新雪と澄みきった青空~立山・室堂(2)

11/26 室堂~一ノ越~雷鳥沢~室堂

前回の続き)

111126立山スキー・夜明け前の大日岳

5時起床。テントが狭くて寝苦しかったが、かえって3シーズンシュラフでも全然寒くはなかった。起きるなり食事の準備を始める。テントの外がほのかに明るくなってきたので、外に出てみる。無風快晴。暁の光に照らされた大日岳が浮かび上がる。

111126立山スキー・立山に朝日が当たる

7時半ともなれば、立山の峰々に朝日が当たる。夜半まで吹雪いていたので、雪は新雪、穢れなき純白。空は雲ひとつなく晴れわたり、絶好のスキー日和だ。よし、初山スキーのメンバーもいることだし、まずは定番、一ノ越に登って雷鳥沢を滑ろうかな。

111126立山スキー・雷鳥平に滑り下りる

雷鳥荘から雷鳥平を見下ろす。例年であれば雷鳥平にテントを張るので、この斜面を巨大なザックを背負ってヨタヨタと滑る。しかし、今日は軽い日帰り装備だ。新雪が吹き溜まった斜面に思い切り飛び込む。

111126立山スキー・称名川を渡る雷鳥平から称名川を渡って一ノ越への登りに取り付く。雪が少ないからどんなかな?と思っていたが、ここは例年とおなじくらいの積雪があった。



111126立山スキー・称名川と大日岳

ああ、美しい。新雪と澄みきった青空。こんなにすばらしい天気に恵まれて、なんてラッキーなんだ。

111126立山スキー・雪煙舞う立山

立山の峰々に目を移すと、稜線に雪煙がたっているのが見える。ここは全く風がなく、歩いていると汗をかくほどだが、3000mの稜線には冷たい季節風が吹きつけているのだろう。

111126立山スキー・雷鳥坂を登る

板にシールを貼って登頂開始。真っ白な雪面につけられた先行者のトレースをたどる。パックされた新雪にシールが気持ちよくきまる。しかし、入山者は少なく、このトレースを歩いたのも数人だろう。雪を踏むとまだわずかにもぐる。シュプールも1本しか見当たらない。毎年、蟻の行列のようになって登ったのがウソのようだ。

111126立山スキー・大日岳と能登半島

高度を上げるにつれ、周囲の山々は低くなり、そしてより遠くの景色が広がる。大日岳の右後にはっきりと能登半島が見える。なんどもこの時期の立山に通っているが、新鮮な風景だ。

それにしても暖かい。と言うか暑い。まるで春山だ。手袋を薄手のものに替え、帽子とネックガードを取り、アウターの前を全開にして、汗をかきながら登る。

111126立山スキー・白山

白山もはっきり見える。

111126立山スキー・一ノ越直前の細い尾根

2600mあたりの急登をさっくりこなして主稜線にでる。もっとも、シールに不慣れなメンバーには、新雪がサラサラと崩れる蟻地獄のような登りだったようだが…。いずれにせよ一ノ越はすぐそこだ。風が冷たくなってきた。脱いでいた帽子や手袋をまた身につけて、もうひと頑張り。

111126立山スキー・剣御前小屋

一ノ越の直前でちょっとしたトラバースがある。いつもここから風が強くなる。今日も例外ではない。身を切るような冷たい風が、雪を巻き上げながら斜面に吹き付け、先行者のトレースをみるみる消してゆく。かっこいい写真を撮りたいが、風で体がよろめき、さらにカメラを構える手がどんどん冷たくなってゆくので、なかなか思い通りにならない。

次回に続く)

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