大槌町、変わったこと変わらないこと~遠野まごころネットその5(1)

5/11 遠野~大槌町~遠野

前回の続き)

120511ボランティア・遠野駅前いつものように朝6時にバスは遠野駅前に到着。駅前には新しい観光施設ができている。遠野市はお金持ちなのか?
 バスを下りると寒い!風が冷たい。まるで2月の東京のようだ。かじかむ手をポケットに突っ込んで、まごころネットの拠点、浄化センターに向かう。同じ方向に歩いてゆくのは2人ばかり。だいぶ減ったな…


120511ボランティア・まごころネット朝礼まごころネットに到着。受付の手続きをして、ラジオ体操の後、朝礼を行う。ボランティアは少ないかと思っていたが、意外と多かった。GWから滞在している人がいるためと、企業から派遣されている人が多いためだ。朝礼で自分の行き先を決める。今日は大槌町にしよう。


120511ボランティア・橋野どんぐり広場

大槌町へは新緑と山桜が美しい笛吹峠を越える。四季を通じてここに通ったが、今の季節が一番美しい。笛吹峠はかなりうねうねしていて写真が撮りにくいのが残念だ。

笛吹峠を下ったところにある「橋野どんぐり広場」で休憩。ここの産直は野菜や山菜が驚くほど安い。パックいっぱいの天然タラの芽が250円。そして、ある人は絶品、またある人は苦くて食えん、と評価が真っ二つに分かれる貴重な天然の「しどけ」が60gで160円!通販で買ったら200gで1000円くらいする。こんなものをこんなに安く食べられる地元の人がうらやましい。

120511ボランティア・変わらぬ大槌の風景

いよいよ3ヶ月ぶりに大槌町に入る。そこには、家の土台だけが残る見慣れた景色が広がる…驚くほど3ヶ月前の景色のままだ。3ヶ月前にも3ヶ月前と変わらないと思ったので、半年前からほとんど変わってないのだろう。

120511ボランティア・大槌町で側溝清掃今日の作業は側溝の清掃。先日の豪雨で津波の泥が詰った側溝から水があふれ出し、車が通れないほど道路が水浸しになったそうだ。側溝の蓋も重たければ、泥をつめた土嚢も重い。いきなり初日から全力の力仕事だ。
 しかし、雨の天気予報にもかかわらず、時々ぱらつく程度なのは不幸中の幸い。
 側溝の脇の民家に住むご主人と話をした。二階建て住居の一階が津波に浸水したものの、建物全体の破壊は免れた。しかし、一階の電気系統の修理の手配ができず、二階に住んでいるとのこと。さらに家族は津波に襲われた場所には怖くて住めないので、ご主人以外はみんな仮設住宅に住んでいるとのことだった。


120511ボランティア・福幸きらり商店街昼食に大槌北小学校の校庭に作られた仮設商店街「福幸きらり商店街」に行く。飲食店からスーパー、そしてツタヤまでいろいろな商店が並ぶ。さて、前回来たときにはどこもいっぱいで入れなかったが、今日はどこで食事をしようか。


120511ボランティア・やきとり七福のやきとり定食前回は店が開いていなかった、やきとりの七福に入る。やきとり定食を注文する。量はちょっと少ないが、ご飯のお代わりができてワンコイン、500円。なかなかうれしい料金設定。他に唐揚げ定食などもある。


120511ボランティア・被災地の花

植えたのか勝手に生えているのか分からないが、ガレキの合間にたくさん咲いている黄色い花が目を引く。かつてはヘドロに覆われ、真っ黒だった津波に洗われた土地は今花盛りだ。

120511ボランティア・更地が増えた大槌町バスに乗り遠野への帰途につく。車窓からの景色は以前からの変化に乏しい。しかしよく見ると、黒く焼け焦げて廃墟になっていた建物の並びが撤去され、更地が増えていた。その分、ガレキの山は大きくなっているようだった…。


120511ボランティア・月命日のまごころネットキャンドルナイト

今日は5月11日。まごころネットでは震災で犠牲になった方々のことを忘れないため、毎月の月命日にはキャンドルナイトを行う。今日はみんなでローソクを「心」の形に並べ火をつけた。

「ボランティアにやって来たあなた方は、被災地の現実の様子を体験して知っている。震災当初の雰囲気はもはや感じ取ることはできないが、それでも感じたこと、変わったこと、変わらないこと、ありのままを伝えて欲しい。」とは代表の言葉だ。

次回に続く)

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