月の谷だったり死の谷だったり~南米4ヶ国の旅(15)

9/2 サンペドロ・デ・アタカマ(プカラ遺跡、月の谷)

前回の続き)

約束の3時に旅行会社の前に行くと、今度はちゃんとマイクロバスが来ていた。月の谷のツアーに参加するお客は我々含めて8人。ガイドはひげ面で日本兵みたいな帽子をかぶって年齢不詳だが、おそらく30歳ちょっとだろう。流暢にスペイン語と英語を話す。

130902月の谷の入り口

ガタガタと揺られながら山のほうに向かう。ほどなく砂漠の真ん中にポツリと建つ小さな小屋に到着。ここで入場料を払う。日本では富士山でお金を取るかどうか議論しているが、海外では景勝地や国立公園でお金を払うのは当たり前のように思う。

130902サンペドロ、月の谷の洞窟

小屋のすぐ近くでバスを下りる。月の谷か?と思ったが、洞窟探検らしい。

130902月の谷の洞窟入り口

狭いゴルジュのようなところに入っていく。足元に水の流れたような跡があるので、本当にゴルジュかもしれない。

130902サンペドロ、月の谷の洞窟の壁

両側の岩はこんな感じ。すべて岩塩、つまり「塩」。このゴルジュも、洞窟も、その上の山も全部塩でできている。雨が降ったら溶けちゃうよ~、と思ったが、サンペドロ・デ・アタカマは年に1、2回しか雨が降らないそうだ。

130902サンペドロ、月の谷の洞窟

四つんばいになって洞窟に侵入。外は例のごとく強い日差しで耐えられないくらい暑いが、ここはひんやりしている。停電対策にもってきたヘッドライトが大活躍。

130902サンペドロの月の谷の地面

洞窟の足元の地面にはこんな模様が。地図の等高線に見えてしまうのは、私が山ヤだから?

130902サンペドロ、月の谷

またちょこっとバスに乗ってやってきたのは「月の谷」。周囲をぐるりと丘に囲まれ、クレーターの真ん中にいるようだ。砂と塩がじゃりじゃりする。雨にけずられたようなとがった岩や、風に運ばれた細かい砂の丘がある。風雨によって作られた侵食地形は大気のない月にはありえない。でも月の谷。

130902サンペドロ、死の谷

月の谷を離れ、平野を横切り、侵食された岩にはさまれたゴルジュのような道を通ってアンデスの山の反対側にやって来た。ここは「死の谷」。切り立った断崖が続く。

130902サンペドロ、死の谷からプカラ遺跡

あれ?どこかで見たことのあるものが…。正面の丸い頂上の丘に白いモノリスのようなものが建っている。そう、今日の午前中に行ったプカラ遺跡の展望台だ。そうするともちろん展望台から撮った写真(「ドタキャン&プカラ遺跡」)には死の谷が写っている。

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「死の谷」は恐怖よりこの殺風景さが「死」を感じさせる。

130902サンペドロ、死の谷の反対側

夕日を見るために死の谷のすぐ反対側の谷に移動する。絶壁の下の地面に無数の巨大なしわが刻まれ、そこに塩が積もっている景色は、日本では想像もつかない絶景。

ここから見るアンデス山脈は右手から左手へと地平線の180度を占めている。右を見ても、前を見ても、左を見てもアンデスの山々。それはアンデス山脈が南北6000kmを越え、サンペドロ・デ・アタカマはその真ん中あたりにあるためだ。ガイドさんは、右奥に小さく見えるのは南米最高峰アコンカグアだと言うけど本当かな?1000kmくらい離れていると思うんだけど。

130902サンペドロ、死の谷の夕日

真っ赤なまん丸の夕日が赤い砂漠に沈む…のを期待してたが、違っていた。空気が澄みすぎて夕日があまり赤くない、それどころかまぶしくて沈みゆく太陽を直視できない。

130902サンペドロ、夕暮れのアンデス。

日が沈み、山々が茜色に染まるのを待つ。日が沈むと急に寒くなる。

130902サンペドロ、すっかり日が沈んだところで街に戻る。
 これが我らが宿”Viento Norte”。通りからちょっと離れて見ると洗濯屋の看板しか見えない。


130902サンペドロ、肉の盛り合わせ

お待ちかねの夕食。Caracoles通りのフォークロア調の”adobe”。
 注文したのはやっぱり肉。それも色々な部位の肉を焼いた、肉の盛り合わせ。ポテトの盛り合わせに見えるかもしれないが、ポテトの下には肉の塊がごろごろ。

ところで、ワインリストが昨日のレストランや、今日のランチのレストランと同じなのはなぜ?

130902サンペドロ、adobeのコンサート

この店は中庭を囲んでテーブルが並ぶ雰囲気のいい店だが寒い。中庭は寒い。夜のサンペドロはとても寒い。思い切り焚き火のそばに座る。そしたら焚き火をはさんでコンサートが始まった。楽しい夜だ。

130902サンペドロ、adobeのサラダ

よし、二人だからサラダを注文しよう!となんだか分からないけど「ギリシャ風サラダ」を注文。野菜山盛り!を想像していたが、想定外におしゃれな食べ物が出てきた。野菜とチーズのミルフィーユ?オリーブがギリシャ風?ああ、レタスやキュウリを食べたのは何日ぶりだろう。

130902サンペドロ、夜の街

ワインと肉でいい気分になって夜の街に出る。観光客が多いので中心部なら夜も安全、というか観光客しか歩いていない。

次回に続く)

参考

観光情報
sanpedroatacama.com“がとても詳しく、参考になる。
旅行会社
Lonly PlanetのChileに何社か紹介されている。地球の歩き方は情報が乏しい。私が利用したのは”Desert Adventure“。ことの顛末はこの記事にあるとおり。ここに限らず、ツアーの前日に直接旅行会社に行ってコンファームしたほうがいい。
ATM
私が確認したのは2ヶ所。ToconaoとGustavo Le Paigeの交差点、VilamaとCaracolesの交差点。ただ、私が行ったときには前者は空っぽで下ろせなかった
宿
今回宿泊したのは、”Viento Norte“。街の中心部にあり便利な立地。ただ、2部屋くらいしかなく、英語も全く通じない。

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