国見岳登頂~立山・室堂(4)


11/27 室堂~国見岳~室堂~扇沢

前回の続き)

111127立山スキー・夜明け
暖かい夜だった。朝起きたとき、テントの内側にほとんど霜がおりていなかった。日本海にある弱い気圧の谷のために曇っているせいか?と、外に出てみるが、空はうっすらと巻層雲に覆われているものの、風も弱くまずまずの天気。

今日は軽くひと滑りしてから、アルペンルートが混雑する前に帰る予定だ。

111127立山スキー・国見岳へ、昨年の雪崩の斜面
国見岳に向かう。国見岳はカール状の魅惑的な斜面を持つが、頻繁に新雪雪崩が発生する危険地帯だ。去年の11月30日にもこの正面の斜面で雪崩が発生し、犠牲者がでている。今日は積雪が50cm~1mくらいしかなく、弱層を確認しようとピットを掘ると地面が出てきてしまうほどだ。しかも風でパックされた新雪でかなりしまっている。絶好のチャンス。

どこから登ろうかと地図と実際の地形を眺めながら思案する。去年、雪崩れた斜面にトレースがついている。いくら雪が良くてもそんなところを登る気にはならない…


国見岳と室堂山の間の谷の右岸から、稜線からのびる小尾根にのる。傾斜も緩く、風上側なので雪もしまっている。無垢の雪面にトレースをつけながら快適に登る。
 稜線に出てから、室堂山と国見岳の間の釣尾根を行くつもりだが地図では細い。それがちょっと心配。

111127立山スキー・剱岳
室堂山から台地のように突き出す尾根にのった。地図上では平坦な地形だが、実際は細かい凹凸があって、風上側の斜面ながら複雑に雪庇がついている。ここからの剱岳はなかなかかっこいい。

111127立山スキー・薬師岳、槍ヶ岳
主稜線に出た。薄曇だが空気は澄んでいて、薬師岳はもちろん槍穂から笠ヶ岳まではっきり見える。いつも室堂山の展望台で見る景色と同じ。

111127立山スキー・室堂山から国見岳へのつり尾根
心配していた室堂山から国見岳の釣尾根。鞍部までは雪原と言っていいほど広く快適そうな尾ね。しかしその先は…国見岳への登りは細く急なリッジになっている。トレースはそのリッジの右側にへばりつくように細くついてる。傾斜が急なのはいいが、ここから見ると一ヶ所、雪が切れて岩を越えているように見える。しかも右側は岩が頭を出す雪壁。

111127立山スキー・国見岳山頂からのパノラマクリックで拡大

国見岳山頂到着。いつも見てるだけだった山にやっと登った。さすがに風は冷たい。展望は360度、室堂山の展望台よりずっと絶景だ。
問題の岩のでている場所は、本当に岩がでていた。その横のスキー1本分の幅しかない雪を崩れないように祈りながら踏んで越えた。

111127立山スキー・室堂ターミナル・剱岳
室堂ターミナルの後ろは雷鳥沢だ。なめらかに雪に覆われた雷鳥沢はスキーのためにあるんじゃないかと思えるほど。ターミナルの横にはたくさんのテントがある。指定地を大幅にはみ出して張られている。

さて、体が冷えないうちに下りよう。シールをはがしてカールのような美しい斜面に飛び込む。

111127立山スキー・シュプール
滑り下りた斜面を振り返る。真ん中の3本が我々のシュプール。誰も滑っていない、滑り出しが40度はあろうかという沢を、砂漠を爆走する4WDのように、パウダースノーを巻き上げながら落ちるように滑った。言うことなし!!こんな場所は、いつもだったら雪崩が怖くて滑れない。滑りに夢中になりすぎて、途中で写真を撮るのを忘れてしまった…

最高の滑りの余韻に浸りながら、道路をたどって室堂平のサイト場に戻る。テントの撤収をしていたら環境省のレンジャーが、サイト場を見まわりながらゴミを拾っていた。なんと、こんなところにゴミを落としていく不届き者がいるのだ!ついでにいろいろとお話をうかがった。

近年のバックカントリーブームで雷鳥平のサイト場のし尿(雪の上にしたものは春に一斉に融けて、あたりを汚す)が限界を超えて環境問題となった。そのため、室堂ターミナルのトイレが利用できる室堂平、それも石碑の周囲に限って今年、試験的にキャンプ指定地が設定された。ところが、予想外というか、予想通りというか、マナーを守らないバックカントリーヤーがあまりに多い。レンジャーも残念そうだった。これでは来年の設置は怪しいのではないか…


ここはトイレじゃないぞ!
室堂ターミナルのトイレがあるにも関わらず、雪の上にはあちこちに黄色い跡がある。この人たちはスキー場の真ん中や、公園の真ん中でするのだろうか?これでは何のためにここを指定地にしたのか分からない。


雪を地面まで掘り下げて張っているテントが多い。高山植物はズタズタ。
 雪を掘り下げてテントを張るのは、雪上技術としておかしい。海外では風除けのために掘り下げて張ることもあるが、日本では一晩の積雪が桁違いに多いため、掘り下げると雪が吹き溜まってテントが埋もれてしまう可能性がある。掘り下げずに風上にブロックを積むのが正解では?(我々はそうした。)

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昼前に室堂を発つ。大観峰へ向かうトロリーバスが、トンネル工事の難所、破砕帯を通過する。この派手さは遊園地のアトラクションのような…

111127立山スキー・タンボ平
来るときは吹雪でなんにも見えなかったが、今日はロープウエイの窓から、新雪に覆われたタンボ平を見下ろす。もうなんとか滑れそうだな~。


なぜか扇沢に向かう人は少なく、アルペンルートはガラガラで順調に乗換えが進む。
 ケーブルカーの運転台はとってもレトロ。


ケーブルカーの注意書き。観光客の半分が中国語を話している。中国語の勉強のために、片っ端から話しかけてみる。みんな台湾の方だった。震災支援のお礼を言おうとするが、それどころじゃないとばかりに、みんながみんな私の写真を撮りはじめる…スキーヤーが珍しいようだ。私も台湾でお世話になっているので、精一杯の笑顔で応える。そして、震災後も変わりなく日本を訪れてくれる、台湾の人々に心の中で感謝。

111127立山スキー・黒部ダムの雪は融けている
黒部ダムは雪解けを迎えた春のようだった。つい一昨日、ショベルカーで雪かきをしていたのがウソのよう。


トロリーバス黒部ダム駅。人がいない。アルペンルートがガラガラの理由が分かった…12時は1本しかバスがないので、接続がめちゃくちゃ悪い。40分待ち。


下山後、いつもは大町温泉だが、今日は上原の湯。源泉かけ流し。450円。ただ、ちょっと狭い。

(立山・室堂 完)

2件のフィードバック

  1. ブログを見る度に色々と勉強させて頂いています。台湾原住民の人達の山行きはちょっとだけ知っていますが、山の知識は殆どありませんので。
    台湾の方々に遇われた由、彼の地の人達は本当に雪が大好きで、山に雪!となれば頑張って出かける人もいますね。我が友人達も勿論そうですし、スキーにもとても興味を持っています。また、東日本大震災の時は台湾の友人達が電話をくれ気遣ってくれました。国を挙げて関心を持ってくれた事に感謝し、折に触れその気持を思い出だして行きたいものです。

  2. 惰性人 より:

    メイウエンティさん、お久しぶりです
    台湾の方々にちょっとでも話しかけると、たちまち並んで写真を撮られて、芸能人にでもなったかのようでした。(笑)
    少しでも旅の思い出にと、ガラでもなくおもいっきり笑顔をサービスしました。
    台湾の方々の熱い思いには頭が下がります。
    早いうちに「謝謝台灣Tシャツ」でも着て台湾に行きたいな~、と思っているのですが、なかなか機会に恵まれません。

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