かっ、涸沢?マルティアル氷河~~南米・パタゴニアの旅(18)
1/6 ウスアイア滞在(マルティアル氷河、ビーグル水道クルーズ)
(前回の続き)
昨日は夜遅くに夕食をとって、寝たのも1時過ぎだったが、暖房の入った暖かい部屋でぐっすりと眠ることができた。
9時少し前に食堂で、コロンビア人とドイツ人のご夫婦にコロンビアの話(高山から砂漠、ジャングルもあって興味深い)などを聞きながら朝食。食べ終わってすぐに街にでる。
晴れているか曇っているかよくわからない天気。でも山ははっきり見える。ウスアイアは北側の氷河を抱いた岩山の山脈(アンデスの末端)、南側をビーグル水道に挟まれた、山の斜面に張り付くように広がる街だ。
今日は午前中は近場のマルティアル氷河(Glaciar Martial)にハイキング、午後はビーグル水道クルーズに行く。
マルティアル氷河のカールはスキー場になっていて、リフトがかかっている。そのリフトまで市街からタクシーでA27$、10分ほど。ついたときにはリフトが止まっていて、どうしたものかと思っていたが、10時になったら動き出した。
ちょうど日本の秋山といった気候で気持ちいい。リフトの両側は八ヶ岳の森のような、うっそうとした森で、こんなしっかりした森を見るのは日本を出てから初めてだ。森を見ていると心が落ち着く。が、高度が上がるにつれて、だんだん寒くなってきて、あわててゴア雨の上着を羽織る。
リフトを下りるとすでに森林限界。氷河へは沢沿いコースと森林コースがあるが、沢沿いコースから登ることにする。目の前の風景は…かっ、涸沢?穂高のような岩山に残雪がのっている。残雪、ではなくて氷河か。
始めは花咲く沢沿いの緩やかな道を登ってゆくが、最後はガラガラした岩屑(モレーン)の急な登りだ。
リフトから40分ほどで氷河の末端に到着した。やっぱりただの残雪に見える。
氷河の末端の丘からの眺め。カールの底に登山道が延びていて、奥にはウスアイアの街が広がる。その向こうにはビーグル水道、さらに奥にはチリ領ナバリノ島の山々が連なる。このアマルティア氷河は、氷河を見に来るところではなくて、この景色を見に来るところなんだ。
丘にはどんどん登山者がやって来る。お弁当を広げてパーティーを始める人々もいて、なんか狭くなってきたので下山を始める。ガラガラの岩くず斜面にジグザグにつけられた道をうつむきながら、カールの底から次々と人が登ってくる。
アマルティア氷河からの融雪水がカールの底で清流となっている。両岸にはお花畑が広がり、日本の黒部あたりの沢そっくりだ。
例えばこんな花が咲いている。名前は知らない。
こんな花も群落をつくって咲いている。もちろん名前は知らない。
下山は沢沿いコースを離れ、森の中コースを歩く。みっしりと茂る木々の間に道がつけられている。これらの木々は「南極ブナ」と呼ばれるが、日本の「ブナ」と違って、ニレやレンガなど、数種類の樹木の総称らしい。いずれも幹は日本の豪雪地帯のブナのように地を這うように湾曲し、気候の厳しさを感じさせる。
リフト券は往復だったが、下りは歩いてもたいしたことがないので、歩いて下りてしまった。そちらのほうが森林浴を楽しめていいだろう。途中、子供たちの行列とすれ違った。遠足だろうか。ここはウスアイア市民の憩いの場所なのだろう。下りきったところで、登山客を乗せて来たタクシーをつかまえて街に戻った。
参考
- マルティアル氷河(Glaciar Martial)ハイキング
- 市内からリフト乗り場までタクシーで約10分、A26$
- リフトは10:00から、往復A68$、所要時間約10分
- リフト終点から氷河の末端まで徒歩約1時間
(次回に続く)
なんかそこに涸沢小屋が建っているような。おっ涸沢といった風景ですね。カール地形と言うヤツですかね。
それにしても毎回綺麗な写真と話題をありがとうございます。
とかげの仲間さん、こんにちは、
「氷河」というので行ってみましたが、ミニ涸沢でした…
氷河は夏の涸沢の雪渓より小さかったです。
ただ、1000mちょいの山とは思えない迫力がありました。