人影薄い仙塩尾根~仙丈岳・北岳(2)

8/11 芦安~広河原~北沢峠~仙丈岳~両俣小屋

前回の続き)

20130811大仙丈岳へ

喧騒の仙丈岳山頂を後に仙塩尾根に踏み込む。人がいない。人が少なくなると花が多くなるの法則(By惰性人)のとおり、急に花は増えた。蝶も多いが写真に撮れない。
 仙塩尾根は仙丈岳と塩見岳、2つの3000m峰をつなぐ長大な尾根だ。しかしその半分は標高2500m程度のだらだらとした樹林帯。

20130811仙丈岳のリンドウ

崖のふちにリンドウが咲いている。白と紫のそろい踏み。
 花の写真をパシャパシャ撮りながら歩く。

20130811仙丈岳の茶色いキノコ

森林限界線上ながらもキノコも多い。そういえば去年行ったグリーンランドでも、木の生えない極地の荒野にこんなキノコがたくさん生えていた。日本の高山帯はまさに氷河期の痕跡なんだなぁ。

20130811仙丈岳尾といわおおぎ

仙丈岳がどんどん小さくなる。仙丈岳の手前に咲く花はイワオウギ。まとまった株にに花がたくさん付くので、写真を撮るときの前景に重宝する。

20130811仙塩尾根、北岳を正面に

正面に北岳が見える。遠いな~、本当に明日、行けるのかいな?
 北岳や間ノ岳を見ながら尾根にそって下ってゆく。北沢峠から仙丈岳まで1000m登ったが、これからテン場の両俣小屋まで、登ったのと同じ1000mをまるまる下る。そして明日は北岳までまた1000m以上登る…

20130811仙塩尾根の樹林

2600mで樹林帯に突入。南アらしいコケとシダに覆われた針葉樹の森。さっきまでの藪は頭は太陽にあぶられ、体は藪の湿気で蒸され地獄のようだった。しかし、ここまで来れば、木々が太陽の光をさえぎり、マイナスイオンたっぷりの冷たい風が体を冷やしてくれる。ハンモックを張って昼寝したいくらいだ。

20130811仙丈岳のキノコその2

さすがにこれは食べられないだろう…

20130811仙塩尾根独標

ぴょこっと森をぬけ岩の上に出た。独標と言うらしい。今まで景色はほとんど見えなかったが、ここは360度見渡せる。仙丈岳は午後のもわっとした空気にかすみ、そしてそこから延々と木々に覆われた尾根がここまで続いている。

20130811仙塩尾根最低点へ下る

横川岳という小さなピークを超え、両俣小屋への分岐がある仙塩尾根の最低点に向けてひたすら下る。倒木が多いと聞いていたが、南アならこの程度はしかたないかな。
 分岐になる野呂川越は標高2300m、ここからさらに一気に野呂川の谷底へ300m下る。ある意味、本日の山場。出発して9時間近くたっているところで、滑り落ちそうな樹林帯の急な下り。足がバカになりそう。明日の朝これを登り返すのかと思うと、ますますテンションが下がる。

20130811両俣小屋

暴力的な下り40分の後、両俣小屋到着!遠くで鳴る雷鳴にあわててテントを立てる。そして、靴下を脱いで両俣川の沢に足を突っ込み、火照った足を冷やしながらビールをグビリ。お疲れ様でした~!

次回に続く)

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