、コケですべる滝があるので、本当の初心者には適宜ザイルを出す必要があるだろう。

シダクラ沢、二股を右に入る

二俣を右に入ると、沢が細くなり傾斜が増し、源流の趣となる。

シダクラ沢、焼肉

右俣の左岸の台地で大休止。
 なぜか焼肉が始まる。奥多摩の深い森の中、沢の水音を聞きながら、焼肉を堪能。
 なんて贅沢なんだ。

のんびり焼肉などしていたら、雲行きが怪しくなり、どこか遠くでゴロゴロ...
 あわてて撤収し、沢靴を脱いで尾根を登る。
 ここで、奥の二股の左俣の左岸の尾根にのらなければならないところ、慌てていてうっかりスマホのデタラメGPSにだまされ、右俣の左岸の尾根にのってしまった。すぐに気づいたが、戻るのも面倒なので尾根を詰めた。が、ここは戻るのが正解だった。
 正解の尾根は緩やかで、なんの苦労もなく道に出る。しかし、この尾根は、中間部の傾斜が急でちょっとざれていて、沢ガールは蟻地獄にはまった蟻のようにズリズリと滑り、かなり苦労している。道に出たときにはすっかり消耗しきっていた。(ルートを間違えてゴメンナサイ...)

道に出ると同時に、たたきつけるような激しい雨が降り始めた。
 気温も急に下がり、至るところで雷鳴がとどろき、木がしなるほどの強風が吹きつける。まるで北アの夕立のようだ。沢ガールは初めての沢登りに加え、初めての雷雲の中の山歩きを経験することとなった…。

奥多摩湖のバス停に着いたときには、全身ずぶ濡れで、靴の中もグショグショ。そして、あろうことか、ポケットに入れていた財布まで濡れていて、お札からは水が滴っていた。

なんというか、沢デビューには酷な一日だった。 
 列車に乗る前によった、もえぎの湯で、びしょびしょのお札でお金を払うのが恥ずかしかった…

(完)

 

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