ビヨンド・ザ・エッジ~エベレスト初登頂の物語

8月になり新宿駅ではザックを背負った登山者をよく見かける。

いいな~、俺も山に行きて~、 と思う一方、
 こんな暑いのにご苦労なことだ、とも思う。

こんな風に、私もだんだん一般人になりつつある今日この頃。
 忙しくて山に行けないので、夏山に行く代わりに、山の映画を観てきた。

「ビヨンド・ザ・エッジ 歴史を変えたエベレスト初登頂」(公式HP

1953年5月29日、人類が始めて世界最高峰、エベレストに登頂した物語だ。
 もちろん主人公は初登頂をなした「エドモンド・ヒラリー」と「テンジン・ノルゲイ」。

今ではエベレストは、お金と暇とちょっとばかりの体力があれば、芸能人でも登れる山になってしまったかもしれないが、当時は、人間が標高8800mで生存できるかさえ不明で、エベレスト登頂は宇宙への冒険のようなものだった。

物語は、当時の映像やヒラリーへのインタビューなどを交えながら、淡々と進んでゆく。
派手な(SFチックな)脚色も無く、とても好感がもてる(「バーティカルリミット」や「剣岳・点の記」はひどかった…)。
 淡々としすぎて寝てしまう人もいるかもしれない。でも私は、今まで読んだたくさんのエベレストにまつわる話が銀幕のエベレストの姿にリンクして、画面から目を離すことができなかった。

登頂にまつわる様々なエピソードも興味深い。
 今では当たり前のように使っている登山用酸素ボンベも、エベレスト登頂のために開発され、それが酸素残量もわからない原始的なものだったことに驚いた。

 そして、スクリーンに映し出されるエベレストやヒマラヤの山々、ニュージーランドの山々は私にとって懐かしいものだ。カラパタールの丘からみたエベレストの姿をまざまざと思いだす(「憧れの頂へ~ネパール・Island Peak」)。

ヒラリーにも思い出がある。

 ニュージーランドでホームステイをしていたときに、ホストマザーが、
 「イベリストに登ったイドモンドはニュージーランドの英雄なの」
 と私に話した。しかし、「イドモンド」がなんだか分からない。
 何度も聞きなおす私に痺れを切らしたホストマザーは、お札を取り出して私に見せた。

 そこには「エドモンド・ヒラリー」の肖像画があった。

 日本人は英語読みで「エドモンド・ヒラリー」と言うが、ニュージーランド人である彼は、ニュージーランド英語による正しい発音は、「イドモンド」なのだった。

 こんな思い出がないとしても、山好きなら楽しめる映画だと思う。

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 カラパタールの丘から眺めたエベレスト。真ん中の黒い三角の山がエベレスト。左下にエベレスト・ベースキャンプが見えていて、そこから氷河がセラック帯へと上っている。

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